Skyworthの隣に位置していたHisenseも、こうした現地ブランドを活用する戦略こそないものの、以前に比べると展示の中国色が薄くなり、内容的には技術展示を中心とした日本や韓国メーカーのそれに近くなっている。またHisenseブースの隣には「Sharp」ブースが位置していたのも気になる点だ。シャープはすでに欧州市場から撤退して、ポーランドにあった組み立て工場と同地域での「Sharp」ブランド使用権をスロバキアのUniversal Media Corporation(UMC)に譲渡している。現在も製品開発での技術協力は行っているとのことで、展示製品にも「AQUOS」のロゴが見られる。このほか、シャープは南北アメリカからの事業撤退にあたって同地域でのブランド使用権やメキシコでの組み立て工場をHisenseに譲渡することを今年7月に発表している。欧州事業ということでHisenseとシャープが直接リンクしていることはないとみられるが、両社が隣り合ったブースで展示を行っているというのも興味深い。
中国の家電メーカー大手ではこのほかHaierがIFAに出展していたが、場所も白物家電のコーナーの一角に位置しており、展示内容も実際に白物家電が中心でテレビの扱いは少なめだった。だが4KのOLED TVや98型8Kテレビ、狭額デザインの薄型テレビなど、他のブースでも見られた製品や技術展示は一通り行われていた。
このほか、トルコの家電メーカーで欧州やアジア市場では比較的シェアの大きいVestelもOLEDをはじめとする関連製品や技術展示を行っていた。VestelはTVから白物家電まで一通り扱っているメーカーだが、今回は特にBtoB関連の技術展示スペースが増えており、サイネージ向けパネルの紹介が行われていた。このあたりはSamsungと同様の傾向で、家電の次はBtoB事業を本格強化していこうという現れなのかもしれない。中国メーカーが欧州で現地ブランドを活用して家電市場でのシェアを売上を伸ばしていこうとしているなか、欧州ですでに一定のシェアを持つ既存メーカーらはBtoBなどの新規事業開拓に力を入れているなど、非常に対照的な動きといえるかもしれない。
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