最後に簡単にだが、H7600ZMのパフォーマンスをチェックしてみよう。今回は、Lightroom Classicを利用したRAWデータの現像処理と、Premiere Proを使った4K(3840×2160ピクセル)動画の書き出し処理にかかった時間を計測した。
Lightroom Classicでは、ニコン製デジタルカメラ「Nikon Z 7II」で撮影をしたRAWデータ100枚をライブラリに追加し、等倍(解像度変更なし:8256×5504ピクセル)でJPEGファイルとして出力するまでにかかった時間を計測した。結果は1分57秒となった。
筆者が普段使っている自作PC(Core i7-12700F、Radeon RX 6800 XT、メモリ32GB、Windows 11 Pro)と比べると、差は30秒ほどしかない。ノートPCとしては健闘できているように思える。
Premiere Proでは、「GoPro HERO10 Black」で撮影した数本の4K動画を、約30分の1本の動画として書き出した。完了するまでにかかった時間は15分37秒だった。参考に、他の記事において自作PCで同じテストをした際の結果を以下に掲載する。
さすがにデスクトップPCと比べると遅いかもしれないが、ノートPCとして十分に高速な部類である。今後、ProArt StudiobookシリーズにGeForce RTX 40 Laptopシリーズを搭載するモデルが出てきたらどうなるのか、かなり楽しみな結果である。
ノートPCである以上、H7600ZMは外出先での作業に使われることも多いだろう。それこそ撮影を行ったその場でデータの取り込みと、必要に応じ簡単な編集を行ってデータを書き出して納品なんていうことも考えられる。そんなシーンでも、H7600ZMは充分に役立つ。
これまでのレビューの通り、ASUS ProArt Studiobook 16 OLED(H7600ZM)は、ハイパフォーマンスなPCの選択肢として、クリエイティブ作業に向けて求められるすべてを16型のボディーにぎゅっと詰め込んだ1台だ。
性能だけで見れば、ゲーミングノートPCも候補に挙がるだろうが、ASUS Dialやタッチパッドとスタイラスペンを使った手書き入力は本機ならではの魅力的な機能だ。ノートPCだからこそ、家や会社といった場所に縛られない使い方ができるのも、大きなメリットといえる。
がっつり景観のいい場所にロケに行くような場面にいっしょに連れて行けば、どんな場所であってもそこが自宅と同じ作業場になるはずだ。
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