自作街の動きで大きかったのは、ユニットコム系列の再編だろう。3月1日に、ツートップ秋葉原本店とPC DIY SHOP FreeT、すでに閉店済みだったフェイス秋葉原本店、パソコン工房秋葉原本店の統合ショップ「BUY MORE秋葉原本店」がオープンした。
ツートップの跡地をリニューアルしたもので、PCパーツや同社製PCを扱うほか、10月18日以降は「iiyama PC」のショールームも併設している。PC DIY SHOP FreeTの跡地は、中古PCやジャンクパーツなどを扱う「BUY MOREアウトレット館」として7月21日まで営業したあと、8月3日からは同社のゲーミングPC専門店「G-Tune:Garage秋葉原店」に姿を変えた。
TSUKUMO eX.も4月後半にフロア構成を大幅に変更している。変更後は1階にノートPCとタブレット、地下1階に入力デバイスやアクセサリ、2階にデスクトップPCなど、3階にディスプレイやプリンタなどを並べ、PCパーツは4〜6階を中心に置くようになった(その後、PCパーツ系フロアは3〜6階に拡張)。そのほか、8月31日には、東映無線系列のパーツショップ「東映ランド」がオープンしている。
秋葉原全体でいえば、11月30日にJR高架下の「秋葉原ラジオストアー」が64年の歴史に幕を下ろすなど、時代の移り変わりを感じさせる例はあったが、自作街という範囲なら比較的穏やかな1年だったといえそうだ。景気も少しだけ上向いたといったコメントもよく耳にした。
TSUKUMO eX.は「2012年と比べると、販売した数量は同じくらいですが、単価はちょっと上がった感があります。いくつかのパーツの主力が、1つ上のグレードになったりして、よりお金をかけてよいマシンを作ろうという風が吹いているかもと思いますね」と話していた。
春先から元パーツショップ店員の森田氏が企画するアユートの「Project M」が複数のショップに並ぶようになり、ニッチな自作道も強度を高めている。また、7月にオリオスペックが店頭デモと予約受付を開始した6万9800円の3Dプリンタキット「3D PRINTER REPRAP MENDEL Evolution」が大反響を呼び、11月中旬に東映無線系列で扱い始めたmicro USB接続のQiアダプタシートがヒットしたように、自作のカスタム欲が及ぶ範囲は確実に広がっている。これらの新たな兆しが2014年の自作街で根を張ることを期待したい。
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