2021年になって再度の緊急事態宣言が発令され、3月に解除されたと思ったら今度は「まん延防止等重点措置」が全国各地に適用され始めた。これだけのドタバタが続けば、これまではテレワークの準備が整わなかったり、踏み切れなかったりしていた企業も、働き方や働く場所について対策せざるを得ないのではないだろうか。
一方でIT系の企業では、既に在宅ワークが続いて1年間以上出社していない人もいると聞く。また、オフィスにいるときでさえ、イヤフォンやヘッドフォンなどを装着して好きな音楽を聞きながら仕事をしているという風景をよく見かける。むしろ、ベンチャー企業ほどそのような形で業務に励んでいるイメージがあるかもしれない。
在宅ワークであれば、イヤフォンなど自分にだけ音が届くような装置を使わずとも、スピーカーから存分に音を出せる。若い頃は、まだラジカセやステレオコンポなどが音楽聴取シーンの主流だった筆者だが、今や音楽もサブスクリプションで楽しむ時代だ。スマートフォンやPCを音源としたり、スマートスピーカーを使ったりすることで円盤(CDやレコード)が手元になくても好みの曲、気分やシーンに合った曲を聞ける。
筆者は過去の遺物としてコンポ類を全て処分してしまったこともあり、音楽を聞きたくなったらスマートスピーカーを利用している。「Alexa、朝のジャズをかけて」とか「気分の上がるクラシックをかけて」と言うだけで、自分の今まで知らなかった、しかもそのときの気分にマッチした曲をお供に作業できる。すてきな21世紀だ。
ただし、音楽を流していて困るのが「この曲を最後まで聞いていたいのに、別の部屋に行かなければならない事態」が生じてしまうことだ。筆者はとにかくズボラなので、「行かなければならない」にもかかわらず、「最後まで聞いていたい」欲求が勝ってしまい、結果として作業が遅れてしまうことが多々ある。これではいけない。
ステレオコンポなどでは、解決する方法を思いつくことすらできないが、スマートスピーカーならこの問題は軽々と解決できる。家に複数のスマートスピーカーを置いて、それらを連携させればよいのだ。
現在、筆者宅で稼働しているのは、Amazonのスマートディスプレイ「Echo Show 5」が2台、10型ディスプレイ搭載の「Echo Show」、丸形ディスプレイの「Echo Spot」、プラグイン式スマートスピーカーの「Echo Flex」だ。2階にEcho Show 5が2台、残りは全て1階にある。
デバイスは、スマホのAlexaアプリを利用して登録する。ついでに、それぞれの端末を設置した部屋の名前も登録しておいた。
端末のある部屋名を登録すると、部屋名を指定して音楽再生ができるようになる。例えば、「仕事部屋でナパーム・デスをかけて」「リビングでロバート・パーマーのリップ・タイドをかけて」などだ。それぞれのEchoに名前を付けないと、「誰ソレさんの3番目のEcho Show」などと自動的に名前が付けられてしまうが、操作対象の端末が「何番目」なのかを覚えておくのは難しい。端末に名前を付けておくことも可能だが、部屋名でコントロールできるのであれば、その方が直感的で覚えやすいだろう。
そして、部屋名はそのままグループ名になる。Echo Show、エアコン、照明器具など、同じ部屋にある家電やスマート家電、スマートスピーカーをひとまとめにできるのだ。これにより、別の部屋からワンアクションでその部屋の全ての電源をオフに切り替えられるのだが、今回の趣旨からは外れるので詳細は別の機会に譲る。
さて、Alexaアプリでは、グループに階層を作れる。フォルダー階層のようなもので、リビングとキッチンを「2階」というグループに、玄関や仕事部屋を「1階」というグループに入れ子状に収められるのだ。こうしておけば、さらに操作は簡単になる。「リビングとキッチンの」などと複数のグループ(部屋名)ではなく「2階の」と指定して音声コマンドを送ればよい。可能な限りズボラに行きたいという筆者のニーズに応えてくれる仕様といえよう。
続いては、好みの曲を最後まで通してで聞きたい! という場合にどうするかだ。
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