H7600ZMの日本向けモデルは、日本語配列のテンキー付きキーボードを搭載している。カーソルキーが1段下がった配置になっていることや、ファンクションキーをしっかりと“4つずつ”に分割していることなど、一定のこだわりを感じられる。LEDバックライトも備えているため、暗いスタジオでの作業も快適に行える。キーピッチは約14mm、キーストロークも約1.5mmと十分で、パームレスト部の剛性も高いため打ち心地もバッチリだ。
一方で、「BackSpaceキー」と「\キー」など、よくよく見てみると不自然な形状になっているキーがあり、少し気を付けないと打ち間違いが発生しそうである。ProArt Studiobook 16 OLEDはグローバルで展開されているモデルということで、さまざまな言語の配列に対応しやすくした結果だと思われる。
タイピング自体は慣れれば問題なさそうだが、キーボードの“形状”が気になる人はよくチェックしておきたい。
タッチパッドは約130×66mmと大きい。クリエイター向けアプリの利用も想定して、クリックボタンは(左右+センター)の3ボタン構成となっている。かなり大きめなので、ジェスチャー操作もしやすい。
このタッチパッドは、別売のスタイラスペン「ASUS Pen 2.0」によるペン入力にも対応している。タッチパッドとしては広いものの、スタイラスとしては若干狭いため本格的なイラスト制作は難しいかもしれないが、写真/動画アプリにおける範囲選択や簡単なレタッチの作業性は大きく向上する。
ペンの実売価格は税込み9000円前後だが、作業性を重視したいならぜひ買っておきたいアイテムである。
ProArt Studiobookシリーズにおいて最も特徴的なポイントとして、タッチパッドの左上にある「ASUS Dial」が挙げられる。
ASUS Dialは、いわゆる「ダイヤルデバイス」である。ダイヤルデバイスは押し込む操作だけではなく、その名の通りグルグルと回す操作が可能で、その操作に「画面スクロール」「パレット(操作ウィンドウ)の切り替え」「画像の拡大/縮小」「マクロ」といった機能を割り当てられる。作業の効率が上がるということで、さまざまなメーカーが製品を出している隠れた人気ジャンルの製品だ。
H7600ZMのASUS Dialは、アドビの「Illustrator」「Photoshop」「Lightroom Classic」「Premiere Pro」「After Effects」といった主要なクリエイター向けアプリに対応している。これらのアプリを使い慣れている人であれば、いろいろなキーボードショートカットを駆使することも苦にならないのかもしれないが、ASUS Dialをうまく使えばより直感的かつ高速に作業を行える。専用のユーティリティーアプリ「ProArt Creator Hub」から割り当てる機能の追加/変更も可能なので、よく使う機能を割り当てて使おう。
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