ニュース
» 2013年02月27日 06時15分 UPDATE

Mobile World Congress 2013:新事業領域への取り組みを世界にアピールするドコモ

MWC2013のドコモブースでは、NFCローミングやM2Mのリモート書き換えなど、海外オペレーターと取り組んでいる国際サービスを紹介。またキャリアとして新しい事業にチャレンジする意気込みが見られた。

[平賀洋一,ITmedia]

 Mobile World Congress 2013のNTTドコモブースでは、ユーザー層の拡大を目的とした「らくらくスマートフォン」や「スマートフォン for ジュニア」などの端末が展示されていたほか、dゲーム/アニメストア/しゃべってコンシェルといったdマーケットのコンテンツなどを大きく展示。新事業領域の拡大を強く意識した内容となっていた。

photophoto MWC2013のNTTドコモブース
photophotophoto 仏Orange向けの富士通製「STYLISTIC S01」(写真=左)と「らくらくスマートフォン」(写真=中央)
photophoto 「スマートフォン for ジュニア」

 そしてこの会場で初めて披露されたのが、しゃべってコンシェルの英語バージョン。iPhoneに搭載された「Siri」との違いを明確にするために作成されたもので、今回はあくまでも参考出展であり、サービスを開始するかは未定。会場のデモは、専用のアプリとサーバーで動作させているという。

photophotophoto しゃべってコンシェルの英語バージョン。吉田君も英語で受け答え(写真=左)。

 しゃべってコンシェルとSiriとの大きな違いは、コンシュルジュのキャラクターを変更できる点にある。音声を変えるだけでなく画面上のコンシュルジュを自分の好きなキャラクターにできるなど、よりユーザーフレンドリーな使い方ができる。答えを返す際の性格付けも変えられるなど、より柔軟なキャラクター設定が行える。

 人気キャラを使うなど、付加価値のあるコンシュルジュを有料配信するコンテンツ事業としての側面や、映画公開時に登場人物のコンシュルジュを限定配信するといったプロモーション目的での活用も考えられるという。

 またベネッセと協業して製作された子供向けの国際的なエディケーションツール「Irocchi」も展示している。これは日本と外国の子供が“色”の名前を介してコミュニケーションできるように作られたサービスで、言葉が通じなくても外国の子供同士で交流できるのが特徴。教育分野でのスマートデバイス活用事例として海外にアピールしたいとしている。

photo 「Irocchi」
photo MasterCard PayPass対応の「iD」

 ドコモは海外の「MasterCard PayPass」加盟店で「iD」が利用できるサービスの提供を2013年度前半に予定している。これには、NFC(ypeA/B)対応に対応したドコモのスマートフォン(もちろんFeliCaにも対応するもの)と、22日に発表されたピンク色のドコモSIMが必要。さらにiDアプリも、FeliCa専用のものとは別のものが用意される。MWCでは、そのNFCに対応したiDのアプリ画面が初公開された。残念ながら画面の公開のみでまだ動作はしないが、サービス実現に一歩近づいた印象だ。

 またドコモは25日、中China Mobile、韓KTと日中韓におけるNFCサービスのローミング仕様の策定を発表している。3社のNFCに関する提携自体は発表済みだが、今回は国際ローミング時に必要となるサービス上の用件と技術的な用件が白書にまとめられ、MWC2013の同社ブースでも配布していた。

photophotophoto 韓eBCardの電子マネーサービス「Cashbee」のアプリをドコモ端末にインストールして決済するデモ

 非接触通信を使ったサービスは決済やクーポン、交通分野と多岐に渡り、共通仕様はアジア地域でNFCローミングを行いたいキャリアやサービスプロバイダー、小売業者、NFC対応端末の開発を行う端末ベンダーにとって欠かせない情報。今回策定された仕様には、FeliCaを使ったおサイフケータイを8年前から提供しているドコモの経験も生かされているという。

 そしてM2M分野では、モバイル通信を行う機器に組み込まれたSIMカードに、ネットワーク経由で任意の通信キャリアの回線情報(電話番号や契約情報)を書き込む実験が公開された。これは現地スペインの通信事業者であるTelefonicaと移動体通信分野の技術開発を手がけるGieseche&Devrientらと共同で行われている。

 公開された実験ではタブレット端末が使われ、管理用のPCからドコモの電話番号から現地Telefonicaの電話番号にOTA(Over The Air)で切り替わる瞬間を見ることができた。実際の利用シーンは建設機械や乗用車などに装着された通信モジュールのSIMが対象で、回線情報が空の状態で出荷されたあと、機器が使われる国や地域の通信事業者に合わせてSIMの登録をリモートで行う。

photophoto M2M機器に見たてたタブレットと、SIMの書き換えをリモートで行う管理画面を表示したPC(写真=左)。SIMを書き換えるキャリア(と国)を選ぶ(写真=右)
photophotophoto タブレットに表示されたSIMのステイタス画面(写真=左)。ドコモで契約した回線がスペインのMoister(Telefonicaの携帯電話ブランド)に接続されている。アンテナピクトにはローミングを占めす“R”マークが(写真=中央)。書き換え中は一度圏外になる
photophoto SIMのリモート書き換えが成功。SIMはMoisterと直接契約した状態になった(写真=左)。アンテナピクトにはローミングを示すマークがなくなっている(写真=右)

 現状、M2M機器を複数の国で運用する場合には各国の通信事業者ごとのSIMを差し替える必要があるが、ネットワーク経由のSIM登録ができるとその手間は大幅に軽減でき、セキュリティーの問題も少なくなる。またM2M機器が、最初に登録した国から別の国に再輸出される際のSIM差し替えといった手間もいらなくなる。

 リモート登録が可能な対象事業者は、現時点でドコモとTelefonicaのほか、KPN(オランダ)、VimpelCom(ロシア)、Rogers(カナダ)、Telstra(オーストラリア)、SingTel(シンガポール)の7社が加盟するM2Mアライアンスに、アラブ首長国連邦の通信キャリアEtisalaが加わった。以上の国々で各事業者がカバーするエリアであれば、SIMのリモート書き換えが可能だという。

 あくまでM2M分野の技術でコンシューマー向けのサービスではないが、将来的には海外渡航先で回線契約を現地の事業者に簡単に変更するような使い方も期待できそうだ。そのほか、ヤンマーの輸出機械に使われているM2M機器の管理・監視サービスの事例も紹介されていた。

photo 建設機械などに取り付けられるM2M用のモジュールとアンテナ

 また次世代の映像圧縮技術「HEVC」(H.265)を使ったフルHD対応スマホ向けデコーダーや、来店したユーザーのスマートフォンを“音波”で認識し、来店特典のクーポンなどを配布するO2Oプラットフォームの紹介などが行われていた。

photophoto 音波でスマートフォンを認識するドコモのO2Oソリューション。可聴範囲ギリギリの高周波数を使っており、人間にはまず聞こえない音を発している。
photophoto 同じ帯域でもH.264より2倍高画質になる「HEVC」(H.265)。ドコモはAndroidスマートフォン向けのソフトウェアデコーダーを開発し、端末メーカーへの供給を目指している。デモ用の単独アプリのほか、端末のファームウェアに書き込んだ実用化寸前の状態のデモもあった
photo ドコモの海外向けサービスといえばしゃべって翻訳。Wi-Fiへの対応や、簡単なフレーズならオフラインでも使えるようになるとうれしい

Copyright© 2017 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

この記事が気に入ったら
ITmedia Mobile に「いいね!」しよう