SIMフリー市場で注目のZTE、本社で見た日本向け製品の品質に対するこだわり(2/2 ページ)

» 2016年06月10日 15時30分 公開
[佐野正弘ITmedia]
前のページへ 1|2       

日本の要求水準に合わせた品質管理を実現

 ZTEは世界各地に端末を生産するための工場を持つが、その中心となるのは中国国内の工場であり、国内全ての工場で月当たり700万台の端末を生産する能力を持つという。中でも大きな生産拠点となるのは深センと西安の2箇所で、西安の工場はより先進的な設備を導入し、完全に自動化しているとのことだ。

 端末を生産し、ユーザーの手に届ける上で重要となるのは品質管理である。特に日本は端末の品質に対する要求水準が高いことで知られているが、ZTEも日本市場への参入以降、2009年より品質管理の強化を進めており、約1000万元(約1億7000万円)以上の投資をして品質管理体制の改善を進めてきたとのこと。現在は日本専門の製品品質管理チームを組織し、日本の要求水準に見合った品質管理を行っている。

 製造物責任法(PL法)の対象となるトラブルが発生した場合も、事象を確認した後に本社の日本向け品質管理チームにすぐフィードバックし、迅速な対応を進め48時間以内に原因を分析し報告、10日で対応を済ませる体制を構築しているという。

 またZTEでは、品質管理の強化を進めるべく、工場で働く従業員のトレーニングにも力を入れている。日本の大手家電メーカーで品質管理を担当していた人材などを講師に招くなどして、社員教育の質も高めているのだそうだ。

 こうした日本の市場に合わせた品質管理の取り組みによって、ZTEの社内全体でも、品質管理に対する意識が大きく高まった。品質に厳しいといわれる日本市場への進出が、ZTE全体の品質管理体制を変えるきっかけにもなっているようだ。

現場の品質管理体制はどうなっているのか

 品質管理に力を入れる様子は、工場の様子からも見ることができる。今回の取材では、ZTEが開発する端末の製造ラインのうち、日本のキャリアに向けて提供している、子供向け端末の最終チェックの様子を見ることができた。

ZTEの製造ライン 日本のキャリア向け端末の最終チェックをしている製造ライン。端末の最終チェックからファームウェアの書き込み、梱包までを行う

 ここでは組み立て済みの製品の最終チェックを実施して梱包するまでの作業が進められていたのだが、1台1台全ての端末を、専用の機械にかけて検査を実施。さらに日本の法律に合わせ、検査結果データは専用のサーバにアップロードされ、10年間保存するとのこと。不具合などが発生した際に、後からトレースできる体制が整えられている。

ZTEの製造ライン 日本の法律に合わせて検査結果のデータを10年間サーバに保存。後からトレースできる体制も整えた

 さらにZTEでは、チェック体制をより高めるための機器を積極的に導入し、自動化も進めているのだという。その事例の1つとして紹介されたのが、CCDカメラを用いたラベルのチェックである。

 ZTEでは世界各国のキャリアにOEMとして提供しているしていることから、同じ形状の端末ながら、国によってラベルやデザインなどが異なる部品を使用することも多い。それゆえ、例えば日本向けのモデルを組み立てる際、韓国向け端末のラベルを用いた部品が混在してしまうと、組み立ての際に大きな問題となってしまう。

製造中の子供向け端末 子供向け端末の部品の一部。左が日本向け、右が韓国向けとのことだが、見た目はかなり共通しているため、混在すると大きな問題となってしまう

 従来、そうした部品のチェックは人の目で実施してきたが、これをCCDカメラによる機械でのチェックに置き換えたことで、長時間、多くの部品を確実にチェックできるようになったとのこと。機械化なども積極的に取り入れることで、迅速かつ確実な品質管理を実現しているとのことだ。

正確なラベルかどうかをカメラで判別 正確なラベルかどうかをカメラで判別。人の目でチェックするのと比べ、長時間、確実にラベルの確認ができるという

 ただここで気になるのは、ZTEは現在、キャリア向けのOEMとして端末を提供するだけでなく、自社ブランドでもSIMロックフリー端末を提供しているということ。これら2つの製品の間で、品質管理に違いはあるのだろうか。

 この点についてZTEの品質管理担当者に話を聞いたところ、「基本的な品質管理の工程は同じ」だと話している。ただしキャリア向けの製品は、キャリア独自の品質管理に関する定義が用意されていることから、それに基づいたチェックが必要になるとのこと。工程の違いはあるものの、日本市場に合わせた品質管理が徹底されているという点では、キャリア向けも独自ブランドの製品も大きく変わらないようだ。

 今後も、発表されたばかりのAXON 7をはじめとして、キャリア向けかSIMロックフリーかを問わず、多くのZTE製端末が日本市場に投入されることが予想される。日本ではZTEの知名度がまだ高いとはいえないが、実は長年日本市場に向け端末を提供しており、製造の現場でも日本市場に合わせた品質管理がなされているなど、品質重視の体制をとっていることは覚えておくべきだろう。

取材協力:ZTEジャパン

基本情報から価格比較まで――格安SIMの情報はここでチェック!→「SIM LABO

格安SIM、SIMロックフリースマホのすべてが分かる

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年03月13日 更新
  1. 庵野秀明、GACKT、ひろゆき、ドワンゴ川上らが集結 “カメラのいらないテレビ電話”をうたう新サービス「POPOPO」18日に発表へ (2026年03月11日)
  2. 「iPhone 17e」と「iPhone 17」は何が違う? 3万円の価格差をスペックから検証する (2026年03月10日)
  3. どこでもウユニ塩湖? 3COINSで550円の「スマホ用反射ミラークリップ」を試す (2026年03月12日)
  4. 「Galaxy S26」シリーズはどこが安い? 一括価格と2年間の実質負担額を比較、お得なキャリアはココだ (2026年03月11日)
  5. 「iPad Air(M4)」実機レビュー 「もうProじゃなくてもいい」と思えた性能、だからこそ欲しかったFace ID (2026年03月09日)
  6. Xiaomiからも“デカバ”モデルが登場! 1万mAhバッテリー時代が到来 (2026年03月12日)
  7. ドコモ「ガラケー取扱説明書の掲載を終了します」 3G終了に伴い、事前保存を呼びかけ (2026年03月11日)
  8. 100W出力で急速充電対応「UGREEN USB Type-Cケーブル」が43%オフの743円に (2026年03月12日)
  9. キーボード付きスマホ「Titan 2 Elite」がUnihertzから登場 実機に触れて分かった“絶妙なサイズ感” (2026年03月09日)
  10. サムスンに聞く「Galaxy S26」シリーズ開発秘話 AI機能はさらに賢く、商用化まで5年を要した「プライバシーディスプレイ」 (2026年03月12日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年