基本システムには、最近の一般的なUltrabookと同様に、超低電圧版のIvy Bridge/Chief River(いずれも開発コード名)プラットフォームを採用している。直販モデルのため、基本スペックはいくつかの選択肢の中からカスタマイズすることが可能だ。
CPUはCore i5-3427U(1.8GHz)とCore i3-3217U(1.8GHz)の2種類から選べる。どちらも基本動作クロックは1.8GHzだが、前者はTurbo Boost 2.0により、状況に応じて最大2.8GHzまで動作クロックが上がる。グラフィックス機能は、いずれもCPUに統合されたIntel HD Graphics 4000だ。
また、CPUの選択によってチップセットが自動的に決定され、Core i5-3427Uを選ぶとIntel QM77 Express、Core i3-3217Uを選ぶとIntel HM76 Expressとなる。メモリ容量は固定だ。4GバイトのDDR3-1600 SDRAMをオンボードで搭載しており、増量はできない。
データストレージの容量は、約64/128/256Gバイトの3種類から選べる。いずれもSerial ATA 6Gbps対応のSSDだ。評価機のSSDは約64Gバイトだが、デバイスマネージャで確認するとSamsungのmSATA SSD「MZMPC064HBDR-00000」だった。プリインストールOSは、64ビット版のWindows 8に統一されている。
そのほか、選択可能なものとしては、前述したようにキーボードドックのほか、USB外付けのDVDスーパーマルチドライブ、Microsoft Office Home and Business 2010、ノートンインターネットセキュリティの有無がある。また、キーボードドックおよびキーボードドック内蔵バッテリー、ACアダプタを別途追加したり、保証期間や保証内容の拡張サービスも加えられる。
液晶ディスプレイの画面サイズは11.6型ワイド、表示解像度は1366×768ドット。画素密度は約135ppiと、モバイルノートPCでは標準的な水準だ。広視野角のIPSパネルを採用しているため、画面を見る角度を変えても色味などの変化が少なく、横位置でも縦位置でも快適に利用できる。
表面はタブレットとしては珍しく非光沢仕上げとなっている。非光沢仕上げは、光沢仕上げに比べて色の鮮やかさ、表示のシャープさで劣る一方、外光の映り込みが抑えられ、比較的目にもやさしいというメリットがある。WQ2/Jの場合は完全な非光沢というよりは光沢パネルに非光沢の膜を張ったような印象で、最大輝度では気にならないものの、輝度を40%以下に設定するとやや映り込みも気になった。
もっとも、最大輝度はかなり高いため、明るい設定で使うぶんには映り込みも気にならない。内蔵の照度センサーにより、輝度はやや低めに自動調整されるが(省電力や疲れ目に配慮したものと思われる)、状況に応じて、手動調整で明るくしてもいいだろう。色味は目視ではやや黄緑が強いが、鮮やかさは標準的な光沢パネルよりそれほど見劣りしない印象ではある。
液晶ディスプレイには10点マルチタッチに対応した静電容量式のタッチセンサーを搭載しており、指や付属のスタイラスペンを使って画面に直接触れて操作できる。タッチパネル表面の滑りや感度はよく、小指の爪の脇の部分で触れてもしっかり反応する。センサーの精度もよく、比較的細かい操作でもストレスは感じなかった。
付属の電磁誘導式スタイラスペンは単6形電池1本で動作し、対応アプリでは筆圧検知の機能も利用できる。ボタンが2つあり、ポイント時に上のボタン(ペン先から遠い方)を押すと消しゴム機能(対応アプリで有効)、下のボタンを押すと右クリックになる。
ちょっとしたイラストやメモを手書きするのに便利なのはもちろん、デスクトップではUI(ユーザーインタフェース)要素の拡大/縮小をリアルタイムに行えないため、指だけの操作では右クリックメニューの表示が小さくて選択しづらいこともあり、そういう場合にスタイラスペンが使えるのは便利だ。
もっとも、タッチパネルの検出精度がよいこともあり、11.6型ワイドで1366×768ドットの解像度、dpi設定(小=96dpi)の環境では、指だけでもギリギリ操作できると感じた。なお、スワイプなどのジェスチャー操作をペンで行なっても反応しない。
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