最先端のモバイル製品やテクノロジーが一堂に会するMobile World Congress 2015。スマートフォンやウエアラブル端末などが注目を集める中、スマートフォンと連携する機器や、より便利に活用するためのアクセサリーなども多数出展されていた。その中から、筆者が「これは気になる! 日本でも売ってほしい!」と思ったアイテムたちを紹介したいと思う。
自動車メーカーのフォードは、自転車メーカーのDAHONと共同開発した電動アシスト自転車の試作機を発表。フォードが提唱する「スマートモビリティ計画」の一環として開発したシステムで、車に折りたたみ式の自転車を載せておき、自転車で移動した方が効率のよい場所では、自転車に乗り換えることで渋滞緩和や環境保全に役立たせるのが狙い。「MoDe:Me」は一般ユーザー向けを想定したモデルで、「MoDe:Pro」は荷台付きでビジネスユースを想定している。どちらもスマートフォンを固定できるホルダーを備えており、専用アプリ「MoDe:Link」でナビゲーション機能などを利用できる。商用化の時期は未定。
MWCの開催地・バルロセロナの企業が開発・発売する、スマートフォン用の撮影補助器具。スマートフォンに取り付けることで、ハンディカムのように片手でスムーズに動画を撮影できる。説明者によると、一般のビデオ撮影愛好者だけでなく、ジャーナリストにも人気が高いそうだ。カメラ用の三脚に取り付けたり、スマートフォンそのものを卓上に立てるためなどにも使える。アメリカ向けには34.9ドル、ヨーロッパ向けには29.9ドルで発売されており、オーストラリア、香港など、販路を拡大中とのこと。日本での発売にも期待したい。
LGエレクトロニクスが出展していた、タッチディスプレイ機能を搭載する鏡台。同社がすでに持っているディスプレイ技術を用いたものだが、家具メーカーと提携することにより、一般販売を想定しているという。鏡と接続するホルダーにスマートフォンをセットすると、鏡面にタッチ操作ができる画面が表示され、鏡に写る(実際にはカメラで撮影した画像を解析する)ユーザーの肌の健康状態などを診断し、専門家の監修による適切なアドバイスが得られる仕組み。肌の状態が100点満点で表示されるので、美肌維持へのモチベーションにもつながるという。
韓国のベンチャー企業が開発したLED入りの縄跳び。ロープを回して跳ぶと、ロープの中央部分に配列されたLEDが光り、その残像が空中に浮かぶように表示され、跳んだ回数が分かるというユニークな仕掛け。運動データは、スマートフォンにインストールした「SMART GYM」という専用アプリで管理でき、消費カロリーなども算出・表示される。重さは240グラム。OSはiOSとAndroidの両方に対応。クラウドファンティング「Kickstarter」にて資金を調達しているという。
米SanDiskがMWC2015の開幕に先駆けて発表したUSBドライブも展示されていた。「Dual Drive with Type C connector」は、片方がPCとの接続用のUSB 3.0のコネクタ、もう片方がモバイル向けのUSB 3.1(Type C)のコネクタになっており、両者間でのデータ転送をスムーズに行えるという。同社は同時に、200Gバイトを保存できる「Ultra microSDXC UHS-I card」も発表。従来の128Gバイトモデルよりも56%も容量が増え、もちろん世界最大容量。最大転送速度は90Mバイト/秒で、1分間で約1200枚の写真を転送できると説明された。どちらも2015年中に発売予定で、価格は未定だ。
台湾と中国深センを拠点とする通信機器メーカー・WirelessMe(Wime/威米)が展示していた小型の携帯電話。クレジットカードくらいのサイズで、厚さは0.2インチ(約5mm)。GSM方式のSIMカードを挿して通話専用端末として使えるほか、Bluetooth接続によりスマートフォンの子機にもなる。iPhone 5/5s/6/6 Plus向けのケースが用意されており、これを使うと正面ではiPhoneを使えて、裏向きにすると、このTalkaseで通話ができるというデュアル端末になるという。なお、AndroidやWindows Phoneとも連携可能だ。日本国内での需要はほぼなそさそうだが、海外出張で、iPhoneでは日本の携帯電話番号を使いつつ、現地での電話発信にはGSMのSIMを使いたいという人には重宝するかもしれない。
オランダの企業が企画・販売したスマートフォン向けアクセサリー。小さなスポンジの球体はクリップ式で、スマートフォンに挟める。マイク部分に挟むことで風の音など周囲の雑音を軽減でき、クリアな音で通話ができるという。ビデオ撮影時にも有効だ。ホルダーが付いているので、使わない時はバッグなどに取り付けておける。ヨーロッパ、北米、香港などで発売予定で、日本での発売は未定。販売価格は教えてもらわなかった(というか、いわゆるオープン価格)が、説明員は「高くない」と話していた。
iPhoneに取り付けるだけで、熱分布を検知するサーモグラフィーとして利用できる。最初に発売されたiPhone 5/5s向けモデルは、端末をがっしりと覆うケース型だったが、新モデルはLightningコネクタに挿して使えるドングル型になり、小型・軽量化が図られた。表裏どちら向きでも挿せるLightningコネクタの利点を生かし、レンズ部を自分に向けて撮影することも可能。
Android向けモデルも発表しているが、こちらはMicro USBコネクタに挿す仕様上、自分撮りには対応していないとのこと。とはいえ、用途を考えると、自分撮りが必要となる機会は少ないだろう。開発したFLIR Systemsは、サーモグラフィー機器などを専門に扱うアメリカの会社で、性能面での信頼度も高い。2015年の早い時期の発売を予定しており、日本のApple Storeでも前モデルを扱っているので、このモデルが発売されることも間違いないだろう。
台湾の半導体メーカー・Media Tekのブースで見つけたアイテム。2Gの通信機能を搭載した子供靴で、GPSとWi-Fiによって位置情報を取得し、親がスマートフォンやタブレットで子供の居場所を確認できる仕組み。靴底に入っているチップを取り外して靴を洗うこともできるという。靴を載せるトレイは、ワイヤレスの充電台になっている。中国の通信事業者での取り扱いが決まっているそうだ。
Doroは、スウェーデンの電話機メーカー。日本の「らくらくホン」のようなシニア向けの携帯電話を多数リリースし、グローバル展開を進めている。主力モデルとして展示していたのは「Doro Liberto 820」というシニア向けスマートフォンだが、来場者の関心を集めていたのは、このケース入りモデル。Doro Liberto 820にケースを装着することで、画面下部がテンキーとして使え、スマートフォンでありながらフィーチャーフォンのように操作できるというアイデア商品。音声ガイド機能なども備え、視覚障害者の利用も想定しているそうだ。
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