ところでこのIFTTTを使った家電製品のコントロールは、Google Homeアプリのスマートホーム機能を使った場合にはない特徴がある。それは(アプレットにもよるが)音声コマンドに任意の文章を設定できることだ。
どういうことかというと、照明を消す場合、一般的には「部屋の明かり・電気・照明を消して・オフにして」という音声コマンドを使うわけだが、IFTTTを使えば、こうした常識にとらわれず、全く独自のコマンドも設定できるのだ。
つまり本稿のタイトルである「この部屋に漆黒の闇をもたらして」などといった中二病くさい音声コマンドでも、照明のコントロールができてしまう。
しかもIFTTTの上記アプレットでは、音声コマンドに対する応答内容も自由に設定できるので、「この部屋に漆黒の闇をもたらして」に対するGoogle Homeの返答として「仰せのままに」とか「御意」とか、邪気眼が毎回発動しそうなフレーズも使い放題である。

音声コマンドおよびその応答内容には任意のフレーズを設定できる(画像=左)。余談だが「〜をもたらせ」では何度やっても認識されず、「〜をもたらして」でないと認識されない。Google Homeからエアコンをコントロールするためのアプレット(画像=右)。こちらは「エアコンをスタート」というフレーズで固定されており、任意の文章を登録することはできないもっとも、Google Homeはどんな応答内容も読み上げてくれるとはいえ、全く感情のこもっていない素の読み上げなので、どれだけ腹の底から響くような低い声で指示しても、「仰せのままに」「御意」という返事はあの抑揚のないボイスで返されるので、せっかくの雰囲気はぶち壊しである。
酒が入った状態でノリノリで話し掛けたらシラフで返されて瞬時にさめる感覚とよく似ている。
しかもあまりに長く複雑な音声コマンドだと認識率は著しく低下し、その度に「すみません、よく分かりません」「すみません、お役に立てそうにありません」と返されるので心が折れそうになる。
というよりも、その手前に「OK Google」「ねぇ Google」というウェイクワードを付けなくてはいけない時点で、いろいろとダメな気がしなくもない。
そんなわけで、中二病にせよファンタジーにせよ任侠世界にせよ、自由なせりふを登録して楽しむという使い方は可能なのだが、普段使いをするには違和感だらけなので、せいぜい音声コマンドの言い換えの1つとしてこっそり設定しておき、家人がいないところで楽しむという程度のほうがよさそうだ。
逆に言うと、こうしたせりふの抑揚や、果ては声の種類が設定できるようになれば、これまでなかったスマートスピーカーの新しい市場が広がるのかもしれない……と思う。
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