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キーボード着脱式でCore i搭載のWindows 8タブレット――「FMV STYLISTIC WQ2/J」を攻略する“2Wayスタイル”でいいとこ取り?(4/5 ページ)

» 2012年12月17日 18時45分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]

Windows 8タブレットとして高いパフォーマンスを発揮

 今回試用したWQ2/Jの構成は、店頭販売向けモデルと同等のスペックだが、改めて紹介すると、Core i5-3427U(1.8GHz/最大2.8GHz)、メモリ4Gバイト、SSD 64Gバイト、Intel HD Graphics 4000、64ビット版Windows 8という内容だ。この構成でベンチマークテストを実施した。

今回試用したWQ2/Jのデバイスマネージャ画面。約64GバイトSSDはSamsungのmSATA SSD「MZMPC064HBDR-00000」だった

Windowsエクスペリエンスインデックスのスコア

 Windowsエクスペリエンスインデックスでは、プライマリハードディスクの「8.1」というスコアが目立つ。SSDの性能はCrystalDiskMark 3.0.1でも確認している。最速クラスのSSDに比べるとライト性能が劣るが、Sequantial Readで452.6Mバイト/秒を超えるなど、Serial ATA 6Gbps SSDならではのハイスコアをマークしている。

 PCMark 7では似たようなスペックを備えたUltrabookに少し譲るスコアで、3DMarkや3D描画系テストでは差が開く傾向にある。WQ2/Jは12.7ミリ厚のボディにタッチパネル付き液晶ディスプレイを含め、タブレットPCとして必要なコンポーネントを詰め込んでいることから、同じ画面サイズで18ミリ未満の厚さが許されるUltrabookとは熱設計の考え方が違う。そのため、熱設計に余裕があるUltrabookと同じ性能が出ないのは当然といえる。放熱面に配慮し、Turbo Boost 2.0は控えめに動作させているようだ。

 それでも、Windowsエクスペリエンスインデックスのプロセッサのスコアでは6.5をマークしており、PCMark 7(総合スコア)の3969という数字も優秀といえる。WinSATの結果に見るように、Atom Z2760(Clover Trail)を搭載したWindows 8タブレットやARM系プロセッサを搭載したWindows RTタブレットとは比較にならないほど高速だ。

各種ベンチマークテストの結果
PCMark 7
PCMarks 3969
LightWeight 2927
Productivity 2150
Creativity 8237
Entertainment 2503
Computation 13885
System Storage 5125
3DMark Vantage 1.2.0
3DMark/Entry 5665
GPU/Entry 5765
CPU/Entry 5384
3DMark/Performance 1164
GPU/Performance 926
CPU/Performance 5068
3DMark06 1.2.0(1024×768)
3DMarks 2877
SM2.0 903
HDR/SM3.0 1231
CPU 2070
CrystalDiskMark 3.0.1
Sequantial Read 452.6
Sequantial Write 174.3
512K Read 318.4
512K Write 161.9
4K Read 18.55
4K Write 39.86
4K QD32 Read 281.2
4K QD32 Write 67.07
MHFベンチマーク【絆】
1280×720ドット/フルスクリーン 1145
ストリートファイターIVベンチマーク
標準設定(1280×720ドット) 7218(ランクE/27.07)
WinSAT
CPU LZW圧縮 (MB/s) 159.69
CPU AES256暗号化 (MB/s) 82.98
CPU Vista圧縮 (MB/s) 420.8
CPU SHA1ハッシュ (MB/s) 494.06
ユニプロセッサ CPU LZW圧縮 (MB/s) 85.23
ユニプロセッサ CPU AES256暗号化 (MB/s) 56.44
ユニプロセッサ CPU Vista圧縮 (MB/s) 210.5
ユニプロセッサ CPU SHA1ハッシュ (MB/s) 355.97
メモリのパフォーマンス (MB/s) 10035.09
Direct 3D Batchのパフォーマンス (F/s) 123.37
Direct 3D Alpha Blendのパフォーマンス (F/s) 123.75
Direct 3D ALUのパフォーマンス (F/s) 57.51
Direct 3D Texture Loadのパフォーマンス (F/s) 57.01
Direct 3D Batchのパフォーマンス (F/s) 127.97
Direct 3D AlphaBlendのパフォーマンス (F/s) 118.38
Direct 3D ALUのパフォーマンス (F/s) 49
Direct 3D Texture Loadのパフォーマンス (F/s) 50.5
Direct 3D Geometryのパフォーマンス (F/s) 97.61
Direct 3D Geometryのパフォーマンス (F/s) 148.53
Direct 3D constant Bufferのパフォーマンス (F/s) 79.73
ビデオメモリのスループット (MB/s) 3165.07
Dshowビデオエンコード時間(s) 2.77214
メディアファンデーションデコード時間 (s) 1.71077
Disk Sequential 64.0 Read (MB/s) 473.4
Disk Random 16.0 Read (MB/s) 264.33
※ストリートファイターIVベンチマークの設定 フルスクリーン、アンチエイリアス:NONE、垂直同期:OFF、モデル:高、背景:高、ソフトシャドウ:低、セルフシャドウ:低、モーションブラー:低、パーティクル:中、エクストラタッチ:OFF

 実際の操作感についてもWindows 8が軽快に動作する。Atom搭載のWindows 8タブレットやWindows RTタブレットがいくら軽快と表現されようと、その言葉を意味するレベルはまったく異なる。これらがデスクトップ上での操作やアプリケーションを検索して起動するといった動作の際にはどうしてもモタつきを感じてしまうのに対し、WQ2/Jの場合は何をさせてもキビキビと反応するのだ。

バッテリー駆動時間、静粛性、放熱性もテストする

 バッテリー駆動時間はBBench 1.01(海人氏・作)を利用して測定した。無線LANでネットに常時接続し、BBenchの設定は「60秒間隔でのWeb巡回(10サイト)」と「10秒間隔でのキーストローク」に設定、WebブラウザはInternet Explorer 10(64ビット)を指定、タブブラウズはオフとした。

 この条件で、バッテリー満充電の状態から残量10%で休止状態に自動で移行するまでの時間は4時間23分と、公称値の約4.8時間に近い値が得られた。キーボードドック装着時にはバッテリー駆動時間を2倍以上に延ばせるため、重さと引き替えに、ヘビーなバッテリー駆動にも耐えうる。

 動作時の騒音については、アイドル時もファンが回っていることが分かる程度の音はするものの、静粛というレベルだ。とはいえ、ファンレスのタブレットに慣れていると少し気になるかもしれない。高負荷時にはかなり大きくなるが、第3世代Coreのフォームファクタだけに仕方がないところだ。

 ボディの発熱は、左側面の排気口が中心だ。室温22度の室内で最も熱い部分で39度、ボディ左半分ほどまで温かいと感じる程度の温度(33度前後)になる。Webページを見たり、Webの動画を見るくらいならば、排気口の付近が33度前後になる程度だ。右側面はほとんど熱は伝わってこない(30度以下)ので、気になるなら反対側を持つようにすればよいだろう。当然ながら、キーボードドックはほとんど熱を持たない。

暗騒音32デシベル/室温22度の環境で本体手前5センチに騒音計を設置し、動作音を測定した結果(グラフ=左)。室温22度の環境において、3DMark Vantage実行直後のボディ表面温度を放射温度計で測定した結果(グラフ=右)

富士通 STYLISTIC QH

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