国内6キャリアのトップが語る、ケータイ戦略の今とこれから:ワイヤレスジャパン2009(2/6 ページ)

» 2009年07月24日 19時17分 公開
[日高彰,ITmedia]

携帯とデータ通信はすみ分けが進む――KDDIの小野寺社長

Photo KDDI代表取締役社長兼会長の小野寺正氏

 KDDI代表取締役社長兼会長の小野寺正氏は冒頭、「移動通信事業者の売り上げが落ちているのは、端末の売上減だとみなさんは感じているかもしれない。しかし、販売台数が減っているのは事実だが、端末売上の部分よりも、むしろ通信トラフィックそのものの売上が落ちてきている。今までと大きく状況が変わってきている」と述べ、通信業界が直面している構造的な変化に対する危機感をあらわにした。

 2012年7月の周波数再編期限まで残り3年となり、KDDIの端末も2008年発売のWIN端末からは、新800MHz帯に対応している。インフラ側での設備投資額は2007年度から2011年度の5年間で累計5000億円程度を見込んでいるが、これは新800MHz対応費用だけの額で、実際には2GHz帯でのエリア構築なども行っているので、全体の設備投資はこれ以上に上っているという。

 同社では2012年12月からLTEサービスを開始する予定。小野寺氏は「LTEに最も期待しているのはビット当たりの単価が低減すること。単純に考えて5分の1になるだろうと見ている」と話し、高速化よりも容量の拡大に意味があると指摘。「定額制料金のためトラフィック量がどんどん増えている。正直なところ、(現行方式のままでは)設備を増やしても我々の収入がダイレクトに増えるという状況ではなくなってきている。ビットあたりの単価を落とし、コストを下げてサービスを提供していかないと定額制の世界では生き残れない」と、潤沢な容量を使える環境になるのがLTEのメリットだと説明した。

 また、同社が出資するUQコミュニケーションズがモバイルWiMAXのサービスを開始しているが、2.5GHz帯の免許方針が示されるまでは、KDDIがこれを自社で提供しようと計画していた。小野寺氏はUQとauのそれぞれのサービスについて「データ通信市場と携帯電話市場は、ある程度すみ分けが進むだろうと思っている」とコメントし、MACアドレスをベースにした無線アクセス技術と、電話番号をベースとした携帯電話には歴然とした違いがあり、その差は今後、サービスの使い勝手などいろいろな面に表れてくるとの見方を示した。

Photo 2008年発売のWIN端末からは、新800MHz帯に対応(左)。LTEは2012年12月にサービスを開始する予定だ

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