ラトックシステムは7月16日、同社の新製品を紹介する報道関係者向けの内覧会を実施した。会場には同日発表された「REX-USBDVI2」をはじめ、ディスプレイメーカー各社によるREX-USBDVI2を使った用途提案や、次世代USB規格のUSB 3.0に対応したインタフェースカードのデモなどが行われていた。
DVI-I出力に対応したUSB接続のディスプレイアダプタ「REX-USBDVI2」は「REX-USBDVI」の後継製品で、英DisplayLink製の内蔵コントローラが従来のDL-160からDL-195に変わり、新たにフルHD(1920×1080ドット)/WUXGA(1920×1200ドット)解像度をサポートしたのが最大の特徴だ(Windowsは最大2048×1152ドット)。筐体は従来のアルミ製から樹脂製に変更されているが、これはチップの発熱量が下がったため(同社)という。また、本体サイズが約45(幅)×75(奥行き)×20(高さ)ミリと小型化し、重量は41グラムと従来モデルから89グラムも軽量化された。一方、付属の独自ユーティリティにより、マルチディスプレイの動作や縦画面、ディスプレイごとの壁紙、指定のディスプレイにポインタを移動するショートカットの設定など、多彩な機能を利用できる点は踏襲している。
出力インタフェースはDVI-Iで、別売のアダプタによりHDMI出力にも対応する(HDCPコンテンツの再生を除く)。1台のPCにつきREX-USBDVI2を6台まで接続でき、REX-USBDVIとの混在も可能だ(ただしNVIDIA製グラフィックスカードを搭載するPCは動作保証が最大4台まで)。対応OSはWindows 2000 Professional(SP4以降)/XP(SP2以降)/Vista 32ビット版、Mac OS X 10.4.11/10.5.2以降。なお、Windows 7にも対応予定としており、すでにDisplayLinkのWebサイトではWindows 7用のβ版ドライバが公開されている。
会場ではREX-USBDVI2とワイヤレスUSB機器(REX-WUSB2)を使った転送デモが行われており、ノートPCで出力した画面が無線でディスプレイに表示されていた。ただ、ワイヤレスUSBハブとクライアントカードの距離は1メートルほどしかなかったものの、直接REX-USBDVI2を接続する場合に比べて、1920×1080ドット表示ではマウスポインタの追従がやや遅れる印象を受けた(同社によればデモで使われているワイヤレスUSBの実効速度は、約1メートルの距離で8Mバイト/秒程度になるという)。
このほか、ナナオ、三菱電機、ベンキュージャパンのブースでは、各社のフルHD液晶ディスプレイが展示され、ノートPCの出力をREX-USBDVI2経由でディスプレイに表示し、CADソフトや動画の超解像表示、ビデオ編集を行うなど、さまざまな用途提案が行われていた。もっとも、CPUにTurion X2 Ultra ZM-84(2.3GHz)を採用したノートPCのCPU占有率を見ると、REX-USBDVI2を接続した場合は10%以下から一気に80%付近まで跳ね上がっており、従来同様に圧縮処理でCPUを酷使していることが分かる。スペックの低いPCではフルHDで出力してさらに動画編集などを行うのは厳しそうだ。
REX-USBDVI2の実売価格は1万1000円前後で、7月下旬より出荷される予定だ。
内覧会ではUSB 3.0に対応したホストアダプタも披露された。今回展示されていたのは、PCI Express x1タイプの「REX-PEU3」とExpressCard /34タイプの「REX-EXU3」で、ともにUSB 3.0対応ポートを2基搭載する。コントローラチップはNECエレクトロニクスのuPD720200だ。デモ機ではSerial ATA接続のインテル製SSDを富士通製のSerial ATA−USB 3.0変換ボードを通して転送速度を測っており、CrystalDiskMark 2.2の実測値で200Mバイト/秒前後の値が出ていた(PCI Express x16のGeneration 2接続時。Gen1では半分の100Mバイト/秒前後)。なお、バスパワーで駆動するUSB 3.0デバイスを利用する場合、ExpressCard/34タイプは付属のACアダプタを接続する必要がある。
投入時期はともに10月〜11月を予定しており、1万円を切る価格帯を目指しているという。また、年末までには、USB 3.0対応ストレージとして、Blu-ray Discドライブなどを格納できる5インチリムーバブルケースや、3.5インチHDDエンクロージャなども投入予定としている。
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