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» 2011年09月27日 11時00分 UPDATE

プレゼンがうまい人の「図解思考」の技術:図解思考を使った誰でも分かるレゴブロック的会計

会計の勉強って退屈。でも、図解思考を使うとものすごくシンプルで面白い分野であることが分かります。今回は引き続きBS(貸借対照表)とPL(損益計算書)の関係をおさらいします。

[永田豊志,Business Media 誠]

会社の経営は「資産増やしゲーム」である

 以前公開した記事「時間がないならコレだけでも! 会計の勉強に図解思考」で、会社の経営は基本的に資産をどんどん増やしていくゲームであると紹介しました。資産を使って、売り上げを作り、利益が出たら、それが利益剰余金として純資産に追加されます。図で示すと以下のような感じです。

sk_lego01.jpg 会計の仕組みをレゴブロック感覚で見てみよう

「現金の出し入れ」が加わり、財務3兄弟

 上の図にも出てくるBS(貸借対照表)とPL(損益計算書)と並んで、会社の成績を示す大事な財務諸表がCF(現金の収支内訳)です。いわゆるキャッシュフローというやつです。会計の世界ではこれら3つを総称して「財務三表」と言うのですが、まったく面白くないので、私はあえて「財務3兄弟♪」と呼びたいと思います。

 CFは私たちのお財布を考えればいいので、シンプルです。つまり、現金がいくら入ってきていくら出ていったか。残った現金はいくらなのか? ということです。

 図にすると、次のようになります。

sk_lego02.jpg

あなたが自分で会社を作ったら?

 さて、あなたが会社を作るとしましょう。試算すると、スタートするためにどうしても1000万円は必要です。あなたの手元には、退職金の500万円(嫁に怒られそうですが……)。足りない分は銀行から借りてくるとします。すると、手元に合計1000万円そろいます。まだ売り上げ、費用ともに0の状態です。このとき、財務3兄弟は以下のような関係で示せます。

sk_lego03.jpg

 資産1000万円は半分が負債、半分が自己資金です。またこの時点では売り上げも利益もともに0なので、利益剰余金はなく、あるのは自己資本の500万円だけです。手元の現金は1000万円で、それがそのまま資産に計上されます。この時は100%現金なので、流動資産が1000万円ということになります。

はじめて利益が出た!

 あなたはがんばって仕事を取ってきました。そして、売り上げが1000万円になりました。自分の給与を500万円としましたので、人件費が500万円。他にコストがないと仮定すれば、利益は1000万円−500万円=500万円です! この時、「財務3兄弟」は次のような関係になります。

sk_lego04.jpg

 PLの利益は利益剰余金として、BSの純資産に追加されます。またCFでは、売り上げも費用も全て現金の出入りだったとすれば、残った現金は500万円です。これは流動資産に加わります。結果として、以前のBSに比べて資産全体が1000万円から1500万円に増えていることになります。

資産を買ってみる!

 さて翌年、さらにもうけられると思ったあなたは自分でチマチマやるのではなく、機械に任せて自動化しようと思いました。機械の値段は500万円です!(おおっ、太っ腹!)

 ただしこの機械、5年は使えるようなので、500万円を5年で割って今年は100万円だけを経費として処理しました(いわゆる減価償却というやつです)。しかし不幸なことに景気が悪くなり、売り上げはまったく増えませんでした。流動資産は前年と同じ1000万円になりました。これを図にすると以下のようになります。

sk_lego05.jpg

 上の図を見て分かる通り、500万円の機械を現金で購入したので、人件費と合わせて1000万円が手元から出たことになります。つまり手元に現金は残ってないので、現金の出入りは±0です。流動資産への増減はありません。

 一方PLでは、機械の購入代金の100万円だけを費用として計上しました。よって現金の出入りは±0なのですが、利益は400万円出ました。当然、この利益は剰余金として、BSの純資産に加わります。

 BSは流動資産の増減がなかったものの、機械を買った代金のうち費用に計上しなかった4年分に関してはこれからも使える固定資産としてBSの左に追加されました。資産、負債と純資産の合計はともに1900万円になり、前年度より400万円増加しました。

いかがですか?

 このようにレゴブロック的に財務3兄弟の関係を見渡すと、とってもシンプルじゃありませんか? 資産は売り上げを増やすためにあり、売り上げで利益が出ればさらに資産は増える。企業の拡大再生産の姿が、しっかり目に焼きついたでしょうか?

集中連載『プレゼンがうまい人の「図解思考」の技術』について

『プレゼンがうまい人の「図解思考」の技術』 『プレゼンがうまい人の「図解思考」の技術』(永田豊志・著、中経出版・刊、A5判/208頁、本体1500円)

 パワポの前に「図」で考える――。ベストセラー『頭がよくなる「図解思考」の技術』の第2弾となる本書は、プレゼンテーションの根幹とも言える「メッセージをどう作り、どのように伝えるのか」を図で整理する方法を解説しています。

 「見栄えのいいスライドを作ること」や「説得力のある話し方をすること」も当然大事ですが、プレゼンの目的(メッセージ)そのものが洗練されていなくては、聞き手の心には届かないからです。営業プレゼンテーションや講演に限らず、ちょっとした説明や商談、または報告などにも応用可能で、あらゆるビジネスシーンで活躍するはずです。


目次

  • 第1章:残念なプレゼンは、なぜ眠たくなるのか?…面白いプレゼンの秘密とは?
  • 第2章:考えがスッキリまとまる図解プロットの技術…自分の考えを整理する方法
  • 第3章:「合体ロボ作戦」でシナリオに磨きをかける…プレゼンの流れを作り出す
  • 第4章:魅力的なスライドラフを描いてみる…ハイクオリティなラフ描きの技術を公開
  • 第5章:図解プロットに挑戦!…実際に、考えをまとめ、シナリオを作り、ラフを描く
  • 第6章:魅力的なアイデアを作り出す10のテクニック…使えるアイデア発想法

著者紹介 永田豊志(ながた・とよし)

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 知的生産研究家、新規事業プロデューサー。ショーケース・ティービー取締役COO。

 リクルートで新規事業開発を担当し、グループ会社のメディアファクトリーでは漫画やアニメ関連のコンテンツビジネスを立ち上げる。その後、デジタル業界に興味を持ち、デスクトップパブリッシングやコンピュータグラフィックスの専門誌創刊や、CGキャラクターの版権管理ビジネスなどを構築。2005年より企業のeマーケティング改善事業に特化した新会社、ショーケース・ティービーを共同設立。現在は、取締役最高執行責任者として新しいWebサービスの開発や経営に携わっている。

 近著に『知的生産力が劇的に高まる最強フレームワーク100』『革新的なアイデアがザクザク生まれる発想フレームワーク55』(いずれもソフトバンククリエイティブ刊)、『頭がよくなる「図解思考」の技術』(中経出版刊)がある。

連絡先: nagata@showcase-tv.com

Webサイト: www.showcase-tv.com

Twitterアカウント:@nagatameister


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