スマホから周辺機器、日用品まで――MWC2015で見つけた変わり種デバイスを総チェック!

» 2015年03月16日 07時00分 公開
[村元正剛,ITmedia]

 最先端のモバイル製品やテクノロジーが一堂に会するMobile World Congress 2015。スマートフォンやウエアラブル端末などが注目を集める中、スマートフォンと連携する機器や、より便利に活用するためのアクセサリーなども多数出展されていた。その中から、筆者が「これは気になる! 日本でも売ってほしい!」と思ったアイテムたちを紹介したいと思う。

Ford「MoDe:Me」「MoDe:Pro」:スマホホルダー付きの電動アシスト自転車

 自動車メーカーのフォードは、自転車メーカーのDAHONと共同開発した電動アシスト自転車の試作機を発表。フォードが提唱する「スマートモビリティ計画」の一環として開発したシステムで、車に折りたたみ式の自転車を載せておき、自転車で移動した方が効率のよい場所では、自転車に乗り換えることで渋滞緩和や環境保全に役立たせるのが狙い。「MoDe:Me」は一般ユーザー向けを想定したモデルで、「MoDe:Pro」は荷台付きでビジネスユースを想定している。どちらもスマートフォンを固定できるホルダーを備えており、専用アプリ「MoDe:Link」でナビゲーション機能などを利用できる。商用化の時期は未定。

photo 通勤などでの利用を想定した「MoDe:Me」。
photophoto スマートフォン向けアプリ「MoDe:Link」と連携する(写真=左)。業務用を想定した「MoDe:Pro」は、ハンドルの下にスマートフォンドッグを配置(写真=右)
photo 車に載せて運べる折りたたみ式の電動自転車であることがポイント

shoulderpod「S1」:ハンディカムのようにスマホで動画撮影

 MWCの開催地・バルロセロナの企業が開発・発売する、スマートフォン用の撮影補助器具。スマートフォンに取り付けることで、ハンディカムのように片手でスムーズに動画を撮影できる。説明者によると、一般のビデオ撮影愛好者だけでなく、ジャーナリストにも人気が高いそうだ。カメラ用の三脚に取り付けたり、スマートフォンそのものを卓上に立てるためなどにも使える。アメリカ向けには34.9ドル、ヨーロッパ向けには29.9ドルで発売されており、オーストラリア、香港など、販路を拡大中とのこと。日本での発売にも期待したい。

photophoto iPhoneを小型ビデオカメラにように扱える(写真=左)。落下防止用のストラップ付きのホルダーにセットするだけの手軽さも利点(写真=右)

LGエレクトロニクス「Magic Mirror」:鏡にタッチディスプレイを搭載

 LGエレクトロニクスが出展していた、タッチディスプレイ機能を搭載する鏡台。同社がすでに持っているディスプレイ技術を用いたものだが、家具メーカーと提携することにより、一般販売を想定しているという。鏡と接続するホルダーにスマートフォンをセットすると、鏡面にタッチ操作ができる画面が表示され、鏡に写る(実際にはカメラで撮影した画像を解析する)ユーザーの肌の健康状態などを診断し、専門家の監修による適切なアドバイスが得られる仕組み。肌の状態が100点満点で表示されるので、美肌維持へのモチベーションにもつながるという。

photophoto 化粧鏡の下にあるスマートフォンと連携し、鏡にタッチディスプレイが表示される(写真=左)。肌の健康診断のデモンストレーションで「95点」という好スコアが表示され、説明員さんも思わずニンマリ(写真=右)

TANGRAM FACTORY「SMART ROPE」:跳んだ回数をカウントしてくれる縄跳び

 韓国のベンチャー企業が開発したLED入りの縄跳び。ロープを回して跳ぶと、ロープの中央部分に配列されたLEDが光り、その残像が空中に浮かぶように表示され、跳んだ回数が分かるというユニークな仕掛け。運動データは、スマートフォンにインストールした「SMART GYM」という専用アプリで管理でき、消費カロリーなども算出・表示される。重さは240グラム。OSはiOSとAndroidの両方に対応。クラウドファンティング「Kickstarter」にて資金を調達しているという。

photophoto これまでの縄跳びのイメージとは全く異なる近未来感が漂うデザイン。オレンジやグリーンなどカラフルなものの商品化も想定している(写真=左)。実際にロープを回転させてLEDの残像を見せるでモンストレーションが行われていた。が、うまく撮影できなかった(写真=右)
photo Bluetoothでスマートフォンと連携し、ワークアウトの記録を管理できる

SanDisk「Dual Drive with Type C connector」「Ultra microSDXC UHS-I card」

 米SanDiskがMWC2015の開幕に先駆けて発表したUSBドライブも展示されていた。「Dual Drive with Type C connector」は、片方がPCとの接続用のUSB 3.0のコネクタ、もう片方がモバイル向けのUSB 3.1(Type C)のコネクタになっており、両者間でのデータ転送をスムーズに行えるという。同社は同時に、200Gバイトを保存できる「Ultra microSDXC UHS-I card」も発表。従来の128Gバイトモデルよりも56%も容量が増え、もちろん世界最大容量。最大転送速度は90Mバイト/秒で、1分間で約1200枚の写真を転送できると説明された。どちらも2015年中に発売予定で、価格は未定だ。

photophoto 今後モバイル機器での普及が進むであろうUSB 3.1 Type Cのコネクタを搭載。デュアルコネクタながら、サイズは一般的なUSBメモリとほぼ同じ(写真=左)。世界最大の200Gバイトを保存できるmicroSD。プラスチックケースに入れての展示だった(写真=右)

WirelessMe「Talkase T1」:スマホの子機にもなる携帯電話

 台湾と中国深センを拠点とする通信機器メーカー・WirelessMe(Wime/威米)が展示していた小型の携帯電話。クレジットカードくらいのサイズで、厚さは0.2インチ(約5mm)。GSM方式のSIMカードを挿して通話専用端末として使えるほか、Bluetooth接続によりスマートフォンの子機にもなる。iPhone 5/5s/6/6 Plus向けのケースが用意されており、これを使うと正面ではiPhoneを使えて、裏向きにすると、このTalkaseで通話ができるというデュアル端末になるという。なお、AndroidやWindows Phoneとも連携可能だ。日本国内での需要はほぼなそさそうだが、海外出張で、iPhoneでは日本の携帯電話番号を使いつつ、現地での電話発信にはGSMのSIMを使いたいという人には重宝するかもしれない。

photophoto カード電卓のようなコンパクトな携帯電話。実際、電卓機能も備えている(写真=左)。スマートフォンの子機としても使え、iPhoneの背面に装着するためのケースも用意されている(写真=右)

Windblocker「WINDBLOCKER」:周囲のノイズを除去するアイテム

 オランダの企業が企画・販売したスマートフォン向けアクセサリー。小さなスポンジの球体はクリップ式で、スマートフォンに挟める。マイク部分に挟むことで風の音など周囲の雑音を軽減でき、クリアな音で通話ができるという。ビデオ撮影時にも有効だ。ホルダーが付いているので、使わない時はバッグなどに取り付けておける。ヨーロッパ、北米、香港などで発売予定で、日本での発売は未定。販売価格は教えてもらわなかった(というか、いわゆるオープン価格)が、説明員は「高くない」と話していた。

photo スマートフォンのマイク部に取り付けることで、周囲のノイズを除去できる

FLIR Systems「FLIR ONE」:スマートフォンがサーモグラフィになる

 iPhoneに取り付けるだけで、熱分布を検知するサーモグラフィーとして利用できる。最初に発売されたiPhone 5/5s向けモデルは、端末をがっしりと覆うケース型だったが、新モデルはLightningコネクタに挿して使えるドングル型になり、小型・軽量化が図られた。表裏どちら向きでも挿せるLightningコネクタの利点を生かし、レンズ部を自分に向けて撮影することも可能。

 Android向けモデルも発表しているが、こちらはMicro USBコネクタに挿す仕様上、自分撮りには対応していないとのこと。とはいえ、用途を考えると、自分撮りが必要となる機会は少ないだろう。開発したFLIR Systemsは、サーモグラフィー機器などを専門に扱うアメリカの会社で、性能面での信頼度も高い。2015年の早い時期の発売を予定しており、日本のApple Storeでも前モデルを扱っているので、このモデルが発売されることも間違いないだろう。

photophoto 赤外線センサーと特殊なカメラが搭載されていて、iPhoneに接続するだけで、熱感知カメラとして機能する(写真=左)。これはiPhone 5/5s向けの現行モデル。ケース型で背面にカメラとセンサーを搭載。新モデルは大幅な小型化が図られたことが売り(写真=右)

MediaTek「361 Smart Kid Shoe」:通信機能付の子供靴

 台湾の半導体メーカー・Media Tekのブースで見つけたアイテム。2Gの通信機能を搭載した子供靴で、GPSとWi-Fiによって位置情報を取得し、親がスマートフォンやタブレットで子供の居場所を確認できる仕組み。靴底に入っているチップを取り外して靴を洗うこともできるという。靴を載せるトレイは、ワイヤレスの充電台になっている。中国の通信事業者での取り扱いが決まっているそうだ。

photophoto 通信機能を搭載した子供用シューズ。ブルーの台に載せるだけでワイヤレスで充電可能(写真=左)。靴外にチップをはめ込むという、実なシンプルな作り(写真=右)

Doro「Doro 820 Claria」:海外版“らくらくホン”

 Doroは、スウェーデンの電話機メーカー。日本の「らくらくホン」のようなシニア向けの携帯電話を多数リリースし、グローバル展開を進めている。主力モデルとして展示していたのは「Doro Liberto 820」というシニア向けスマートフォンだが、来場者の関心を集めていたのは、このケース入りモデル。Doro Liberto 820にケースを装着することで、画面下部がテンキーとして使え、スマートフォンでありながらフィーチャーフォンのように操作できるというアイデア商品。音声ガイド機能なども備え、視覚障害者の利用も想定しているそうだ。

photophoto スマートフォンにケースを取り付けることで、フィーチャーフォンのように操作できるようになる(写真=左)。Doroはシニア向けスマホの開発に注力するメーカー。日本の「らくらくスマートフォン」のような端末が多数展示されていた(写真=右)

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