有機ELやブランドケータイが流行──韓国携帯2009年後半のトレンド韓国携帯事情(1/2 ページ)

» 2009年10月05日 15時08分 公開
[佐々木朋美,ITmedia]

 不況のあおりを受けて消費が落ち込む韓国でも、携帯電話市場の競争は加熱している。メーカーは次々と新端末を発表しているが、タッチパネルを搭載することで話題になる時代はすでに過去のものとなり、個性的で高機能な端末が勢ぞろいしている。今回は、韓国国内で2009年後半に発表された主要各社の端末を見てみよう。

Hapticが好調、次はAMOLED──Samsung電子

 韓国の2009年5月時点における携帯電話端末の総販売台数は2580万台。そんな中、5月だけで130万台を販売し、市場シェア50.4%と1位を独走しているのがSamsung電子だ。

 同社の好調を牽引したのが、「Haptic(ハプティック)」シリーズや、「T*OMNIA(ティーオムニア)」「ウルトラhaptic」などのフルタッチパネル携帯だ。フルタッチパネル携帯のみで韓国市場を見た場合、Samsung電子のシェアは約63%にも達するという。

 上半期(韓国では1〜6月)、とりわけ人気を集めていたのは、1日1万5000台販売という、韓国市場の過去最高記録も樹立した「Haptic POP(ハプティックポップ)」(SCH-W750・SK Telecom用)や、フィギュアスケートのキム・ヨナ選手をモデルに迎えた「ヨナのHaptic」(SCH-W770・SK Telecom/SPH-W7700・KT/W7750・LG Telecom)などだ。

 Haptic POPは着せ替えできるポップなデザインのバッテリーカバーや、有名アーティストがデザインした10種もの待受画面など、おしゃれさと楽しさが共存した点が若者から支持された。一方、ヨナのHapticは、いまやアイドル並みの人気となっているキム・ヨナ選手を巧みに起用したマーケティングが話題をさらった。Hapticシリーズは、同社がいち早く韓国市場で発表したフルタッチパネル携帯として有名で、その後さまざまなモデルが投入された効果で、同シリーズの根強い人気は続いている。

PhotoPhotoPhoto 「ヨナのHaptic」(写真=左、中央)は、スケジュール管理やダイアリー、メモ帳機能など、記録機能が充実しているのが特徴。おいしいお店を見つけた時、良い出来事があった時など、日常をブログのように記録できる若者向け携帯。「Haptic POP」(写真=右)は、10種以上のバッテリカバーを、好みに合わせて交換できるモデル。画面は3.2インチで、地上波DMB(日本でいうワンセグ)に対応。ホールド状態になった際の画面を設定できるなど、細かな部分でアップグレードされている

 そんな同社が下半期(韓国では7〜12月)、とくに力を入れているのが、AMOLED(アクティブマトリックス式有機EL)携帯だ。

 人気シリーズのHapticにも「Haptic AMOLED」(SCH-W850・SK Telecom/SPH-W8500・KT/W8550・LG Telecom)を追加している。3.5インチのAMOLED WVGAディスプレイを搭載するほか、韓国で初めてDivXに対応し、MPEG4/H.264/AC3などの映像も再生可能とした。またUIも、タッチ1つで画面の拡大・縮小ができる「ワンフィンガー・ズーム」などの機能充実が図られた。Haptic AMOLEDは2カ月で30万台を販売するヒット作となっている。

 これに続くAMOLED携帯は続々登場している。「赤外線映像フォン」(SCH-W760・SK Telecom)もAMOLED対応。赤外線カメラを搭載しており、夜や暗い場所での写真撮影ができる。また「SCH-B890(SK Telecom)」は、CDMA対応の携帯電話にAMOLEDを搭載した普及型モデル。「VVIP(SCH-W910・SK Telecom)」は、流行に敏感な40〜50代をターゲットとした高級感ある携帯電話だ。

 AMOLED携帯をリリースしたことで、AMOLEDの月生産量が200万台を超え、SamsungグループのSamsung SDIなどのメーカーが大きく恩恵を受けているという。Samsung電子はこれまで、1000万画素の高画素カメラ、数ミリ単位で薄さを競うスリム携帯、フルタッチパネル携帯など、これといった機能があれば、それに対応した機種を集中的に出してきた。AMOLEDで市場の更なる拡大に成功した今、同様の製品は今後も次々と出されそうだ。

PhotoPhoto 有機ELを採用したHaptic AMOLED(写真=左)。AMOLEDを主軸製品に据えているSamsung電子は、「AMOLEDソング」というCMソングまで作り、認知度の向上に努めている。「VVIP」(写真=右)は、2.6インチのAMOLED WQVGAディスプレイを採用したモデル。黒とゴールドで高級感を演出している。ただしターゲットの年齢層が高めであることから、メニュー構造などはシンプルに作られている

インパクトある高級携帯が勢ぞろい──LG Electronics

 LG Electronicsは今年5月に79万台を販売してシェアを30.3%とし、Samsung電子の後を追っている。月間販売台数79万台は、同社にとっては過去最高の販売台数となる。好調を支えたのが、10〜20代の若者に向けた「Lolipop」(LG-SV800・SK Telecom/KH8000・KT/LH8000・LG Telecom)や「Cooky」(LG-SU910・SK Telecom/KU9100・KT/LU9100・LG Telecom)と、中高年向けの「ワインフォン」(LG-SV390・SK Telecom/KV3900・KT/LV3900・LG Telecom)など。機能はいずれもシンプルだが、特定の年齢層をターゲットとした端末とマーケティングで市場を開拓した。

 こうしたシンプル携帯に対し、高価格帯の端末はインパクトの強い重厚なラインアップを用意している。

 2009年6月からこれまでに、「PRADA Phone II」(LG-SU130・SK Telecom)、「ARENA」(LG-SU900・SK Telecom/KU9000・KT/LU9000・LG Telecom)、「ニューチョコレートフォン」(LG-SU630・SK Telecom/KU6300・KT/LU6300)と、海外でも話題の期待作を次々投入している。

 とくに9月に発売されたばかりのニューチョコレートフォンは、デザイン性に優れた高級携帯シリーズ「Black Label」の第4弾。Black Labelは、これまで計3600万台以上を販売している人気シリーズで、今回は第1弾の「チョコレートフォン」の後継作ともいえる端末であることから注目度が高い。

 ニューチョコレートフォンの画面は4インチ。21:9での表示に対応するほか、画面を半分に分けて使えるデュアルスクリーン機能など、徹底して画面の見やすさにこだわっているのが特徴だ。同社は9月23日にインターネットで100台を予約販売したが、前評判が高く、7分で売り切れたという。そんな中、Black Labelシリーズの1つ「Shine」は世界で1300万台を販売し、同社初の1モデル1000万台超えを達成した。ニューチョコレートフォンがこの記録を破れるのか、注目が集まっている。

PhotoPhoto 限定販売された「ニューチョコレートフォン」(左)には、ハリウッド女優のシエナ・ミラーと、彼女の姉でデザイナーのサバンナ・ミラーが共にデザインした皮ケースが付けられた。「Cooky」(右上)は、高価格傾向のフルタッチパネルケータイを安価に提供したことで大ヒットしたモデル。「Lolipop」(右下)は、ポップなカラーとLEDディスプレイが若者に受け入れられることで人気を得た
Photo ワインフォン人気に応えるように、9月下旬には「ワインフォン3」が発売された。外部ディスプレイは1.77インチでアナログ時計などが表示可能。また本体上部にはSOSキーがあり、長押しすると指定した人にGPSの位置情報などが送信される
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