コラム
» 2010年01月15日 22時30分 UPDATE

購入リポート:高度3000メートルで「Nexus One」を買ってきました (1/2)

Googleが自社ブランドで自らAndroidケータイを発売する――。2009年末から、IT業界は話題騒然となっていた。この“Googleフォン”をぜひとも入手したいと思い、年明け早々からドタバタ劇を繰り広げたあるライターの物語。

[鈴木淳也(Junya Suzuki),ITmedia]
Photo 2010 International CESに併設のDigital Experienceで展示されていた「Nexus One」。展示時間中はつねに人が絶えないほどの人気ぶりだった

 Google謹製のAndroid端末「Nexus One」が1月5日に発売されたのは既報のとおり。初のAndroid搭載端末「T-Mobile G1」に始まり、HTCの「HTC Magic」(日本では「HT-03A」)、最近ではSony Ericssonの「XPERIA X10」やMotorolaの「DROID」など、数々の端末がすでに発売・発表されており、Nexus Oneは数あるAndroid端末の1モデルという位置付けだが、Nexus Oneは次の3つの点でユニークだ。

  1. 最新のOS Android 2.1を搭載している
  2. 基本的に販売経路はGoogleのオンライン直販のみ
  3. 携帯キャリアとの契約が必要ないSIMフリー端末が用意される

 OSにAndroid 2.1を搭載するのはNexus Oneが初めてだ。まだAndroid 2.0以降に対応した端末が少ない中では、最新プラットフォームをテストする絶好のモデルとなっている。また販売形態は、現時点でGoogleのオンラインサイトでの直販のみとなる。

 しかも今回発売されたNexus Oneは、携帯キャリアとの2年契約が必須のモデルだけでなく、完全にSIMフリーの端末も用意される。ネットワークさえ対応していればどのキャリアでも利用できるわけで、米国外での利用も容易だ。SIMフリーの形態で販売されるAndroid端末は米国ではNexus Oneが初で、その意味でも面白い。

 端末の開発と製造は台湾のHTCが担当する。HTCは初のAndroid端末となるT-Mobile G1を開発したメーカーだ。その後、HTC Magicや「HTC Hero」など、1年ほどの間に3つの端末を次々とリリースした。正直なところ、2008年9月にニューヨークで開催された発表会でT-Mobile G1を初めて見たときは、お世辞にも端末の作りや操作性がいいとは思えなかったが、HTCの端末は世代を経るごとにだんだんこなれてきている。

 ちょうど手持ちのMotorola RAZRが壊れてしまい、新しい端末が欲しかったところなので、SIMフリーの端末を入手して、AT&TのSIMを入れて利用しようと考え、Nexus Oneを購入することにした。まずはその顛末を紹介しよう。実機のレビューは、じっくり触った後に改めてお届けしたい。

Nexus Oneを確実に手に入れるためにしたこと

 さて、Nexus Oneは本当に発表されるのか、どうやったら購入できるのか――。そんなことを考えていた12月末のある日、サンフランシスコからCaltrainという通勤電車に乗って、シリコンバレーの中心部、パロアルトの街のとある新聞社の支局まで遊びに行った。支局で出迎えてくれたTさんは開口一番、「Googleがやってくれましたね」と言ってきた。聞けば、米Googleから連絡があって、5日に発表会を行うから集まれという話だ。

 5日はCES開催前の技術お披露目会である「CES Unveiled」が開催される日。これに間に合うためには、少なくとも昼過ぎの時点でサンフランシスコからラスベガスまで移動していないといけない。Googleの発表会に出るということは、CES Unveiledの参加を諦めなければならないことを意味する。Tさんはすでに飛行機の出発時間をずらしてGoogleの発表会に参加するつもりだという。自分は昼前後に移動する便をとっていたが、すでに日程を動かせないほど航空便に空席がない状況なので、Google発表会参加は諦めた。

 この発表会の案内は各メディアに通知されており、開催時間が5日の10時〜正午であることが判明した。フライング的にNexus Oneが販売されることになる専用サイトのURL「http://www.google.com/phone/」を報じているメディアもあり、ほぼ間違いなく発表会の最中にサイトがオープンし、オンライン購入が可能になることが確信できた。これは是が非でもNexus Oneを入手したい――。

 ただ問題があった。筆者がサンフランシスコからラスベガスへと移動を開始するのは5日午前10時のフライトで、途中ソルトレイクシティを経由してラスベガスに午後2時過ぎに到着するというスケジュールだ。直行便のチケットがなく、やたら遠回りをする。オンライン販売されるNexus Oneの数量が、当初それほどないという報道もあったため、あまり遅い時間に申し込むとすぐに入手できない可能性があった。専用サイトがオープンするのは恐らく発表会の終盤、午前11時半〜12時ごろだと予想されたため、確実に入手したいのであれば少なくとも12時前後にサイトへと接続する必要がある。運良く、スケジュール的にはその時間に30分だけ乗り換えのためソルトレイクシティ空港にいるので、この30分に賭けてみることにした。

 ソルトレイクシティ空港に無料の公衆無線LANがあることは知っていたので、あとは30分間でどこまで効率よく注文を完了させられるかを考えた。乗り換えの時間は30分あるとはいえ、実際にはゲート間の移動や搭乗開始時刻の関係もあるため、10分も余裕はない。Nexus Oneの注文ページを開いて、一瞬で注文を完了させるだけの手際のよさが必要になる。そこで、送付先の設定やGoogle Checkoutの細かな作業、銀行残高のチェックなど、当日までに必要な作業はすべて済ませておいた。

 あとは5日の販売日を待つだけとなったわけだが……。

フライト遅延で計画は早くも頓挫

 1月5日の発表会当日、少し早めにサンフランシスコ空港へと到着してフライトを待つ間に、発表会の生中継をやっているサイトを探しつつ、WebブラウザでNexus One公式ページになるとみられるサイトのURLを入力した状態にセット。ところがここでトラブルが発生し、10時出発予定のフライトが30分以上遅延することが判明した。中継サイトではすでに発表会が始まっている。到着時間が遅れると、ソルトレイクシティでサイトに接続する時間が遅くなるだけでなく、乗り継ぎのためにサイトに接続する時間がなくなってしまう。最悪、遅延で次のフライトを逃してしまう可能性さえある。ハラハラしながら待ち、ようやく飛行機が到着して出発したのは10時45分ごろ、40分以上の遅延となった。

 案の定、ソルトレイクシティに到着したのは現地時間で午後1時半過ぎだった(サンフランシスコ時間では午後12時半)。なんと乗り継ぎ便の出発時刻まで5分もない。ゲートの場所も別のターミナルのため、降りてからすぐにダッシュで移動しなければならなかった。

PhotoPhoto いよいよお待ちかねのソルトレイクシティ空港に到着。この空港には無料Wi-Fiが設置されており、これを使ってオンラインでNexus Oneを申し込もうとしていたのだが、なんとフライト遅延で到着時刻は次のフライトの出発時間とほぼ同じ。当然インターネットに接続しているヒマなんてなく、隣のターミナルまでダッシュで荷物を転がしていく

 当然ノートPCを開いている時間などなく、ギリギリでゲートに飛び込んだときは飛行機に行列の最後の乗客が乗り込むところだった。「あぁ、もう申し込めないな……」と思って諦めかけていたとき、目に飛び込んできたのは入り口横の「Wi-Fi」のロゴ。搭乗する飛行機が、機内インターネット接続に対応していたのだった。

PhotoPhotoPhoto 予想通り自分の搭乗はラストだった。なんとか最後尾の乗客が乗り込んでいる姿を確認すると、入り口に「Wi-Fi」の文字が……。この飛行機は機内インターネット接続に対応していた。着席すると、シートベルト着用サインの横にちゃんと「Wi-Fi ONBOARD」の文字が見える。機内インターネットは上空3000メートルに達すると自動的に使えるようになる。安定飛行に入ったらさっそくノートPCを開いてインターネットに接続

 今米国では、国内線で飛行機内からインターネット接続が楽しめるサービスが次々と導入されている。順番に対応機材を増やしていくため、まだすべての便で使えるわけではないが、大手航空会社を中心に3〜7割程度の配備が完了しているようだ。同サービスを導入している代表的な会社は、大手ではデルタ航空、アメリカン航空、コンチネンタル航空、格安系ではサウスウェスト航空、ジェットブルー航空、ヴァージンアメリカ航空などが挙げられる。この中でも特にデルタ、アメリカン、ヴァージンの3社は対応機材の数が多く、比較的機内インターネット接続対応機に当たる機会が多い。もし米国内を旅行される方がいたら、ぜひ一度試してみてほしい。

PhotoPhoto デルタ航空機内ではGogo Inflight Internetと呼ばれるサービスが利用できる。以前デルタ航空やヴァージンアメリカ航空で使ったことがあり、すでにアカウントを持っていたのでさっそく9.95ドルの1フライトのみ有効なパスを購入してインターネットに接続。ちなみにまだ利用者が少ないのかダウンロード速度は非常に高速で快適(Mbpsクラスの速度が出ることもある)。ただし同じ便でもその航空機にインターネット接続が導入されているかは運しだいなので、もし遭遇したらラッキーだと考えよう
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