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» 2016年11月17日 16時00分 UPDATE

未完の大器と、進化の片りんと――新型MacBook Proに感じる「新時代への期待」 (1/3)

新型MacBook Proの本命である「Touch Bar付き」の出荷が始まる。ノートPC分野におけるAppleの次世代への提案は、実際に使ってみてどうなのか。それを見ていきたい。

[神尾寿,ITmedia]

 初代PowerBook登場から25周年。AppleがノートPC型Macの“1つの区切り”として、MacBook Proのフルモデルチェンジを発表したのは10月27日のことだ。あの初代iMacを投入したAppleらしく、ファンクションキーや旧来の接続インタフェース類を全て捨て去り、次世代への提案としてUSB Type-Cへの一本化やTouch Barを搭載した新型MacBook Proは、Appleによる発表後、賛否両論の物議を醸した。

 そして、新型MacBook Pro発表から半月あまり。いよいよ新型MacBook Proの本命である「Touch Bar付き」の出荷が始まる。筆者はこの新型MacBook Pro Touch Bar付きの13型モデルおよび15型モデルの製品版を、一般向けの出荷に先駆けていち早く試す機会を得た。ノートPC分野におけるAppleの次世代への提案は、実際に使ってみてどうなのか。それを見ていきたい。

MacBook Pro 新型MacBook Pro 13型モデルの魅力は、なんといっても「MacBook Air 13型モデルと同等サイズで、Retinaディスプレイ搭載のMacBook Proであること」。メインマシンでも使えるフルスペックのMacBookが、いつでもどこでも持ち歩けるメリットは大きい

オフィスからモバイルまで大活躍。万能な13型モデル

 ひとえにバランスという面では、新型MacBook Pro 13型モデルは最良の選択だ。と、いきなり結論を出してしまうくらい、13型モデルはよくできている。とりわけビジネスからプライベート利用まで、「全て1台のノートPCで済ませたい」という多くの日本人にとって、新型MacBook Pro 13型モデルのバランスのよさは絶妙だ。

 今回のMacBook Pro 13型モデルのサイズをおさらいすると、サイズは304.1(幅)×14.9(高さ)×212.4(奥行き)mm、重量は1.37kg。このサイズは日本でのMac人気の立役者だったMacBook Air 13型モデルよりもコンパクトであり、重量は20gほど重いだけ。日本の住宅事情やオフィス事情を考えると、机の上に置いても邪魔にならず、近くに書類なども無理なく広げられるサイズだ。

 筆者は今回の新型MacBook Pro試用中に、ちょうど国内出張が入っていたのだが、航空会社ラウンジやホテルのライティングデスクから機内のトレイ、街中のおしゃれなカフェにありがちなささやかなテーブルまで、どこで取り出してもMacBook Pro 13型モデルは無理なく利用できた。

MacBook Pro 新型MacBook Pro 13型モデルのサイズならば、機内のトレイテーブルに取り出して、コーヒーを飲みながら仕事をするのも無理なくできる。特に最近は国内線でも機内Wi-Fiが利用できるようになったので、仕事でMacBook Proを使う人には13型のサイズ感はとても重宝する

 むろん、純粋にサイズの小ささだけを見れば、MacBookの12型モデルという選択肢もあるが、あちらが性能や拡張性を抑えて携行性を上げたモバイル向けのノートPCであるのに対して、新型MacBook Pro 13型モデルはオフィスや自宅でメインマシンとしても十分以上に使える“フルスペックのMac”である。それが外出先から出張先まで、どこにでも持ち出して使える便利さ・安心感はとても大きい。利用シーンを選ばない万能さこそが、新型MacBook Pro 13型モデルの魅力といえる。

 また実際に新型MacBook Pro 13型モデルを使って実感したのが、トラックパッド大型化による恩恵とTaptic Engineの進化である。既報の通り、MacBook Proは今回のフルモデルチェンジにあたり、トラックパッドをこれまでより一気に大型化。現行MacBookシリーズから搭載していたTaptic Engineもさらに最適化された。これがすこぶる使いやすいのだ。

 例えば、飛行機の機内でPower Pointで資料を作る、カフェの小さなテーブルでExcelの大きな帳票を編集するといったシーンで、これまでよりも確実に操作性が向上している。もともとMacBookシリーズはWindowsのノートPCに比べてトラックパッドの操作性が高く、「ノートPCとは別にマウスを用意しないと使いづらい」といったことはあまりなかったのだが、新型MacBook Proの大型化したトラックパッドでは、それがさらに向上している。

 Taptic Engineの最適化も進化しており、トラックパッドのどこで操作しても的確な反応が得られて、OSから各種アプリケーションまで正確な操作が可能だ。写真や映像編集など、精緻な操作が求められる場面でも、新型MacBook Proのトラックパッドなら無理なく行えるだろう。「狭い場所でノートPCを広げても、トラックパッドでストレスなく作業ができる」というのは、地味だがとても重要なポイントだ。

 Touch Barとあわせて投入された指紋認証システム「Touch ID」も、モバイル用途では予想以上に便利である。

 外出先や出張先でのログインがTouch IDに触れるだけで済むので、パスワード入力を見られる不安がない。さらにビジネスシーンでは、打ち合わせや会議の席上で「ノートPCを取り出して、相手に画面を見せて説明する」といったことが多々あるが、ここでいちいちパスワード入力を見せずに、サッと指紋認証だけでログインできるのは、便利であるし、とてもスマートだ。

 なお、このTouch IDはmacOS版Apple Payとも連動している。最初のセットアップ時にクレジットカードを登録しておくと、Apple Payに対応したECサイトでは指紋認証だけで決済が可能だ。現時点ではmacOS版Apple Payへの対応はiOS版ほど広がっていないが、今後対応が広がれば、ECサイトを簡単かつ安心して利用できるようになるだろう。

MacBook Pro Touch IDによるログイン機能は、使ってみると予想以上に便利で活躍する場面が多い。認証はとても素早くスマートだ

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