「後追いauから、先行くauへ」――高橋誠氏に聞く、KDDIの“次の一手”(後編)神尾寿のMobile+Views(2/4 ページ)

» 2009年06月01日 17時27分 公開
[神尾寿,ITmedia]

 あと、もう1つ、営業施策の部分でも手を打ちます。

 ドコモは全国の地域会社を統合し、中央集権的な形で「全国1社化」を行いました。これに対して我々(KDDI)は、以前から全国1社体制であったわけですけれども、地域支社の権限を強化して“地域最適化”での営業施策を展開しやすい環境を整えます。

ITmedia なるほど。ドコモが地方で強い最大の要因は、旧ドコモ地域会社が“地域特性にあわせたきめ細かなマーケティングや営業ができる”点にありました。例えば、九州や四国などは、それで強固な“ドコモの基盤”を築いていた。しかし、ドコモは全国一社化で(地域会社時代に比べて)コスト削減や業務効率の向上が進む一方で、新たな中央(本社)と地域支社との連携体制が未だ完全ではない。そこに付け入る、というわけですね。

高橋氏 ええ、地方での営業力強化、競争力向上がとても重要だと考えています。その体制作りとして、今年度から各地域の支社長はすべて本社の本部長経験者にしました。個性が強く、戦略立案に長けた人材を手厚く地方に配置しています。彼らが権限をしっかり持ち、地域別や契約種別(個人・法人など)に的確かつきめ細かな営業施策を打っていく。そのような体制を作りました。

ITmedia ドコモの強さは、まさに「地方での粘り強さ」です。地方ではドコモのシェアが全国平均より高いですし、ここが切り崩せるかは、KDDIにとって重要なミッションになります。

高橋氏 そう、地域によっては(ドコモを)切り崩しやすい場所がある。また、対ソフトバンクモバイルで見れば、地方で負けているところなんかほとんどないんですよ(笑)。だから、そういった地方の市場特性にあった戦略を個別最適で打ち出していく。auやiidaのブランディングなど全国区でやるべきこととは別に、地方独自の営業施策を強化していきます。

コンテンツは「クラウド」と「個別最適」の時代へ

ITmedia 今年から来年にかけて重要なテーマの1つとして、国内のキャリアが持つ「コンテンツ・プラットフォーム」をどのように進化させるか、というものがあります。グローバルで見れば、AppleのApp Storeの成功後、GoogleMicrosoftNokiaが、アプリケーションプラットフォームの構築と、その上でのエコシステム育成に注力している。一方、ドコモでも、次世代に向けてiモードやiコンシェルの進化を推進しています。

 auの「EZweb」というプラットフォームは、今後どのように進化していくのでしょうか。

高橋氏 なかなか難しい問題ですね。じつはそのあたり(コンテンツプラットフォームの今後)は我々も、LTEに向けたロードマップの中で議論しているところです。KCP+をどうするか、と合わせてね。

 既存のコンテンツプラットフォームは我々の重要な資産ですし、認証・課金のスキームはキャリアビジネスの礎になっている。それをどうやって(LTE時代に)持っていくのかは社内的に議論していますけれど、まだ公式にお話しできる段階ではありません。

ITmedia 具体的には言えない、と。

高橋氏 そう、言いたくないですね(笑)。ただ、1つ言えることは、我々には貴重な成功例があることです。例えば、EZナビウォークやEZ GREE、モバオクなどでは、もともとはPC向けネットサービスだったものが、“auの中で成長する”形でケータイ向けサービスとして成功していきました。今では我々(au)の下で育ったサービスが、ドコモやソフトバンクモバイル向けとしても成功している。これこそが僕はクラウドネットワークだと思うのです。

 ここまで話せば、我々の描いているイメージがつかめるのではないでしょうか。

ITmedia キャリア別のコンテンツプラットフォームの上で、“クラウド型サービス”のマルチプラットフォーム展開をする。一方で、認証・課金の部分は、これまでどおりゲートウェイ型のスキームを使うというわけですか。しかし、それだとキャリアやメーカーごとのブラウザやアプリ環境の違いや、パケット料金の課金体系が課題になりそうです。

高橋氏 そこは確かに課題です。auの環境で見ても、EZwebとPCサイトビューアー(フルブラウザ)でブラウザエンジンと料金体系が違うし、EメールとCメールといった形で、これまで積み重ねてきたさまざまなサービスが混在している。こうした部分をどのように整理するかは、今まさに考えているところです。

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