国内6キャリアのトップが語る、ケータイ戦略の今とこれからワイヤレスジャパン2009(1/6 ページ)

» 2009年07月24日 19時17分 公開
[日高彰,ITmedia]

 ワイヤレスジャパン2009の基調講演に、NTTドコモ 代表取締役社長の山田隆持氏、KDDI 代表取締役社長兼会長の小野寺正氏、ソフトバンクモバイル 取締役副社長の松本徹三氏、ウィルコム 代表取締役社長 喜久川政樹氏、イー・モバイル 代表取締役社長兼COOのエリック・ガン氏、UQコミュニケーションズ 代表取締役社長の田中孝司氏が登場。構造が変わりつつある携帯市場への取り組みについて説明した。

ドコモの山田社長、フェムトセルや独自アプリ配信サイトに言及

Photo NTTドコモ代表取締役社長の山田隆持氏

 NTTドコモ 代表取締役社長の山田隆持氏は、顧客満足度向上のために今後取り組んでいく課題を「ドコモの10のチャレンジ」として紹介した。

  1. パーソナル化の推進とさらなる進化
  2. ソーシャルサポートサービスの展開
  3. 融合サービスの導入
  4. 動画サービスの発展と推進
  5. LTEの導入とネットワークの進化
  6. 端末のさらなる進化 〜オープンOS端末の推進〜
  7. 端末とネットワークのコラボレーションへの取り組み
  8. ペタマイニング技術を活用した新たな価値創造 <基盤研究>
  9. グローバル展開の推進
  10. 国内出資・提携の推進

 以上のうち、いくつかについては具体的な投入時期を示した上で、サービス内容が紹介された。

 まず、チャレンジ1のパーソナル化については、2008年秋冬の新機種から対応した「iコンシェル」を発展させる形でサービスを拡充する計画で、今冬の新製品では位置情報に連動した情報を提供する機能を搭載する予定だという。スーパーマーケットの横を通ったときにタイムセール実施中であることを伝えたり、普段とは違う場所にいても最寄り駅の終電時刻が迫っていることを知らせたりと、位置情報を組み合わせることでよりパーソナルな情報をより適切なタイミングで配信することが可能になるという。

Photo iコンシェルを進化させ、今冬には位置情報との連携機能を実装するとともに、地域密着型コンテンツを拡充する

 チャレンジ3の融合サービスでは、この秋からユーザー宅のブロードバンド回線を利用するフェムトセルの運用を開始することに言及。単に宅内の通信環境を安定させるという目的にとどまらず、ユーザーの生活を支援する付加価値サービスを提供する予定だ。例として、フェムトセル圏内にユーザーの携帯電話が入ったことを検知すれば、そのユーザーが自宅に帰ってきたことが分かるので、“外出中の親が子供の帰宅を知る”といったサービスが可能になるとしている。

Photo 今秋からフェムトセルの運用を開始。通信環境を安定させるほかにも行動支援サービスに活用する

 チャレンジ5のLTE導入については、2010年12月にデータ通信端末からスタートし、2011年に電話機型の端末を提供するとのロードマップが示された。いずれも現行の3GとLTEの両方に対応したデュアル端末とする。当初は2GHz帯の現行FOMAエリア内に重ねる形でLTEエリアを構築し、その後1.5GHz帯へもLTEを拡大する。LTEへ移行する前にHSPA+を導入する事業者も国内外に存在するが、山田氏は「新しいネットワークのほうが1bitあたりのコストは絶対に安い。トラフィック増に追いつくには必須の技術だと考えている」と述べ、高品質動画コンテンツをはじめとする先進的なサービスを提供しようとするとHSPA+ではトラフィックを収容しきれないと強調した。

Photo LTEの導入ロードマップ。2010年12月にデータ通信サービスを提供し、2011年には音声端末によるサービスを開始する予定

 チャレンジ6のオープンOS端末に関しては、Androidには「Android Market」、Windows Mobileには「Windows Marketplace」といったアプリ配信サービスがそれぞれ存在するが、これらと並行して、ドコモ独自の配信サイトを準備していることを正式に表明した。現在は「オープンOS端末向け総合サービス・モール」と呼んでおり、今年度中にプロトタイプを構築する。

 各OSベンダーが用意する配信サービスは全世界向けに提供されているため、膨大な量のアプリが表示され、日本のユーザーが国内の端末上で利用するのに便利なアプリがどれであるかを知るのが難しい。ドコモが独自の配信サイトを用意すれば、ドコモの端末に適したアプリであることがわかるので、ユーザーの利便性が高まるとしている。

 ドコモによるアプリ配信サイトは、すでに存在するグローバル向けのサービスを阻害するものではなく、「補完的な関係だと思っている。あくまでも全体の思想はオープンであり、オープンなサービスの市場拡大を目指して作っていきたい」(山田氏)という。また「他社の端末でもインターネットから入ってきて、ここから(アプリやサービスを)買っていただいて結構と思っている」(同)ともしており、他社オープンOS端末からの接続も可能にする予定だという。

Photo AndroidなどのオープンOS向けコンテンツ配信サイトを展開する計画。今年度中にプロトタイプを構築する予定だ
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