MVNO事業を展開する日本通信とFREETELは、共にデータ通信料金が段階制になる新プランを発表しました。
料金プランは以下の通り。月初は共に最低料金からスタートし、使う通信量に応じて徐々に料金が上がっていきます。上限のプランまで行くとストップ。以後、低速での通信となり料金は上がりません。
通信量 | 料金 | |
---|---|---|
1GB | 500円 | |
2GB | 750円 | |
3GB | 1,000円 | |
4GB | 1,250円 | |
5GB | 1,500円(上限) | |
※音声通話やSMS通信等のオプションはなく、データ専用のプランです(2015年7月時点) |
通信量 | 料金 | |
---|---|---|
〜100MB | 299円 | |
〜1GB | 499円 | |
〜3GB | 900円 | |
〜5GB | 1,520円 | |
〜8GB | 2,140円 | |
〜10GB | 2,470円 | |
※上記プランにプラス700円で音声+SMSが利用可能 ※上記プランにプラス140円でSMSが利用可能 |
この2社のプランですが、「b-mobileおかわりSIM 5段階定額」はスタートが500円。1GBごとに250円上がる仕組みで課金額が分かりやすさが売りです。FREETEL SIMの「使った分だけ安心プラン」は、スタート金額が安く、最大10GBまでの大容量の使用が可能で、音声通話やSMSをオプションで申し込めるのが強みと、仕組みは同じでも内容は少し異なっています。
どちらもリーズナブルで使い勝手は良さそうです。
今回の新プランは、月間の利用量に応じて一番安い料金が適用されるのが嬉しいポイント。
かつてドコモやauが通話プラン「S」「M」「L」などを展開していた時は、携帯ショップに行って「来月はイベントも多く、通話が増えそうだからプランを上げておこう」とユーザ側の事前対策が必要で、そこを怠ると利用料金が一気に跳ね上がってしまうなんてことが起きていました。
スマホ&通話定額時代になると、この悩みは毎月のデータ通信料金へ移行。「来月は出張も多く、通信が増えそうだから通信プランを上げておこう」と上手に対策を取らないと、月末に速度制限に入ってしまいます。
今回の新プランはユーザ側の事前対策や、設定プランに振り回されて使うことなく、「使った分だけ最安値で請求される」という本当に分かりやすいシステム。特に、毎月のデータ通信量がコロコロと変わるユーザは、その月ごとに最適の料金になるのでメリットが大きいでしょう。
今回の段階制プランを、他のシステムのプランと比較して考えてみましょう。
他の代表的な料金プランのシステムは「総容量制」です。「月間◯◯GBまでは高速通信可能。それ以降は速度制限がかかるよ」というシステムで、ドコモ・au・ソフトバンクといった大手携帯電話キャリアをはじめ、いわゆる格安SIM事業者でも多く見られるシステムです。通信料金は変動しないので、支出管理がしやすいというメリットがあります。プランも充実しており、1GBから10GB以上の大容量まで自分にあったプランの選択・変更が可能となっています。
その反面、「今月急に海外出張が決まり、日本ではほとんど使わない」「急に家のネットが壊れてスマホのテザリングでしのぐ」といった急展開によるデータ通信量の上下に対応しにくいといった弱点もあります。
昨年登場して以来、注目を集めているのが「無制限」プラン。一部MVNO事業者が導入しているプランで、基本的には「どれだけデータ通信量を使ってもいいよ」という内容です。残りの容量や料金を気にすることなく使えるので心理的な負担も軽く、ヘビーにスマホを使う方にはオススメ。
とはいえ、契約者たちが大量に使うと速度が低下したり、「今月はあまり使わないかも」といった場合でも定額料金をしっかりと支払う必要があります。どのプランも一長一短ですので、特性を理解し自分にあったプランを選択するのがよいでしょう。
今回紹介した「段階制」、現在のスタンダードの「総容量制」、ヘビーユーザ向けの「無制限プラン」は、飲食店における「通常プラン」「コースプラン」「食べ放題」の関係性と似ているかもしれません。とにかくお腹が空いていてたくさん食べたい場合は「食べ放題」、そこそこの量を安定して食べたい場合「コースプラン」、どのくらい食べるか分からないから一品注文の「通常プラン」。
そう考えると、今回日本通信とFreetelが発表した段階制プランは、万人に受けるプランとも考えられるのではないでしょうか。
(文:モバイルプリンス)
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