コラム
» 2015年05月28日 11時01分 UPDATE

ふぉーんなハナシ:つくる自由って楽しい♪――「Fx0」専用の“田中ケース”を作ってみた

「つくる自由」を体験できるauのFirefox OS搭載スマホ「Fx0」では、ケースを自由に作れるのはご存じだろうか? 今回はアイティメディアの「3Dモデラボ」の知見を借りて、Fx0専用の“田中ケース”を作ってみた。

[田中聡,ITmedia]

 KDDIが販売しているFirefox OS搭載スマートフォン「Fx0」は、さまざまな「つくる自由」を体験できるスマートフォンだ。

photo auのFirefox OS搭載スマホ「Fx0」

 つくる自由を実感できる最も大きなものが「コンテンツ開発」だろう。Firefox OSは、HTML5をはじめとするWeb標準技術をベースとした、オープンなモバイルプラットフォーム。このプラットフォームを活用してさまざまなサービスを生み出せるよう、KDDIはFirefox OSをベースとした開発ボード「Open Web Board」や、アプリケーション開発ツール「Gluin」「Framin」を提供している。

 開発者にとってはエポックメイキングな端末ともいえるFx0だが、つくる自由を体験できるのはアプリ制作だけではない。このFx0向けのケースも、誰でも自由に作ることができるのだ。KDDIはWebサイトでFx0の3D CADデータを公開しており、このデータを活用することで、世界で1つだけのケースをデザインできる。3Dデータのダウンロードは無料だ。

photo KDDIのWebサイトでFx0のCADデータを公開している

 せっかくなのでオリジナルケースを作ってみたい! でも……CADデータなんて扱ったこともないし、ケースを出力するには3Dプリンターだって必要だ。う〜ん、どうしたものか。いや、待てよ。アイティメディアでは、クリエーターの3D作品作りを支援する「3Dモデラボ」があるではないか。そういえば、この前、社内で3Dプリンターを使っているのを見かけた。せっかくなので、相談してみることにした。

 と、その前に、モデラボについて簡単にご紹介したい。モデラボは、クリエーターが公開した3Dモデルデータを共有、評価できるWebサービス。公開されたデータの閲覧やダウンロード、お気に入りクリエーターの応援、コメントの登録などができる。公開されたデータは食器、ホビー、アクセサリー、アート、フィギュアなど多岐にわたり、「ガジェット・スマホ」カテゴリーではオリジナルのケースや便利グッズも投稿されているので、ぜひチェックしてほしい。特定のテーマに沿った投稿を受け付けるコンテストも定期的に開催しており、4月7日から6月16日までは「兜デザイン」の投稿を受け付けている

photo 「3Dモデラボ」
photo カテゴリーは多岐にわたり、スマホやガジェット関連の作品も多く集まっている

 というわけで、モデラボ担当のジョジョ好きなYさんに相談したところ、「だが断る」と言われることもなく、快くケース作りを手伝ってくれた。KDDIのサイトにはSTL形式とSTEP形式のCADデータが公開されているが、今回はSTEP形式のデータをダウンロードし、フリーソフトの「123D Design」を使って編集して、最後にSTL形式のデータに変換することにした。ちなみにKDDIが公開しているデータはFx0の全ボディが含まれているので、ケース部分だけを抜き出して編集する必要がある。

photophoto Fx0のケース部分のデータだけを抜き出して編集する

 いよいよケースを作ることになったわけだが、肝心のデザインはどうしよう? 「ITmedia Mobile」の文字を入れるのはなんだかシンプルすぎる気がする。そうだ、「田中」はどうだろう? それもどーんと大きく表示させる。どうして田中かって? いや私の名前が田中なのと、KDDIの社長も田中ですし。あと字画も少ないので3Dプリントで出力しても見やすいかなと。「纐纈(こうけつ)」さんとか「蟋蟀(こおろぎ)」さんとかだったら大変なことになりそうだけど。

photophoto 「田中」の文字がモコっと飛び出している様子をデザイン

 編集とSTLデータへの変換が終了したので、いよいよ出力。今回は会社にあるパーソナルタイプの3Dプリンタ「da Vinci 1.0(ダヴィンチ)」を使い、ダヴィンチ用のソフト「XYZ Ware」でケースのデータを読み込んで印刷していく。使用した素材は黄色のABS樹脂。プリンター内部の温度は途中で200度を超えるほど上昇し、非常に高温の環境でケースが造形されていくことが分かる。自分が(というかYさんが)デザインしたケースがゼロからできあがっていく様子を見るのは何とも楽しい。

photophoto 3Dプリンタ「da Vinci 1.0」を使って出力開始
photophoto 着々とケースが造形されていく

 ケースの出力は4時間ほどで完了した。このケース、「田中」の文字を立体的に大きく表示させているのだが、「田中」の周囲には形状を保持するために「サポート材」を使っており、出力完了後にサポート材を取り除く必要がある。しかし、すべてのサポート材をキレイに取り除くのが難しく、表面にはサポート材の跡がけっこう残ってしまった。

photophoto 完成したケースを取り出す
photophoto サポート材をぺりぺりっとはがしていく

 サポート材の除去が完了し、ようやくオリジナルケースが完成した。が、純正ケースと並べてみると、細かいパーツの再現性が甘いことが分かる。Yさんいわく、使ったプリンタが比較的初期のものだったため、スマホケースの爪など細かいところまで精密に再現するのは難しいようだ。ともあれ、田中の文字はしっかりと表現できており、“田中感”は出せているのではないだろうか。

 できあがった田中ケースをFx0に装着してみた。……が、ぴったりとはまらない。やはりケースの爪が完璧に再現できていないようだが、無理矢理押し込んだら、なんとか固定はされた。さすがに日常的に使うのは難しそうだが、「物作りの醍醐味って、こういうことなのか〜」という一端を味わうことはできた。

photophoto 「田中ケース」が完成したッ!(写真=左)。なんとか装着させたものを握ってみる(写真=右)
photophoto 純正ケースと並べてみる

 もっとちゃんとした精度のケースを作りたいところだが、高性能3Dプリンターを家庭に導入するのは難しい。というわけでオススメしたいのが、KDDIのスマホケース作成サービス「3D PRINT LAB.」だ。このサービスでは、ユーザーがWebサイトでデザインしたスマホケースを、高性能3Dプリンターで造形して、指定の住所へ届けてくれる。iPhoneや一部のAndroidスマートフォンのほか、Fx0も対応している。価格は3980円(税別)で送料は無料。自分でケースを作るノウハウや機器のない人でも、これを使えば簡単に世界で1つのケースを作れてしまうのだ。

photo ケースをオーダーメイドできる「3D PRINT LAB.」

 ……だったら最初からこのサービスを使えばいいじゃん、と思われるかもしれないが、そこは「Fx0の世界」。自分で作ってナンボでしょう、ということで、チャレンジしてみた次第。また、作ったケースのデータを多くの人に見てほしい! という人は、ぜひモデラボに作品を公開してみてはいかがだろうか?

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