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» 2016年11月29日 06時00分 UPDATE

5分で知る最近のモバイルデータ通信事情:大容量プランだけで大丈夫? ドコモの「ウルトラシェアパック50」だけでなるべくやり過ごした結果

普段は「WiMAX 2+」を含む複数キャリアの回線を併用している筆者。そこに現れた大手キャリアの大容量プラン。外出先で使う通信回線を減らすに足るものなのか、実際にNTTドコモの「ウルトラシェアパック50」を契約した上で、WiMAX 2+ルーターを極力使わずにひと月を過ごしてみました。

[島田純,ITmedia]

ドコモの「ウルトラシェアパック50」を契約してみる

 大手キャリア(MNO)が相次いで発表した大容量のデータ通信プラン。筆者はこのプランを契約した上で、いくつかのモバイルルーター(データ通信専用契約)を解約しようと検討しています。

 そこでひとまず、NTTドコモで契約している「シェアパック5」(月間の高速通信容量:5GB)を「ウルトラシェアパック50」(月間の高速通信容量:50GB)に変更し、極力これだけで11月中のデータ通信をまかなってみることにしました。

 「極力」としているのは、旅行や出張時の外泊先では固定回線代わりに「WiMAX 2+」対応のモバイルルーターを使ったこと、大手キャリアの公衆無線LAN(Wi-Fi)サービスが使える場合はそれを使ったことと、仕事上のテストとしてMVNO(仮想移動体通信事業者)のSIMカードを使ったためです。

 ドコモのウルトラシェアパック50は、データ通信回線を削減しようとしている筆者の思惑に合致するのでしょうか……?

HW-01H ウルトラシェアパック50は、主に「Wi-Fi STATION HW-01H」(写真)で利用した。そのほか、筆者のスマホでも使っている

高速データ通信をより広いエリアで使える快適さ

 筆者は、主に東京の都心部で活動しています。都心部であれば、通信が途切れず使える――というイメージがあるかもしれませんが、普段多用しているWiMAX 2+では、地下鉄・地下街での移動中に圏外になったり、電波強度が弱くなって通信速度が落ちてしまったりすることが多くあります。「いつでもどこでも高速な」データ通信が利用できる状況ではないのです。

WiMAX 2+は、都心部でも地下鉄・地下街に弱い WiMAX 2+は、都心部でも地下鉄・地下街に弱い傾向にある

 これに対して、ドコモのXi(LTE)ネットワークは、エリアについて心配する必要はほぼ皆無です。地下鉄・地下街の移動中はもちろん、郊外でも、圏外になったり電波が弱くなって通信速度が極端に遅くなったりすることは最近の筆者の経験ではほとんどありません。

 「いつでもどこでも高速」なデータ通信が利用できるのは、WiMAX 2+対応のモバイルWi-Fiルータを回線として使うのに比べて大きなアドバンテージであるといえます。

 電波の心配をしなくてもよいということは、心理面でのメリットもあります。

 筆者は、移動中にノートPCで作業をすることが多いです。そのため、モバイルルーターも移動中に使うことが多くなります。先述の通り、WiMAX 2+ルーターは地下鉄・地下街に弱いため、作業中に「あれ? データが思うようにやりとりできないぞ?」となることも多いのです。

 多くのルーターはスマホ・タブレット向けのユーティリティアプリは用意していますが、PC向けには用意していないことがほとんどです。データがやりとりできなくなったら、ルーター本体かユーティリティアプリを入れたスマホを取り出して状況確認、あるいはPCから設定Webを開いてチェックすることになりますが、あれこれしているうちに、本来しようとしていた作業内容を忘れてしまい、効率低下を招くことが多かったのです。

WiMAX 2+ルーター「W03」のステータス確認アプリ WiMAX 2+ルーター「W03」のステータス確認アプリ。スマホ・タブレット向けのアプリはあるものの、PC/Mac用のアプリはない

 こうした理由もあって、ウルトラシェアパック50を試す前は、移動中にMVNO回線を利用する機会が多かったのですが、ウルトラシェアパック50を契約した11月に関しては、エリアと速度の両面においてストレスフリーなデータ通信ができました。

できないことはほとんどない

 筆者の場合、スマホ・デジタルカメラなどで撮影した写真・動画を「Dropbox」や「Googleフォト」へアップロード・同期するための通信がデータ通信の一番多くを占めています。現在メインのスマホとして活用している「Galaxy S7 edge SC-02H」の通信量を確認してみると、両サービスのアプリが約1カ月の間に無線LAN経由でやりとりしたデータ量はそれぞれ10GB前後でした。

「Galaxy S7 edge SC-02H」の無線AN経由データ通信量 筆者のメインスマホ「Galaxy S7 edge SC-02H」における、無線LAN経由の通信量。写真や動画のアップロードに使っている「Dropbox」「Googleフォト」の通信量が大きくなっている

 データ量が大きくなりがちな写真や動画のアップロード。それをモバイル通信回線で行う必要があるかと言われると、筆者の使い方では「大量の写真・動画を直ちにクラウドにアップロードする必要性」はあまりありません。大量に撮影した画像の中から必要に応じてクラウドにアップロードして、PCなど他のデバイスで後で参照できるようになれば十分で、家などの固定回線でやれば本来的には十分なのです。

 しかし、月間容量無制限なWiMAX 2+ルーターを常用していると、何となく「使わないのはもったいない」という意識になってしまうため、ルーター経由でどんどんアップロードするだけにとどまらず、ノートPCにそのデータをダウンロードするなど、データ量だけではなくバッテリーも必要以上に消費していたように感じます。

 「もったいない」という意味では、WiMAX 2+ルーターを介して「Amazon プライム・ビデオ」のHD動画を複数本、ノートPCで見たこともありました。この時は、わずか数日で通信量が15GBを超えてしまいました。もしも、今回の試みで同じようなことをしていたら、50GBのデータ通信量が、1カ月を待たずに“足りなく”なってしまいます。

長時間の高画質動画視聴で通信量は一気にふくれあがる 長時間の高画質動画視聴で通信量は一気にふくれあがる

 ですが、動画をたくさん見るような使い方さえしなければ、筆者の現状の使い方ではキャリアの大容量プラン(月間20GB以上)なら特に無理なく使えそうだ、ということが分かりました。

「docomo Wi-Fi」も活用しよう

 出張中・旅行中の通信手段として、普段はWiMAX 2+ルーターのほかにキャリアが提供する公衆無線LANサービスも活用しています。ドコモであれば「docomo Wi-Fi」がそれに該当します。

 各キャリアの公衆無線LANサービスは、過去に“スポット(アクセスポイント)数”を競っていた時期があり、モバイル回線をバックボーンとする低速なスポットも少なくありません。

 しかし、docomo Wi-Fiは前身のサービス「Mzone」において光回線をバックボーンとするスポットを多く整備してきたこともあり、通信速度の出やすいスポットの割合が他キャリアよりも体感的に高めです。ドコモショップはもちろん、「スターバックス」「モスバーガー」といった全国展開しているカフェ・飲食店も広くエリア化しているので、消費する通信量を節約しつつ、快適な通信を行うのにはピッタリです。

docomo Wi-Fiのロゴ 「docomo Wi-Fi」は、高速に通信できるスポットが比較的多い

意外と余った通信量

 11月1日から11月25日までのデータ通信量を確認してみると、メインスマホ(SC-02H)の通信量が約3GB、モバイルルーター(HW-01H)の通信量が約4.2GBで、合わせて約7.2GBとなりました。少なくとも、ドコモ回線のデータ通信量は月間10GB程度のデータ通信量で賄える範囲で収まりそうです。

25日間の通信量 25日間の通信量は、スマホで約3GB、ルーターで約4.2GB

 もともとはシェアパック5を契約していたので、ドコモ回線は常に月間5GBの範囲内で収まるようにデータ通信していました。ウルトラシェアパック50に変えて、容量に配慮せずに使ってみたわけですが、データ通信量は意外と増加しませんでした。

 この結果から考えると、筆者の使い方では、ノートPCを使った作業やスマホ・デジタルカメラで撮影した写真・動画の同期などの用途を除けば、「移動しながら利用する」という意味で必要なモバイルデータ通信量は、それほど大きくはないことが分かりました。

 このままの計算で行くと、11月分のデータ容量は相当あまることになります。12月は旅行・出張時の「固定回線代わりのWiMAX2+」も、ドコモのウルトラシェアパック50で代替することを検討したいと思います。

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