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» 2014年08月21日 18時45分 公開

「Surface Pro 3」の画質はどこまで進化したか?――新旧モデルで液晶テスト(iPad Air、Xperia Z2 Tabletとの比較も)Surface Pro 3徹底検証(2)(3/3 ページ)

[前橋豪, 撮影:矢野渉,ITmedia]
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液晶ディスプレイの色域はsRGB相当にアップ!

 i1Proの計測結果からガンマ補正カーブを抜き出したのが以下の画像だ。グラフは映像信号の入力と出力の関係を示しており、左下の0(白)から右上の255(黒)まで、R(赤)、G(緑)、B(青)の各線が重なってリニアな直線を描いていれば、グレーバランスが正確で階調の再現性が高いことが期待できる。RGBの各線がずれると、映像信号の色とズレた色が表示されたり、美しいグラデーションが描けなくなる。

 計測後のガンマ補正カーブは、どちらもRGBの各線がほとんど重なって直線を描いており、かなり高い階調再現性が期待できる。Surface Pro 2は中間階調から明部でわずかに青が上に補正された(つまり表示が少し黄色に寄っている)が、ほぼ問題ない。Surface Pro 3は暗部が少し上に補正され(コントラスト重視)、中間階調から明部で3本線が少しブレているが、こちらもモバイルPC/タブレットの画質としては良好な結果と言える。

Surface Pro 3Surface Pro 2 i1Proの計測結果から抜き出したガンマ補正カーブ。左がSurface Pro 3、左がSurface Pro 2の結果だ。いずれもRGBの3本線がほとんど重なって直線を描いているが、中間階調で少しズレも見られる
Xperia Z2 TabletiPad Air 参考までに、画質の評価が高い10.1型Androidタブレット「Xperia Z2 Tablet」(画像=左)と、9.7型iOSタブレット「iPad Air」(画像=右)の測定結果も掲載した。Xperia Z2 Tabletは明部で少しRGBの線が上振れしている。iPad Airはシャドーからハイライトまで正確だ

 次にi1Proによる計測で作成したICCプロファイルをMac OS XのColorSyncユーティリティで開き、色域を確認した。結果は以下の通りで、グラフ内で着色部分の面積が広いほど、表示できる色の範囲が広く、色鮮やかな表示が可能なことを意味する。着色部分がそのディスプレイで再現できる色域、薄いグレーで重ねて表示してあるのはsRGBの色域だ。

 結果を見ると、Surface Pro 3はSurface Pro 2から大きく色域が広がり、sRGBの色域をほぼカバーしていることが分かる。緑から青にかけての領域、赤から青にかけての領域は少し足りていないが、sRGB相当の色域と言っていい結果だ。特定の発色にクセがあるわけではなく、sRGBの色域をトレースしているので、色再現性は高い。

 色域の違いは、写真などを表示していればすぐ気付く。花や夕焼けのレッド、植物のグリーン、海や空のブルーなど高彩度の色乗りが明らかに違っている。画面サイズとアスペクト比の変更に加えて、色域がsRGB相当に広がっていることは、Surface Pro 3の液晶ディスプレイにおける隠れた進化点として注目したい。

Surface Pro 3Surface Pro 2 作成したICCプロファイルをMac OS XのColorSyncユーティリティで表示した色度図。左がSurface Pro 3、左がSurface Pro 2の結果だ。Surface Pro 3は色域が大きく広がり、sRGB相当の発色を獲得している
Xperia Z2 TabletiPad Air 参考までに、Xperia Z2 Tablet(画像=左)と、iPad Air(画像=右)の結果も掲載した。Xperia Z2 Tabletはガンマ補正カーブにクセがあったが、色域の広さは圧倒的でsRGBを大きく超えている。iPad AirはsRGBの再現性が高く、Surface Pro 3とほとんど同じ色域だ

 カラーとモノクロのグラデーションパターンを映し出し、目視で階調の再現性もチェックしたところ、黒にごく近い暗部がつぶれ、中間階調でバンディングが散見されたが、表示に破綻はなく、Surface Pro 2より改善されている印象だ。前述した色域の拡大により、高彩度の発色が向上している。以下にその写真を掲載した。こちらは前のページとは違い、それぞれの画像を表示した状態で実際に撮影した写真だ。

Surface Pro 3 カラーグラデーションの表示例
Surface Pro 3 モノクログラデーションの表示例

 画質の評価が高いタブレットの参考例として、Xperia Z2 TabletとiPad Airの計測結果も掲載した。Surface Pro 3はXperia Z2 Tabletの色域には届かず、映像コンテンツの色鮮やかさでは及ばないが、iPad Airとほぼ同じsRGB相当の自然な発色なので、sRGBプロファイルの標準的な画像データにおける色再現性では有利と言える。

 iPad AirはSurface Pro 3より高輝度で高精細、階調再現性に優れたディスプレイを搭載しているが、液晶パネルと表面ガラスの間に空気層があるため、ディスプレイ前面から少し奥に液晶の表示面が位置しており、いかにも液晶の前にガラスカバーが付いているような見え方だ。また構造上、外光の乱反射が発生しやすいデメリットもある。

 これに対して、Surface Pro 3は(Xperia Z2 Tabletも)、液晶パネルと表面ガラスの間に透明な樹脂を流し込んで接着したダイレクトボンディング(オプティカルボンディング)仕様なので、ディスプレイ前面と液晶の表示面が近く、画面が浮き上がって直接触れているような一体感があるのはメリットだ。これはペン入力の視差をなくす効果も持つ(とはいえ、外光の反射は標準的な光沢パネルのように発生する)。

 なお、MicrosoftはSurface Pro 3とMacBook Airの比較広告を海外で展開するなど、MacBook Airからの乗り換えユーザーを明確に狙っているが、液晶ディスプレイの表示品質はSurface Pro 3の完勝と断言できる(MacBook Airの計測結果はこちら)。筆者もMacBook Airのユーザーだが、そろそろ液晶ディスプレイのRetina化に着手してもらいたいものだ。

液晶ディスプレイの満足度が非常に高いSurface Pro 3

 今回テストした結果としては、Surface Pro 3の液晶ディスプレイが画面サイズ、アスペクト比、解像度で進化したことに加えて、色域も大きく広がり、sRGBをほぼカバーできる色鮮やかな表示が可能になったことが分かった。その発色のよさは、高画質で知られるiPad Airとほぼ同等で、前述の通り、Surface Pro 3の液晶ディスプレイが優れている面もある。

 最大輝度は従来より下がっているが、それでも満足できる輝度を確保しており、その他の進化による恩恵のほうが明らかに大きい。使い勝手のよい12型で3:2というユニークな画面サイズも相まって、数あるモバイルPC/タブレットの中でも液晶ディスプレイの総合的な実力はトップクラスと言える。

Surface Pro 3 高品位な液晶ディスプレイは大きな魅力。背面のキックスタンドで自立させて、コンテンツの視聴やタッチ操作が楽しめるのもSurface Pro 3のメリットだ

 次回は、12型で3:2の液晶ディスプレイを採用した大きな理由の1つであるペン入力について検証していこう。



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