10月27日(現地時間)、米Appleが新型のMacBook Proを発表した。既報の通り、今回の目玉は新たな入力インタフェースである「Touch Bar」と、電源および周辺機器接続を全てThunderbolt 3(USB-C)コネクターに統一したこと。また広色域かつ視野角の広い新型Retinaディスプレイの搭載や、デザインの薄型・コンパクト化など、その内容はフルモデルチェンジに恥じないものになっている。
そして今回、筆者は米国での取材後すぐに、MacBook Pro 13型(Touch Barなし)を借りていち早く試す機会を得た。まだ極めて短い時間しか使用できていないが、まずはファーストルックとして新型MacBook Proについてレポートしたい。
最初に読者の皆さんに謝罪しなければならないことがある。
今回レポートするMacBook Pro 13型が筆者の手に渡ってからこの記事を書き上げるまで、たった一晩の時間しかなかった。そのため本体の撮影はホテルの自室内で行わざるを得ず、実際の利用も初期設定から基本機能を一通り試す程度のことしかできなかった。また今回、筆者が入手したのは英語版キーボードのMacBook Pro 13型である。そのため日本で多くのユーザーが使う日本語キーボード仕様のMacBook Proとは、キータッチの評価などが変わってしまう可能性がある。そのため今回は、あくまで現地でのファーストルックのレポートであるとお断りしておきたい。
それでは新型MacBook Pro 13型を見てみよう。
箱を開けるとMacBook Proが鎮座しているのは、いつものApple製品の通り。そして本体を取り出すと、「Designed by Apple in California」のメッセージが届くのもセオリーである。同梱されているのは、新しいThunderbolt 3用のACアダプターとThunderbolt 3ケーブル。アダプター部とケーブルは分離しており、接続して使うというのは、一足早くUSB-Cを採用したMacBook 12型と同じである。
なお、新型MacBook Pro 13型のACアダプターは61Wであり、MagSafe 2を採用したMacBook Pro用60Wアダプターとサイズはほぼ同一。同じUSB-Cを使うMacBook 12型用の29Wアダプターよりはひとまわり大きい。
新型MacBook 13型のサイズは304.1(幅)×14.9(高さ)×212.4(奥行き)mm、重量は1.37kgである。このサイズはMacBook Air 13型よりもコンパクトであり、重量は20gほど重いだけ。ただしMacBook Airはパームレストの手前側が薄くなっていくくさび形デザインであるのに対して、MacBook Proは本体奥と手前で厚さが変わらない直線基調のデザインだ。
MacBook Airの軽やかな雰囲気と異なり、MacBook Proは重厚な雰囲気があり、パッと持ち上げた感じでは20g以上の重量差を感じる。他方で、このやもすれば武骨なデザインは「プロの道具」としての頼もしさも感じるだろう。とりわけスペースグレイはとてもシックで“大人な印象”であり、クリエーターだけでなく、一流企業のビジネスパーソンがさり気なく取り出しても様になる。
新型MacBook Proはすっきりとしたデザインが好印象なのだが、その一方で、“すっきりしすぎた”ことで賛否両論が分かれそうなのがThunderbolt 3への統一だ。Touch Barなしの13型モデルは左側に2カ所、Touch Barの搭載されている13型/15型モデルは左右2カ所ずつ合計4カ所のThunderbolt 3ポートが用意されている。
今回、試用したTouch Barなしの13型モデルは左側2カ所のみだが、これだと1カ所にACアダプターを接続すると残りは1カ所のみとなり、ワイヤレス化が進んだ昨今においても少々心もとない。また手持ちのiPhoneを接続するにも、別売りのUSB-C・Lightningのケーブルを買う必要がある。このあたりは周辺機器がそろってくるまでは、「これは先行投資だ」という割り切りをしなければならないかもしれない。
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