2014年のPC市場は、昨年や一昨年に比べるとやや地味な印象だった。
その理由としては、IntelのPC向けCPUにおける技術的な進展が限定的だったことが大きい。2in1/高性能タブレットを後押しする省電力な新CPU「Core M」(Broadwell-Y)は今年後半にリリースされたが、採用製品はまだ少なく、一般ユーザー層への認知拡大が進むのはこれからといった状況だ。
またPCメーカーが幅広く採用するハイエンド/ミドルレンジのCPUラインアップは、第4世代CoreのHaswellからHaswell Refreshへとマイナーチェンジにとどまったことで、PC製品もマイナーチェンジモデルが多かった。期待の次期Windows OS(Windows 10)が来年発売の予定であることも、「今年は小幅なモデルチェンジ」という傾向を後押ししたと言える。しかし、そのぶん成熟していて、安心して購入できるPC製品も少なくない印象だ。
一方のタブレットは、8型クラスのWindows 8.1モデルが急増した。Windows 8.1をそこそこストレスなく動作させる性能と8型クラスに収められる省電力を両立したBay Trail-T(Atom Z3740など)、Bay Trail Refresh(Atom Z3745など)が広く提供されるようになったこと、そしてMicrosoftが「Windows 8.1 with Bing」(低価格デバイス向けにライセンス料を格安に設定したWindows 8.1)を提供するようになったことが大きい。
Bay Trail Refresh搭載の製品群は、発売が2014年末とギリギリのタイミングが多く、筆者はまだしっかりと検証する機会を持てていないが、富士通の「ARROWS Tab QH33/S」やNECパーソナルコンピュータの「LaVie Tab W(TW708/T1S)」など、額縁が狭く、8型クラスでありながら片手で無理なく持てる魅力的な製品が登場している。
さて間もなく訪れる2015年は、Intel、Microsoftに大きな動きが予定されているだけに、PC製品にもまた大きな変化があると予想される。Intelは第5世代Core(Broadwell)を2015年初頭に発表し、Microsoftも1月21日(米国時間)にWindows 10の発表会を開催する予定だ。もちろん、両社以外の選択肢も含めて、大いに注目したい。
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