「VAIO Duo 13」徹底検証(後編)――cTDPによる格上のパフォーマンス、驚異的なスタミナ、発熱、騒音をじっくりテストするこれぞモバイルPCの最先端(3/5 ページ)

» 2013年07月23日 11時00分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]

3DMark 1.1.0、3DMark Vantage 1.1.2のスコア

 3DMarkと3DMark Vantageは、3D描画性能を測定するベンチマークテストの定番だ。PCMark 7と同様、Futuremarkが制作している。

 今回テストしたところ、第4世代Coreプロセッサーを搭載したVAIO Duo 13とVAIO Pro 13は、第3世代Coreプロセッサーを備えたVAIO Duo 11に比べて、3DMarkのIce Stormスコアが大幅に低かった。一応掲載しておくが、CloudGateや他のテストとは明らかに違う傾向を示しているので、本来の実力ではなく、ドライバがまだ成熟していないなどの可能性が考えられる。3DMark/Ice Stormのスコアは省いて、結果をご覧いただきたい。

 VAIO Duo 13のVOMモデルは、グラフィックスコアにIntel HD Graphics 5000を搭載しているため、その描画性能が注目されるところだ。VOMモデルと店頭モデルをパフォーマンス優先設定で比較した場合、3DMark/Cloud Gateで17%、3DMark Vantage/Entryで18%、3DMark Vantage/Performanceで29%、VOMモデルのほうが高速だった。Core i7-4650U(1.7GHz/最大3.3GHz)に統合されたIntel HD Graphics 5000は、グラフィックスコアの実行ユニットが同4400の2倍(40基)というスペックの差からすると、少々物足りないスコアではある。

 それでも相手が第3世代Core(Intel HD Graphics 4000)搭載のVAIO Duo 11であれば、3DMark/Cloud Gateで35%、3DMark Vantage/Entryで37%、3DMark Vantage/Performanceで68%速くなっており、大幅な進歩といえるだろう。もちろん、パフォーマンス優先設定では、VAIO Pro 13の店頭モデルとVOMモデルのスコアも上回っている。

 なお、ソニーは3DMark Vantageのスコアにおいて、Core i7-4650U(1.7GHz/最大3.3GHz)を搭載したcTDP対応のVAIO Duo 13が、Core i7-3612QM(2.1GHz/最大3.1GHz)+Radeon HD 7670M(ドック内蔵)を備えた「VAIO Z」のハイエンド構成を上回る性能だったとしている。

 参考までに過去のテスト結果と比べてみると、高負荷がかかる3DMark/PerformanceとGPU/Performanceの項目でVAIO Duo 13のVOMモデルがVAIO Zに勝っていた(OSなどの環境が異なるため、参考程度に見ていただきたい)。CPU性能の差もあり、全勝は無理としても、条件によっては旧ハイエンドモバイルノートPC+GPU内蔵ドックの構成をしのぐ性能が得られるのは見逃せない。

 「CPUとファン」の設定によるスコアの違いだが、やはりVAIO Duo 13のVOMモデルは標準設定でグッと下がり、店頭モデルとの差もかなり縮まる。また、3DMark/Cloud Gateでも3DMark Vantageでも、VOMモデルはタブレットモードの静かさ優先設定でスコアが標準設定の半分くらいまで下がってしまい、店頭モデルよりもスコアが低くなる。

 TDPの枠内に収めるための調整は動作クロックの上下で行うが、VAIO Duo 13のVOMモデルはグラフィックスコアの実行ユニットが多いぶんだけ、小回りが利かないということだろう。

3DMark 1.1.0のスコア。キーボードモード+パフォーマンス優先(グラフ=左)、キーボードモード+標準(グラフ=中央)、タブレットモード+静かさ優先(グラフ=右)の結果
3DMark Vantage 1.1.2のスコア。キーボードモード+パフォーマンス優先(グラフ=左)、キーボードモード+標準(グラフ=中央)、タブレットモード+静かさ優先(グラフ=右)の結果

ストリートファイターIVベンチマーク、MHFベンチマーク【絆】のスコア

 過去のPCとの比較用に、実際のゲームタイトルを使った描画性能テストとして、ストリートファイターIVベンチマークとMHFベンチマーク【絆】(いずれもカプコン)を実行した。

 ストリートファイターIVベンチマークは3DMark/3DMarkVantageと似たような傾向だ。ただし、VOMモデルと店頭モデルの違いは、最も差が開いたパフォーマンス優先設定/1920×1080ドット表示でも5.8%にとどまっている。タブレットモードの静かさ優先設定ではスコアが大きく落ち込み、店頭モデルのほうが勝る現象がここでも見られた。

 MHFベンチマーク【絆】は、パフォーマンス優先モードのみ測定したが、店頭モデルとVOMモデルがほぼ同じスコアで、VAIO Duo 11ともあまり差がない結果だった。その一方で、VAIO Pro 13には差をつけている。

ストリートファイターIVベンチマークのスコア。キーボードモード+パフォーマンス優先(グラフ=左)、キーボードモード+標準(グラフ=中央)、タブレットモード+静かさ優先(グラフ=右)の結果
MHFベンチマーク【絆】のスコア。キーボードモード+パフォーマンス優先の結果

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