レビュー
» 2013年02月26日 17時30分 公開

新旧モデル、ライバル機との比較も:これぞ本命!?――大変身した「Xperia Tablet Z」のWi-Fiモデルを速攻チェック (3/4)

[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]

最高画質を目指した1920×1200ドットの液晶ディスプレイ

 画面の美しさも大きな魅力の1つだ。液晶ディスプレイは高輝度・高精細をうたい、ソニーは「Reality Display」と呼ぶ。10.1型ワイドと先代機の9.4型ワイドよりも少しだけ大きくなった広視野角のIPSパネルを搭載しており、表示解像度はフルHD(1980ドット×1080ドット)を超える1920×1200ドット(WUXGA)に対応する。16:10のアスペクト比はそのままに、従来の1280×800ドットより大幅に精細な描画が可能となった。

 高解像度の写真や映像などを美しく表示できるほか、アイコンやフォントなども最適な解像度で描画され、ドット感のない美しい表示で楽しめる。また、フルHDより縦方向の解像度が高いため、映像コンテンツ以外のWebブラウズや電子書籍など、多目的に使うにも都合がよい。

 単に高解像度化しただけでなく、色再現性にもこだわっており、従来比で約2倍の広色域に対応するのも特徴だ。色域を広げるため、Xperia Tablet Z専用のカラーフィルターを液晶パネルに搭載するなどの工夫もしたという。

10.1型ワイド液晶ディスプレイは、解像度が1920×1200ドット(WUXGA)まで一気にアップ(写真=左)。写真やアイコン、フォントなど全体的に高精細な表示が可能になった(写真=右)。ドット感がない美しい表示だ

WUXGAはフルHDより縦方向の解像度が高いため、縦位置でも横幅が狭苦しくならない(写真=左)。液晶ディスプレイがオフの状態では、画面とフレーム部の境目が目立たないように仕上げており、黒い1枚板のような美しい外観だ(写真=右)

 また、通常は別部品で構成されるカバーガラスとタッチセンサー層を一体化した「Direct Touch」を採用し、これまで以上にガラス層とタッチセンサー層の薄型化を可能にした。薄型化によって、表示している画面と実際に触る部分の距離が縮まり、タッチ精度が向上している。光の反射層が少なくなる効果もあるため、さらに視認性が向上して見やすくなったという。

 先代機に採用した「オプティコントラストパネル」も引き続き継承している。通常、空気層となっている液晶パネルとガラスの間にクリアな樹脂を流し込み空気層をなくすことで、光の反射と拡散が低減され、外光下でも見やすい、鮮やかな色彩を映し出すとともに、タッチ精度の向上にも一役買っている。

 さらに、これまでにない画像処理エンジンとして、ソニーの液晶テレビ「BRAVIA」シリーズに搭載されている「ブラビアエンジン2」のモバイル版である「モバイルブラビアエンジン2」も採用した。

 人間は、人肌の色の変化に敏感な一方、空の青さ、森の緑などを実際よりも鮮やかに記憶する性質がある。このブラビアエンジン2では、このいわゆる「記憶色」の再現を目指しており、映像の明るさの分布をリアルタイムで解析しつつ、人肌はよりナチュラルに、風景などは鮮やかにくっきりと、というように最適にカラーマネジメントやコントラストの調整を行なう。また、ノイズリダクションとシャープネスの処理も適用する。

 このモバイルブラビアエンジン2は、「ムービー」アプリ上などの動画再生や「アルバム」アプリで有効になるという(ゲームアプリには非対応)。

「モバイルブラビアエンジン2」のデモツールを使用した表示の違い(画像=左)。画面右半分がモバイルブラビアエンジン2を適用した映像だが、彩度やシャープネスが向上しているのが分かる。モバイルブラビアエンジン2は、設定画面からオン/オフを切り替えられる(画像=右)

 サウンド面もウォークマンなどのオーディオ機器で定評のあるソニーならではの音質技術を惜しみなく導入している。

 内蔵スピーカーによる音声出力では、アンプのデジタル化により音質劣化を最小に抑えて原音を忠実に再現する「CLEAR PHASE」、高精度な音場処理により内蔵スピーカーで仮想的にサラウンド空間を再現する「S-Force フロントサラウンド3D」、ゆがみなく内蔵スピーカーの音量を高める「xLOUD」が利用できる。

 ヘッドフォンをつないだ場合も、左右の音の混在をカットしてクリアなステレオサウンドを再生する「CLEAR STEREO」、独自の音響処理によりメリハリのある重低音を出力する「CLEAR BASE」、スタジオ、クラブ、コンサートホールから楽曲に合わせた臨場感のある音質を選べる「サラウンド(VPT)」に対応する。

 先代機と同様、簡単にソニーお勧めの音質に設定できる「Clear Audio+」モードも用意されている。コンテンツの音量レベルを均一化する「ダイナミックノーマライザー」も便利だ。

 今回の試作機では画質や音質の詳細な評価は避けるが、実際の製品でもエンターテインメントコンテンツの優秀な再現能力が期待できる。

薄型軽量化を果たしつつ、基本スペックも充実

 基本スペックも順当に強化されている。先代機と比較した簡単な表を別途用意したが、システムの中核となるSoCに、Qualcommの最新チップであるSnapdragon APQ8064を採用している点が目を引く。CPU性能、GPU性能ともに先代機が搭載していたNVIDIA Tegra 3を大幅に上回る高性能と定評のある最新チップだ。メーカーが変わっているので具体的な性能はピンと来ないかもしれないが、実際のパフォーマンスは製品版に近い実機を入手してから検証したい。

 一方、ストレージ容量が32Gバイトというスペックは、多くのユーザーにとって必要十分だが、物足りないと感じる向きもありそうだ。SDXC対応のmicroSDカードスロットでストレージ容量を増やせるため、あまり多くのバリエーションを用意する必要はないとの判断だろう。製品のターゲットユーザーを想定すると、128Gバイトとはいわないまでも、思い切って64Gバイトでもよかったのではないかと思える。ちなみにソニーストアでは、ストレージに16Gバイトも選択可能だ(ブラックのみ、直販価格は5万2800円から)。

 通信機能はIEEE802.11a/b/g/nの無線LAN、Bluetooth 4.0を標準搭載する。NFCも内蔵しており、タブレットで聞いている音楽を外部スピーカーで再生する、スマートフォンで見ているWebページの続きをタブレットで見る、といったNFCによる機器連携も可能だ。おまけにFMラジオまで装備している。タブレットに欠かせないセンサー類も、照度、ジャイロ、デジタルコンパス、加速度、GPSを網羅する。

 Xperia TabletからXperiaスマートフォンに接続してテザリング機能のオン/オフを行える「Xperia Link」も引き続き搭載しており、追加機能としてSMSの確認/送信や、スマートフォンへの着信をXperia Tablet Zで知らせるといった機能が追加されている。

Xperia Tablet Z、Xperia Tablet S、Sony Tablet Sの基本スペック比較
製品名 Xperia Tablet Z(Wi-Fi) Xperia Tablet S Sony Tablet S(Wi-Fi)
プリインストールOS Android 4.1 Android 4.0 Android 3.1
液晶ディスプレイ 10.1型IPS 9.4型IPS 9.4型IPS
画面解像度 1920×1200ドット 1280×800ドット 1280×800ドット
CPU Qualcomm Snapdragon APQ8064(1.5GHz) NVIDIA Tegra 3(1.3GHz) NVIDIA Tegra 2(1.0GHz)
メモリ 2Gバイト 1Gバイト 1Gバイト
ストレージ 16Gバイト/32Gバイト ※16Gバイトはソニーストアのみ 16Gバイト/32Gバイト/64Gバイト 16Gバイト/32Gバイト
通信機能 IEEE802.11a/b/g/n無線LAN、Bluetooth 4.0 IEEE802.11a/b/g/n無線LAN、Bluetooth 3.0 IEEE802.11b/g/n無線LAN、Bluetooth 2.1+EDR
カメラ 220万画素(前面)、810万画素(背面) ※いずれも「Exmor R for Mobile」 100万画素(前面)、800万画素(背面) ※背面のみ裏面照射型CMOS 30万画素(前面)、511万画素(背面) ※背面のみ「Exmor for mobile」
搭載センサー類 GPS、デジタルコンパス、照度、3軸加速度、ジャイロ、NFC、FMラジオ GPS、デジタルコンパス、照度、3軸加速度、ジャイロ GPS、デジタルコンパス、照度、3軸加速度、ジャイロ
カードスロット microSDXCカード(SDXC対応) SDメモリーカード(SDHC対応) SDメモリーカード(SDHC対応)
インタフェース Micro USB(MHL対応)×1、ヘッドフォン出力/マイク入力兼用×1、ステレオスピーカー、モノラルマイク マルチポート(HDMI出力、USBにオプション対応)×1、ヘッドフォン出力/マイク入力兼用×1、ステレオスピーカー、モノラルマイク USB 2.0(micro-AB)×1、ヘッドフォン出力/マイク入力兼用×1、ステレオスピーカー、モノラルマイク
バッテリー容量 6000mAh 6000mAh 5000mAh
バッテリー駆動時間 音楽再生時:約110時間、ビデオ再生時:約10時間、Wi-Fi Web閲覧時:約8.2時間 スタンバイ時:約1050時間、ビデオ再生時:約12時間、Wi-Fi Web閲覧時:約10時間 スタンバイ時:約430時間、ビデオ再生時:約6時間、Wi-Fi Web閲覧時:約6.2時間
バッテリー充電時間 約6.5時間 約5.5時間 約5時間
外形寸法(幅×高さ×厚さ) 266×172×6.9〜7.2ミリ 239.8×174.4×8.8〜11.85ミリ 241.2×174.3×10.1〜20.6ミリ
質量 約495グラム 約570グラム 約598グラム

 カメラ機能は液晶ディスプレイ側に有効約220万画素のインカメラ、背面側に有効約810万画素のアウトカメラを搭載している。どちらも1080pのフルHD動画が撮影できるほか、裏面照射型CMOSセンサーの「Exmor R for Mobile」を採用しており、高感度でもノイズの少ない写真や動画が撮影できる。

 カメラアプリには写真撮影と動画撮影のボタンが両方あり、モードを切り替えることなく、動画撮影中に写真を撮影できるなど、ユーザーインタフェースもかなり工夫されている。ソニーのデジタルカメラ「Cyber-shot」シリーズや「α」シリーズと機能やアイコンデザインなどを共通化しているので、それらのユーザーならばすぐになじめるだろう。

 なお、ドコモモデルとの違いも別表にまとめた。前述したデザインの相違とLTE/3G機能の非搭載に加えて、Wi-FiモデルではワンセグやNOTTV、ドコモ純正アプリ、付属の卓上ホルダ、16GバイトのmicroSDカード、ヘッドセットを省いている。その一方で、SO-03EにはないACチャージャーとUSBケーブルが標準添付となる(クレードルはオプション扱いだが、ドコモ販売モデルと異なり、角度調整機構を備える)。

Wi-Fiモデルとドコモ販売(LTE/3G)モデルの違い
カテゴリー Wi-Fiモデル ドコモモデル
製品名 SGP312JP/B・W SO-03E(LTE/3G)
側面パーツ(ブラックモデルのみ) 光沢調仕上げ 鏡面調仕上げ(増反射コート材に裏からブラックの印刷)
正面のロゴ SONY(左上) SONY(左上)、Xi(下中央)
My Sony会員登録 〇 (リーフ付属/Webショートカット)
販路 ソニーマーケティング NTTドコモ
保証書 ソニーマーケティング NTTドコモ
修理受付 ソニーマーケティング NTTドコモ
ワンセグ 〇(録画機能あり)
モバキャス(NOTTV)
卓上ホルダ(充電機能のみ) 別売 付属
ACチャージャー 付属 別売
USBケーブル 付属 別売
microSD 別売 付属(16Gバイト)
ヘッドセット 別売 付属
ドコモアプリ
アプリ終了機能(タスクキラー相当のモード)
NFC簡単起動ウィジェット

iconicon

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

この記事が気に入ったら
ITmedia PC USER に「いいね!」しよう