ルネサス、フルHD動画の撮影と再生に対応した携帯電話用LSIを開発

» 2009年04月24日 20時16分 公開
[平賀洋一,ITmedia]
photo 「SH-Mobile HD1」(SH7370)

 ルネサス テクノロジは4月23日、1チップでフルHD動画の録画や再生に対応する業界初の携帯電話向けアプリケーションプロセッサー「SH-Mobile HD1」(製品名:SH7370)を発表し、サンプル出荷を開始した。

 SH-Mobile HD1は、H.264/MPEG-4 AVC形式のフルHD動画を秒間30コマで録画再生できるアプリケーションプロセッサーと、512MビットのSDRAMを10×11ミリの小型パッケージに収めたLSI。最大動作周波数を500MHzと従来から約2倍に高速化したほか、従来比約6倍に及ぶ動画像処理部(VPU:Video Processing Unit)の高性能化と内部バス構造の見直しなどで集積度を向上させ、フルHD動画の処理を実現させた。

 カメラモジュールからの動画像入力は標準インタフェースのMIPI(Mobile Industry Processor Interface)-CSI2を採用。電源管理の強化で消費電流を低減しており、携帯電話でもデジタル家電と同等の動画アプリケーションを搭載できるという。

 また、音声処理専用の24ビット音声専用のDSPを2個搭載。AACやAC-3形式の処理を1つのDSPで行い、一方のDSPでイコライザなどの高音質処理やSRC(Sampling Rate Converter)処理を同時に行えるほか、2個のDSPを同時に使って5.1chなど高負荷な音声再生の処理も可能だ。

 そのほか、HDMI用LSIとの接続インタフェースを内蔵したことで、薄型テレビやHDDレコーダーなどへのフルHD出力にも対応。SDカードや無線LANモジュールとの接続機能もあり、MPEG2-TS形式やMP4形式の映像コンテンツをデジタルホームネットワークと共有することができるという。

SH-Mobile HD1の主な仕様
製品名 SH-MobileHD1(SH7370)
パッケージ・サイズ 407ピンBGA(10×11ミリ、0.4ミリピンピッチ、厚さ1.4ミリ)
CPUコア SH4AL-DSP
動作周波数 500MHz
電源電圧 内部:1.15〜1.3V、外部:2.5〜3.6Vまたは1.65〜1.95V
内蔵RAM ILRAM:4Kバイト、RSRAM:2Kバイト
キャッシュメモリ 32Kバイト命令/32Kバイトデータ分離(4ウェイセットアソシアティブ方式)
X/Yメモリ(DSP用) 16Kバイト
搭載SDRAM 512MビットSDRAM
1万個ロット時の価格 4000円

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