Z5ファミリーの中でも特にスペックの高いXperia Z5 Premium。最大の特徴は、スマートフォンとしては初の「4Kディスプレイ」を搭載したことで、従来モデルのフルHDに比べて解像度が一気に4倍に向上している。4Kのメリットと詳細については多くを説明しないが、Xperia Z5 Premiumの5.5型ディスプレイで4K解像度となると、PPI(画素密度)の値は「800」に達しており、かつてAppleがiPhone 4を発表したときに「Retina」というキーワードとともに示した「326」という数字を大幅に上回る。
Retina(網膜)というキーワードは、人間の目の網膜が認識できる限界に達しているということを表現するために付けられたもので、その意味で「800」という数字は限界をはるかに突出していることになる。実際、すでにぱっと見の印象ではフルHDと区別はつきにくいが、Premiumの映像はよく眺めると全体に立体感や透明感があり、コンテンツの種類によっては非常に有効なものとなっている。4K対応コンテンツそのものは増加傾向にあり、これらを楽しむためのプレミアムなスマートフォンといった位置付けだ。
このほか、コンテンツをさまざまな方向から試す仕掛けとして、Project Morpheusが紹介された。すでに発表済みのものであり、2016年での製品投入が見込まれているものではあるが、おそらく2016年のIFAの時期には、同会場となっているベルリンの家電量販店でも製品が並んで展示されているかもしれない。
もう1つ興味深いのは、ソニーが推進している社内のベンチャー育成プログラム「Seed Acceleration Program」が改めてIFAの場で紹介されたことだ。スマートロックや電子ペーパーを使ったリモコンなど、さまざまなユニークな製品が登場している同プログラムだが、このうち、つい先日も話題になった「wena wrist」が会場でも大きく取り上げられていた。
wena wristは、いわゆるスマートウォッチに内蔵されている通知機能のほか、FeliCaのセキュリティチップとアンテナを内蔵した腕時計バンド型製品で、スマート機能をバンド側に内蔵させることで、アナログ時計との併用を可能にした逆転的発想の製品だ。バッテリーや防水対応など、スマートウォッチで課題となっている問題を解決しやすく、決済や認証機能に興味を持っている筆者も非常に注目している製品でもある。こうしたアイデア製品の数々が、かつて人々を魅了したアイデアと技術のソニーをけん引する存在として立ち上がってくることに期待したい。
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