「IdeaPad S10e」から15年――レノボ・ジャパンのコンシューマーPCの歩みを振り返る(3/3 ページ)

» 2024年02月08日 06時00分 公開
[井上翔ITmedia]
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余りにもデカすぎる「27型タブレットPC」 バッテリー搭載モデルも

 レノボのコンシューマー向けPCは、画面一体型(AIO)を含むデスクトップモデルも展開している。メインストリームは「Lenovo」(※1)や「IdeaCentre」、プレミアムモデルは「Yoga」、ゲーミングは「Legion」「LOQ」というブランドで展開……しているのだが、「HORIZON(ホライゾン)」というAIO PCが存在したことを覚えている人はいるだろうか。

(※1)現在はメインストリームはIdeaCentre、プレミアムはYogaに統合

 「テーブルトップPC」を掲げるHORIZONシリーズは、実態としては超巨大画面を備える、バッテリー駆動非対応のタブレットPCと言った方が近い。本体にはスタンドが備わっており、別売の「マルチモードテーブル」を用意すると、名乗る通り“テーブルのように”使えてしまう。このHORIZONシリーズは、日本投入の際に「海の家」で説明会を実施したことでも注目を集めた。

 2016年1月に登場した「Yoga Home」シリーズは、このHORIZONシリーズのDNAを受け継いでいる。バッテリーを内蔵することで、“完全な”ドデカいタブレットとして運用できるようになったことが特徴だ。

デスクトップPC AIOタイプのコンシューマー向けデスクトップPCの系譜
Yoga Home 900 「Yoga Home 900」は、バッテリーを内蔵した27型AIO PC……というよりも、27型タブレットPCと言った方がいいようにも思える

グラボ搭載の「ゲーミングAIO」もあった

 ゲーミングPCといえば、画面別体の「デスクトップタイプ」か、画面一体の「ノートタイプ」のどちらかと思われがちだが、レノボはかつてAIOタイプのゲーミングデスクトップPCを2017年2月にリリースしていた。「IdeaCentre AIO Y910」がそれだ。

 このモデルは背面にPCI Expressスロットを備える「ライザーカード」と、HDMIケーブルが“内蔵”されており、そこに“デスクトップ向け”の「GeForce GTX 1080」を搭載するグラフィックスカードを搭載していた。やろうと思えば、カードの換装も不可能ではない。

 いろいろな意味で“クレイジー”なAIO PCだったが、本機の後継モデルは登場しなかった。

ゲーミング ゲーミングモデルの系譜。当初はIdeaブランドの「Yシリーズ」として展開されたゲーミングモデルだが、現在はエントリー向けの「LOQ」とミドルレンジ〜ハイエンド向けの「Legion」の2ブランド展開となっている。余談だが、LOQとLegionのロゴの「O」に「Y」のデザインが入っているのは、Yシリーズがルーツであることを示すためである
IdeaCentre AIO Y910 ゲーミングAIO PC「IdeaCentre AIO Y910」は、一見すると「ゲーミングっぽいデザインのAIO」としか思えないのだが……
背面 背面のカバーを開けるとグラフィックスカード、3.5インチHDDやM.2 SSDの着脱が可能な設計となっている。ここまで拡張性の高いAIOは、今でもお目に掛かれない

面白いタブレットも

 レノボでは、IdeaPad/Yogaブランドでタブレット端末も展開してきた(現在では「Lenvo Tab」ブランドとなっている)。

 注目すべきモデルは幾つかあるが、発売時の想定販売価格が2万円を切っていたAndroidタブレット「IdeaPad Tablet A1」(2011年11月発売)や、「艦これ」を楽しめるとして注目されていたWindowsタブレット「Miix 8」は、特に売れ行きという面ではインパクトがあったようだ。

タブレットの系譜 コンシューマー向けタブレット端末の系譜(現在は「Lenovo Tab」ブランドとしてリリースされている)
伝説的マシン 「IdeaPad Tablet A1」(左)と、「Miix 8」(右)は、コンシューマー向けタブレットの中でもクリーンヒットだったようだ

 こうして見ると、レノボのコンシューマー向けPC/タブレットはかなり個性豊かだったのだなと改めて思った。今後も、良い意味で“刺激”を与えてくれる製品が出てくることを期待したい。

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