Samsung Electronicsは1月23日、「Galaxy Note7」のバッテリー発火問題の調査結果を発表した。
2016年8月に発売されたGalaxy Note7は、バッテリーが発火・爆発する事故が起き、10月に販売停止となった。日本でもドコモとKDDIが冬モデルとして発売する予定だったが、発売中止になった経緯がある。
同社は23日に韓国ソウルでカンファレンスを開き、Samsung Electronics モバイルビジネスコミュニケーションのプレジデントであるDJコー氏が詳細を説明した。
SamsungはGalaxy Note7の発火問題を受けて、バッテリー、本体、ソフト、物流といったさまざまな面から調査。700人のエンジニアが、20万台の端末と3万個のバッテリーを調べた。調査内容は充電と放電を繰り返す、急速充電のオンとオフを繰り返す、背面カバーのあり/なしで充電をする、といったもの。また虹彩認証、USB Type-C、サードパーティーのアプリなどの影響も調べた。自社での調査に加え、UL、Exponent、TUV Rheinlandの3つの研究機関にも発火原因の調査を依頼した。
これら調査の結果、本体、ソフト、物流の影響はなく、バッテリーそのものに発火の原因があることが判明した。
Galaxy Note7では、1回目のリコールまでと、2回目のリコールまでに異なるメーカーのバッテリーを使用しているが、それぞれで異なる発火原因が見られた。
1回目のリコールまでに使われていた「バッテリーA」については、バッテリー右上の負極がゆがんだことを主因に挙げ、もう1つの原因として負極のチップが平面に位置しておらず、誤ってカーブしていることを挙げている。
2回目のリコールまでに使われていた「バッテリーB」については、正極で溶接がうまくできていないことで絶縁テープと(正極と負極を絶縁する)セパレーターが破損し、正極の端子と負極が触れることを主因に挙げた。もう1つの原因として、いくつかのバッテリーには絶縁テープが貼られていなかったことを挙げている。
Galaxy Note7の発火問題を受け、Samsung Electronicsは、バッテリーの安全性を高める取り組みを導入し、8つの検証を行う。検証には耐久テスト、エックス線での検査、分解、放電/充電テスト、実際の利用シーンに即したテストなどが含まれる。
バッテリーのデザインや、スマートフォン本体のデザイン・素材・耐久性や、充電時の温度にも関連するソフトウェアアルゴリズムなどの安全性も検証する。また、専門家を招いたグループも形成し、外部からの意見も取り入れていく。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.