・→これぞモバイルPCの最先端:「VAIO Duo 13」徹底検証(後編)――cTDPによる格上のパフォーマンス、驚異的なスタミナ、発熱、騒音をじっくりテストする
前回に引き続き、ソニーの13.3型コンバーチブルPC「VAIO Duo 13」のレビューをお届けする。液晶ディスプレイをはじめ、サウンド機能、タッチパネル、ペン入力、キーボード、そしてタッチパッドを順にチェックしていこう。
VAIO Duo 13はディスプレイにも並々ならぬこだわりがある。まずは、同時発表した「VAIO Pro 11」および「VAIO Pro 13」と同様、ソニーの液晶テレビ「BRAVIA」で使われている技術をモバイル向けに応用した「トリルミナス for Mobile」を採用した。広色域、高輝度、高解像度をうたう高品位なディスプレイで、専用のカラーフィルターを導入し、色域を広げているのが特徴だ。液晶パネルは広視野角のIPS方式を用いている。
「VAIO Duo 11」が採用した「オプティコントラストパネル」も継承している。通常、空気層となっている液晶パネルとガラスの間にクリアな樹脂を挟んで空気層をなくすことで、光の反射と拡散を低減し、黒い画面の白ぼやけや映り込みも抑え、コントラストの高いクッキリとした映像を映し出す。
この空気層を樹脂で埋める構造は、見えている画面とタッチパネルのセンサー位置のズレ(視差)を抑える効果もあり、タッチ操作やペン入力の精度向上にも役立っている。細かいところでは、VAIO Duo 13はVAIO Duo 11より表面ガラスをわずかに薄型化し、視差をさらになくしたという。
VAIO Pro 11/13と同じように、低消費電力の低輝度動作でも正面から明るく見せるため、バックライトの光の向きを正面寄りに制御する「集光バックライト」も採用した。ただし、VAIO Pro 11/13ほど集光の度合いは強くない。意識してみれば正面以外からは少し暗いことが分かる程度で、やや斜めから見ても視認性は保たれている。
そのぶん消費電力は少々不利になるが、キーボードモード(ノートPC形状)では画面の角度が固定されることや、タブレットモード(タブレット形状)でより自由に使うことを意識して、使い分けているのだろう。
また、液晶パネル関連の工夫にとどまらず、VAIO Pro 11/13同様、ソニー独自の超高解像技術を搭載した映像高画質エンジン「X-Reality for mobile」も備えており、インターネット動画など低ビットレートの映像でもノイズの少ないきれいな画質で動画を楽しめる。
さらに、内蔵の照度センサーにより周囲の明るさを検知し、輝度を自動調整する機能や、用途別の色モード設定(鮮やか、ナチュラル、テキスト)も持つ。
液晶ディスプレイの解像度はフルHD(1920×1080ドット)だ。画素密度は約166ppi(pixel per inch:1インチあたりのピクセル数)となる。13.3型ワイド画面としては高精細な表示で、Retinaディスプレイ級の高画素密度ではないものの、表示が粗い印象はない。意識して目を近づけるとドットを認識できる程度で、より高精細な液晶パネルと見比べなければ気にならないだろう(dpiスケーリング設定は125%に設定されていた)。
見た目の印象はVAIO Pro 11/13と同じかそれ以上に良好だ。VAIO Pro 11/13に比べて集光の度合いが弱いせいか、オプティコントラストパネルの効果か、並べて見比べるとVAIO Duo 13のほうが明るくクッキリと鮮やかに見える。
VAIO Duo 11の液晶ディスプレイも初めて見たときは明るく鮮やかで高画質だと思ったのだが、VAIO Duo 13に比べると、全体に白っぽくあっさりして見え、メリハリを欠いているように見えてしまう。つまり、色域の差は体感でも分かる。最大輝度はVAIO Duo 11が少し高いが、VAIO Duo 13も十分明るい。総合的な表示品質は、VAIO Duo 13のほうが上だろう。
一方、ディスプレイの表面は硬度の高いガラスで、照明や映り込みは発生する。特にVAIO Duo 13はキーボードモード時に画面の角度が固定になり、タッチ操作やペン入力を安定して行える半面、利用する場所によっては照明の映り込みが気になるだろう。
映り込みが気になる場合は、純正アクセサリの液晶保護シート「VGP-FLS12」(ソニーストア直販価格1980円)を検討したい。コントラストや発色のよさは少し落ちるが、外光の反射や映り込みを抑えつつ、画面を保護でき、しかもペンでの手書き操作がしやすくなる。
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