2つめのスペシャルトークセッションは、東京大学情報学環教授 暦本純一氏、自称Uber Eats配達員でブロガー/テクニカルライター 清水亮氏、Shiftall 代表取締役CEO 岩佐琢磨氏が登壇した。
HHKB Studioこと“シン・HHKB”について、「Apple純正キーボード一筋だった。でも松本さん(HHKBプロダクト・エバンジェリスト 松本秀樹氏)がZoomで1時間も語るから、聞いているうちに欲しくなっちゃったし、使ってみたらとても良かったのでStudioに変えてしまった」と清水氏が語っている間に、メディアアーティストや起業家の落合陽一氏が乱入。ステージには急きょ席が追加され、4人によるトークセッションとなった。
メカニカルスイッチに変更されたことについて暦本氏は「そもそも初代がメンブレンだったから、HHKBは静電容量無接点スイッチじゃなきゃだめ、ということはないはず。これまでのHHKBのタイプ音は“スコスコ”と表現されていたけど、これは“コホコホ”かな」と新しいオノマトペを作り出していた。
乱入した落合氏は「人生の中で一番いいキーボード」と大絶賛。「アルミ削り出しの50万円のHHKB以外を全部これに差し替えたいくらい」と付け加えた。
日本語配列のキーボードを、わざわざUS配列に変え続けて20年という岩佐氏は「今回のHHKBでは、そのレイアウト変更ができる。今まで愛用してこなかったけど、キー荷重も含め、自分好みになったので、シン・HHKBはすごくいいと思った」と感想を述べた。
XR時代のHHKBについて「VRChatをしていても、まだまだキーボードが必要なシーンがある。本当は、(VRゴーグルを)かぶっていてもHHKBのリアルな置き場所が分かるアプリを今日リリースしたかったけど間に合わなかった」と岩佐氏が言うと、「キーボードは固定しているからまだいいけど、マウスの位置がわからなくなりがち。HHKB Studioならマウス一体型なのですごくいい」と同製品の優位性について清水氏が触れた。
HHKBに望むこととして、清水氏は「接続するOSを自動認識して切り替えてほしい。Fn+数字キーの手動切り替えはいやだ」と言い、岩佐氏は「やりたいことを実現するために拡張ポートをつけましょう。ファームウェアをオープンソースにしましょう」と提案した。
暦本氏が「Half-QWERTYという片手だけでタッチタイプできるキーボードがある。今ならAIで、ユーザーが何を入力したいのか判別できるので、次世代ではぜひ!」と松本氏に語りかけると、すかさず清水氏が「それ何、半分だから“HKB”? ハッピーじゃなくなっちゃうじゃん」とちゃちゃを入れていた。
最後に落合氏は「うっかり乱入しちゃったけど、キーボードは楽器だと思う。楽器なら精度が重要。この精度をもっと上げられたらいいと思う。皆さん、買いましょう」と締めていた。
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