9月7日(米国時間)に米カリフォルニア州サンフランシスコで開催されたAppleのスペシャルイベントにおいて「iPhone 7」「iPhone 7 Plus」「Apple Watch Series 2」の3製品が発表され、さらに「Apple Pay」の日本国内参入が表明されている。実際の日本国内でのスタートは10月となるが、本稿では「Apple Pay利用を見込んだiPhone 7のバイヤーズガイド」として、サービス開始前に理解しておきたいことをまとめた。
Apple Payの日本でのサービス開始は冒頭のように10月とされているが、恐らく10月最終週くらいになると見込んでいる。
その理由は2つある。まず、カード発行会社側との諸条件がまだ最終確定していないこと。そして今回のサービスインで目玉となる「Suica」対応について、最終的な機能の調整とテストに時間がかかることが予測されるため。
Appleは日本でのサービスインのタイミングでiOSアップデートを行う予定だが、この配信タイミングが10月24日の週あたりだと考える。Suica機能を利用するための「Suicaアプリ」がどのような形で提供されるかはまだ不明だが、恐らくこのタイミングで利用可能になるだろう。そのため、現在のiPhone 7の予約状況をみるに、カラーによって、特にジェットブラックは最初の1カ月ほどは入手が困難になると予想されるが、慌てず10月後半くらいまでに入手できていれば問題ないだろう。
対応するクレジットカードは、原稿執筆時点でAEON(イオン)、オリコ、クレディセゾン、JCB、トヨタファイナンス、ビューカード、三井住友カード、三菱UFJニコス、UCカードの各カード会社、そしてNTTドコモが発行する「dカード」、KDDIの「au WALLETクレジットカード」、ソフトバンクの「ソフトバンクカード」の各キャリアのクレジットカードとなる。
これらカードはApple Payに登録することで、オンラインやアプリ内での支払い、そして店頭での「(非接触通信による)かざして支払い」に対応する。後者のかざして支払いでは、iDまたはQUICPayのいずれかの決済に対応し、これに対応する店舗であればどこでも利用できる。ただし、どの会社のカードがiDとQUICPayのいずれに対応するかは登録時点で一意に決定されるため、ユーザーが後で選択することはできない。主な対応は下記のようになる。UCカードを除けば、三井住友系のiDとJCB系のQUICPayに主に分かれると考えていいだろう。
注意点としては、支払いで対応可能な国際カードブランドとして「VISA」が含まれていないことが挙げられる。オンラインやアプリ内での決済の場合はAmerican Express、MasterCard、JCBのいずれかのカードブランドを利用することになるが、この場合はApple Payが決済カードとして利用できない点に注意したい。
特に発行時のカードブランドで「MasterCard」と「VISA」のいずれかを選択可能な場合、現時点ではMasterCardで発行したカードしか利用できないため、後ほど説明する「SuicaへのApple Payでのオンラインチャージ」ができない可能性がある。VISA中心でカードを運用しているユーザーは注意したほうがいいだろう。
一方で、店頭での非接触通信による対面決済ではiDまたはQUICPayのネットワークが利用されるため、VISAカードでは決済できないような制限はないと思われる。
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