インタビュー
» 2015年11月18日 06時00分 UPDATE

携帯料金はどうなる? 端末やサービスの戦略は?――NTTドコモ加藤社長に聞く (1/3)

携帯料金見直しの議論がなされている中で、ドコモはどんなスタンスで取り組んでいくのか。さらなる低容量プランは生まれるのか? また、端末やサービスはどのような戦略で取り組んでいくのか。加藤社長に聞いた。

[田中聡,ITmedia]

 総務省のタスクフォースで携帯料金の見直しについて議論されており、2015年内に出されるであろう結論次第だが、ドコモは(KDDI、ソフトバンクとともに)現在の料金プランに何らかのメスを入れる必要に迫られつつある。一方、端末は9月のiPhone 6s/6s Plusに続き、2015-2016年冬春モデルが販売されているが、一昔前よりはラインアップは絞られた。その上で動く大きなサービスとして、ドコモは12月から「ドコモポイント」をリニューアルして「dポイント」を提供する。

 今回、NTTドコモの加藤薫社長にインタビューをする機会を得たので、こうした直近のトピックについて、幅広く話をうかがった。

photo NTTドコモの加藤薫社長

「キャッシュバックはやらない」「1Gバイトプランは難しい」

―― 総務省のタスクフォースで携帯料金の見直しが進められていますが、加藤社長は、一連の流れをどうご覧になっていますか。

加藤氏 なかなかびっくりしました。何が論点で何が課題かを注視しています。タスクフォースの結果を踏まえて考えないといけないと思っています。

―― 料金プランでライトユーザーの選択肢が少ないという指摘もあります。

加藤氏 (毎月のデータ量は)これまで(月)7Gバイトだけでしたが、新料金プランでは(月)2Gバイトのものも作りましたから、選択肢はあると思っています。(毎月の通信量が)実際に1Gバイト前後の方々もいらっしゃいますけど、「シェアプラン」を家族で使い、15Gバイトや10Gバイトをシェアしている人もたくさんいらっしゃるんですよ。

―― 毎月の通信量が1人で1Gバイトという方は、全体の中では少ないのでしょうか。

加藤氏 どうでしょう。あまりいらっしゃらない気はしますけどね。我々としては、もっと使って、製品を楽しんでいただかないといけないと思っています。

―― MVNOがやっているような、月1Gバイトや、それ未満のプランは提供しないということですか。

加藤氏 なかなか難しいと思います。MNOとMVNO全体を見て、そこに選択肢があることを認識いただかないと。チョイスはあると思っています。

―― 同じNTTグループのNTTコミュニケーションズやNTTぷららも、格安SIMを提供しています。

加藤氏 そうですね。ああいったところもやっていますので。

―― そちらと連携して、例えばドコモショップでOCNのSIMを売るということは……。

加藤氏 それはなかなか難しいところですね(笑)。ある種矛盾が生じますから。そこは今まで通り進むのだとは思います。

―― パケットパックで一番多い容量はどのあたりでしょうか。

加藤氏 2Gバイトの方が当初は多かったです。2014年に(新料金プランを)始めたときは、我々が想定した10倍ぐらいが(2Gバイトに)入ってこられて。2〜3カ月たったころに、1Gバイトを買う方や、他のプランへ移行する方も増えています。

―― 追加で買ったものも含めて、平均のデータ消費量はどれぐらいでしょうか。

加藤氏 月間平均で3Gバイトほどですね。

―― 3Gバイトのプランは提供していませんよね。

加藤氏 あまり刻んでも、複雑になってしまいますので。

―― 通話は、「カケホーダイ」か「カケホーダイライトプラン」の二択ですけれど、あまり通話をしない人に向けたプランは、新料金プランでは作らないのでしょうか(例えば、従来の1000円程度で無料通話なしのプランなど)。

加藤氏 今、(ライトプランを)出したところですからね(笑)。ライトプランは、新規のうちの3割ぐらいなんですよ。他社さんよりもちょっと少ないかもしれませんが、5分(以内の通話が話し放題)というのが引っかかっているのかもしれません。もうそんなのを気にせず、2700円(のカケホーダイ)で話してもらえばいいのに、と思いますけどね。

―― ドコモとしては、十分な選択肢を用意していると。

加藤氏 今あるもので、事業設計できるような側面もあるので。うまくシェアパックも使っていただいていると思います。

―― 通信と端末の価格が一体になっていて分かりにくいことや、MNPキャッシュバックも問題視されています。

加藤氏 行きすぎたキャッシュバックは「もうやめるぞ」と2014年から言っていますし、実際やめています。ずっと歯を食いしばっているんです。MNPを見ても、平日はいい状況になっていますけど、土日に他社さんがグッとキャッシュバックをやられる傾向があって、出て行く(ドコモから他社へ転出する)という。キャッシュバックを付けて売るのは不健全ですね。

―― MNPキャッシュバックはやっていない。

加藤氏 今はやっていません。まあ似たような形であったりはしますけれど、基本的にはしていない。

―― 3月の新生活前は、特にキャッシュバックがさかんになりがちです。

加藤氏 2014年(度)もたたき合いましたけど、「やめよう」と僕はメッセージを発したつもりです。

―― そこは季節を問わず、やっていかないという方針。

加藤氏 そうですね。ただ、激しい戦いになったときは、もう1回やる必要はあるでしょうけど。

―― ドコモに限ったことではありませんが、iPhoneの割引が優遇され、Androidが欲しい人にとっては不公平感が出ています。この点はどうお考えですか。

加藤氏 そこはなかなか難しいところです。同じもの(iPhoneの優遇)が他社さんにもあるので、これは競争ですよね。まあできるだけ是正はしていきたいところですね。

※初出時に、小見出しで「1Gバイトプランは予定なし」としていましたが、断言はしていなかったため、「1Gバイトプランは難しい」としました(11/18 15:19)。

MVNOは「競争と協業」

―― MVNOサービスはドコモの回線を使ったものが大半を占めていますが、そういったMVNOの盛り上がりは、どう見ていますか。

加藤氏 「MVNOはドコモ(回線)ばかりだ」と言う人もいますけど、それはおかしいだろうと。他社は接続料が高く、あまり積極的には推進されなかったですよね。

―― 接続料は適切に算出している。

加藤氏 ガイドラインがありますからね。だからあれで大きくもうかっているかというと、否ですよ。

―― ドコモからMVNOへの乗り換えが増えて、収益に影響が出るところまでは行っていない。

加藤氏 そこまでは行っていないですけれど、注視する必要はあると思っています。だけど「安い」「高い」という観点だけから見ると、チョイスの中の1つになっていて、ずいぶん増えてきているのも事実です。

―― 回線を借りたい事業者に対しては、来るもの拒まずという。

加藤氏 競争と協業みたいなものですから。少なくとも「MVNOさんから貸してください」と言われたら、義務が生じますので、基本的にはつないでいきます。

―― 日本通信などから、携帯電話番号、端末の所在地、顧客の契約状況などの情報を管理できる「HLR/HSS」を開放してほしいという要望が挙がっています。

加藤氏 それは検討、議論していますが、まだ結論は出ていません。

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