LINE Out無料化は「配慮が十分ではなかった」「復興支援のための追加施策も検討」――LINE

» 2016年04月15日 21時00分 公開
[田中聡ITmedia]

 熊本県の震災を受けて、LINEが通話サービス「LINE Out」の通話料を1回あたり10分まで無料にしたことで、通信キャリアの回線混雑をかえって助長させるとして、物議を醸している。

 LINEはなぜ、LINE Outの無料化に踏み切ったのだろうか? 携帯回線への影響はどの程度考えていたのだろうか。LINE広報に疑問をぶつけた。

 今回の熊本地震では、LINEとして復興支援ができるよう、過去に実施したことのある施策の中で、以下を検討したという。

  • LINE to LINEの無料通話、トークの安定性の確保と災害時での利用についての案内
  • 「LINE Out」の期間限定無料化の検討
  • 災害時に役立つLINEの活用方法」といったガイドの案内
  • LINE NEWS、NAVERまとめでの災害情報の発信

 さらに、新しい取り組みとして、最新の災害情報を素早くキャッチできるよう、LINE LIVEで「ウェザーニュース」の番組を配信している。

LINE 災害時に役立つLINEの活用方法をWebサイト上で公開している。こちらはぜひご一読をおすすめする
LINE 「LINE LIVE」でウェザーニュースの番組を配信している。視聴するには、App StoreまたはGoogle Playから専用アプリをダウンロードする必要がある

 問題となったLINE Outの無料化を行った経緯は、「震度7を記録するほどの大きな地震に対し、安否確認の必要性が高くなるであろうという点、かつ地方での災害のため、ご高齢の方々などのLINEをご利用いただいていない皆さまへの施策も行うべきであると判断したため、通常のLINE通話機能だけではなく、固定電話や携帯電話に発信できるLINE Outの無料化実施の判断した」としている。被災地の利用者からは、「助かった」「役に立った」などの声も多く届いたという。

 一方で、電話回線の混雑を助長してしまったことも事実だ。この点については「LINE Outの通常利用率やこれまでの災害時の無料化実施時の利用増加率、被災地から被災地外へのLINE Out通話・発信については輻輳(ふくそう)リスクが低いこと、PSTN(公衆交換網)のバックボーンを担当している事業者への事前確認、などを判断材料とした」とのことだが、「最も多くの利用が想定される被災地外から被災地へのLINE Out通話・発信は、輻輳リスクを高めることは事実であり、輻輳リスクを最大限低減させるという点においては、考慮・配慮が十分ではなかったと認識している」とコメント。今回の無料化は、被災地から被災地外への通話に限定した方が影響は少なかっただろう。

 また、LINEではTwitterの公式アカウントでは「LINE Outは回線に負荷が集中する恐れがあるため、緊急性が高い場合のみご利用いただくようご協力をお願いします」と後から補足したが、これも本来は無料化の告知と同時に行うべきだった。同社は「LINE Outの利用は、緊急性が高い場合においても、繰り返しかけない、短い時間で終わらせる、被災地から被災外へのコミュニケーションに限るなどの注意点をお知らせできていなかったことは、可否判断基準と合わせて反省する点、見直しを行うべき点」とした。

 LINE Outの無料化をTwitterでのみ告知していた点についても、「災害掲示板やテキストメッセージが災害時における優先的なコミュニケーションだった」ので、改善の余地があるとした。

 LINE Out無料化の期限は現時点で決めておらず、「現地の状況を鑑みて判断したい」とのこと。無料化の告知ツイートについては、「補足説明の投稿も行っているので、現状削除は行わない方針だが、必要に応じて柔軟に対応を検討する」とした。

 現在、LINEは被災地の復興支援についての追加施策を検討しているとのこと。また、災害時における今後の取り組みについては、「今回、至らなかった部分については改善・見直しをし、サービス事業者としてLINEにできること、役に立つことを関連の事業者様団体様とも密に連携の上、行っていく」とした。


 2011年6月に誕生したLINEは、同年の東日本大震災をきっかけに、災害時のホットラインを目指して作られたサービスでもある。データ通信のみで使用できることで、電話回線の混雑を抑えられる。また「既読」マークは、緊急事態で返信ができなくても、相手が自分のメッセージを読んだことが分かるよう搭載した機能だ。今回のLINE Out無料化は裏目に出てしまった側面が強いが、今後も1人でも多くのユーザーにとって有益な支援を続けてほしいと思う。

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