続いてキー配列について見ていこう。本製品は日本語JIS配列を採用しており、キー配置そのものは、純正のMagic KeyboardのJIS配列モデルにおおむね準じている。キーはパンタグラフ構造で、約19mmというキーピッチや、約1mmというキーストロークも同等だ。
ただし、キー配列は完全に同一ではない。最大の違いは、一般的なキーボードではBackSpaceキーの左側にある「\」キーが、数字の「1」キーの左側へと移動していることだ。つまり同じ段の一番左に移動していることになる。
それならば単純に1つずつ左にずらせばよかったのではと思うが、そうすると「Q」キーの左上に「1 」、「W」の左上に「2」という上下の配置が乱れるので、「\」キーを犠牲にして他への影響を最小限にとどめたメーカーの発想は理解できる。とはいえ、ここさえクリアーしていればMagic Keyboard互換といって差し支えなかっただけになんとも惜しい。
アルファベット以外のキーも、Enterキーやその周辺の記号キーの横幅が狭かったり、左側のShiftキーやControlキー、Tabキーは逆に幅が広かったりと、配置は同じでもキーサイズがかなり異なっている。MacBookとほぼ同じ使い勝手を再現できている純正のMagic Keyboardと比べると、かなり癖がある印象だ。
その一方で利点として挙げられるのは、Magic Keyboardでは省略されているキーボード最上段のファンクションキー列が用意されていることだ。普段MacBookを使っているユーザーがMagic Keyboardを使う場合、画面輝度の変更やマルチメディア関連の操作がキー上で行えないのは少なからずネックとなるが、本製品はそのような心配もない。
ただし、左上のEscキーはないので、ショートカットを用いるか、別のキーに割り当てる必要がある。この点においてはMagic Keyboardと同様だ。
ファンクションキーが用意されていることで、キーボードのバックライトを素早く調整できるのも、Magic Keyboardと比べた場合の大きなメリットだ。ファンクションキーのないMagic Keyboardでは明るさ調整は本体の設定から行わなくてはならず、手間の差は一目瞭然だ。ちなみに明るさは16段階で調整できる。
キータッチ自体はMagic Keyboardと酷似している。メカニカルなカシャカシャという音は、本製品の方が控えめに感じるが、そう極端に違うわけではない。短時間の比較であれば違いを感じない人がいるかもしれない。
キーボード手前のトラックパッドは、Magic Keyboardに比べて縦横ともに約1cmずつ広い他、パームレストの奥行きもMagic Keyboardより広いので、手のひらが置きやすいのは利点だ。もっとも、ビニール寄りの素材を採用するMagic Keyboardに対し、本製品はざらざらした素材であるため、やや好みが分かれるかもしれない。
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