会場には、複数台のHHKB Studioを試用できるように配置されていた。普段、HHKB Professional HYBRID Type-Sを使っている筆者ではあるが、入力音が静かになったこと以外に違和感を覚えることはなく「あれ、これメカニカルキーだよね?」と思うほどであった。
HHKB Studioでは、キースイッチがメカニカルになったことで、キースイッチも(自己責任になるが)交換可能になった。例えば、小指や薬指を使うキーには、荷重の軽いものにする、などの変更が加えられる。
HHKB Studioのキーキャップは取り外せる。2024年3月までに予定されているキーキャップの3Dデータが公開されれば、自作キーキャップにより、さらに「自分色」に染められるだろう。なお、キートップ引き抜き工具は付属せず、リニアスイッチ10個がセットになった別売の「リニアスイッチ(黒)」(税込み3300円)とセットになっているまた、一部から「マウスボタンのストロークが長い」という感想が出ているが、こちらもメカニカルスイッチが採用されている。ただし、文字キーとは異なるロープロファイル茶軸(キーストロークは約2.5mm)のものだ。
ジェスチャーパッドは、デフォルト(左側面が上下カーソル/左前面が左右カーソル/右前面がアプリ切り替え/右側面が上下スクロール)でも十分に使い勝手が良いのだが、先述の大倉氏のようにカスタマイズするのも良さそうだ。
特に画面を拡大縮小する機能を割り当てておけば、Webサイト上の小さい文字もすぐに判読できるようになるだろう。
個人的に秀逸だと感じたのは、ポインティングスティックと中央マウスボタンの組み合わせだ。上下だけでなく、左右へのスクロールも簡単にこなせる。しかも、マウスのホイールボタンでは、「クルクル」「クルクル」と指を乗せたり離したりする動作でスクロールが一瞬とまってしまうが、HHKB Studioのこの組み合わせであれば、どんなに長いWebサイトでも、どんなに横に長いスプレッドシートでも延々とスクロールさせ続けられる。動画編集でも使い勝手が良さそうだ。
「税込み4万4000円のキーボード」は、確かに高級キーボードといえるだろう。しかし、いったん触れてしまうと、「欲しい」という気持ちや「家に連れ帰って、自分色に染めたい」という思いがむくむくと湧いてくるに違いない。
何より、数年で買い替えねばならないPCと異なり、ずっと使い続けられるのだ。実機のある場所は限られるが、気になる人はHHKBタッチ&トライスポットでチェックしてみてはどうだろうか。
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