スペシャルトークセッションその1では、開発の後半からアセスメントに携わった有山圭二氏(プログラマー/モバイルアプリ開発者)、石田太志氏(プロフットバッグプレイヤー/キャリアコンサルタント)、ぺかそ氏(電気設計/YouTubeほぼ週間キーボードニュース運営)、びあっこ氏(プログラマー/自作キーボード設計/YouTubeほぼ週間キーボードニュース運営)が、HHKB Studioのファーストインプレッション、実際に使ってみた感想、HHKB Studioに思うことなどを語った。
PFU本社でHHKB Studioのプロトタイプを見せられた有山氏は、「突然親が決めた婚約者が目の前に現れたような印象を受けた」と語ったが、実機に触ったところ「配列が同じなので、スイッチの違いは気にならない。手をホームポジションからほとんど動かさなくて済むのがすばらしい」と語った。
モノのデザインが気になるという石田氏は、「すごくかっこよくてしびれた。メカニカルキーへの不安があったが、入力感はとても良かった」と、不安感が払拭されたことに触れた。「ポインティングスティックが付いたことで荷物を減らせるし、ただ単に付けただけでなく、細部までこだわっているところがいい」と述べた。
ぺかそ氏が「HHKBとポインティングデバイスが合体するところをイメージできなかったが、(実機を見て触って)納得した。いろいろ言わせてもらって、いい出来になったと思う」と言えば、びあっこ氏も「メカニカルキーにするということしか聞いてなかったので、要素が増えたけどどうなるの? とんでもないことをし始めたな、と感じた。でも、製品化されたものを見て、『ちゃんとまとまっている』と安心した」と経過説明を含め感想を語った。
メカニカルスイッチにシフトしたことについてびあっこ氏は、「静かさや底打ち感も含め、めちゃくちゃHHKBだった」と驚いたという。なぜメカニカルスイッチを採用したかについて笠原氏は「これまでは最高のキーボードなので、あなたが合わせてください、という姿勢だったが、Studioはあなた色に染めてください、というスタンス。ユーザー数の増加に伴い多様性も見られるようになってきたこともあり、ユーザーが自分で選べるようにした」と説明した。
ポインティングスティックについてぺかそ氏は、「HHKBの名前で出すのだから、完璧なものにしてもらいたい、と口を出させてもらった」と語る。「“押せば動くんでしょ”と思われがちだがそうではない。少し触れた程度では動作しないが、動かそうという意志を持って触ったときだけ動くようにする。その微妙なカーブがきちんと描けていると思う」と述べた。
さらに「ポインティングスティックの弱点はスクロールスピードにある。それをジェスチャーパッドで克服しているHHKB Studioは、すごくいい、すばらしい」と絶賛した。
最後に、ゲストたちはそれぞれ感想とメッセージを語った。
「師匠的な立ち位置だったHHKBが、カスタマイズ性が広がってようやく仕事仲間になったイメージ。まだ要望もあるので、もっと発展していってもらいたい」(有山氏)
「本体の重さが増したことはネガティブな要素ではない。なぜなら、打鍵感が安定したから。そのまま貫いていってほしい。でも白いモデルもあるといいですね」(石田氏)
「設定画面ではなく、マウスキー中央ボタンとGキー、Bキーを組み合わせて28段階でマウスカーソルの移動速度を変えられるのがいい。自作キーボード界隈に寄り添う姿勢の見えるところがうれしい。みんなの知っているメカニカルとは違うので、触ればきっと欲しくなるはず」(ぺかそ氏)
「オープンマインドを感じられる一品。吸音フォームが内部に貼ってあるなど、細かなところまで気を配ったハードウェアなので、この値段は妥当だなと感じる。ただ、ソフトウェアは、もうちょっと追い上げてほしいですね」(びあっこ氏)
続いてのセッションでは、思わぬ出来事もあった。
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