Windows 7はどれだけ“速い”のか!?――VAIO P、ThinkPad T、自作PCでテストしたWindows 7 交響曲(4/4 ページ)

» 2009年12月02日 18時00分 公開
[織田薫,ITmedia]
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Windowsエクスペリエンスインデックスのスコア

 VistaとWindows 7に標準搭載されている性能評価機能であるWindowsエクスペリエンスインデックスのスコアもチェックした。

VAIO Pのスコア。左がVista、右がWindows 7

ThinkPad T61のスコア。左がVista、中央が32ビット版Windows 7、右が64ビット版Windows 7

自作機のスコア。左がVista、右がWindows 7

 スコアでおもしろいのは、VistaとWindows 7で異なる値が出るものと、同じ値が出るものがあることだ。プライマリHDDは同じ値が出たが、グラフィックスとゲーム用グラフィックスは、Windows 7のほうが低い値が出る傾向にある。プロセッサとメモリ(RAM)は、利用しているシステムにより、Vistaのほうが高くなったり、Windows 7のほうが高くなったりするようだ。

 Core 2 Duo搭載のThinkPad T61はWindows 7のほうが値が高いが、VAIO Pと自作機の場合はVistaのほうが高い。OSが必要とする機能や速度が異なるためだと思うが、比較的新しい世代で高性能なCPUでは、Windows 7のエクスペリエンスインデックスが上昇するのは興味深い。なお、Windows 7の32ビット版と64ビット版の値はまったく同じになった。

結局、Windows 7は速いのか?

 以上、Windowsの基本動作を中心に速度面の比較を行った。ただし、実際のユーザービリティはテストの数値だけで分からない部分がある。筆者の場合、メニューをクリックしたときに出てくるのが遅かったり、ファイルを右クリックしたときに、マウスのアイコンがビジー状態になってしまうなど、ちょっとした動作がもたつくとストレスを感じてしまう。また、複数のアプリケーションを併用していて、切り替えがスムーズに行われないのもイライラする原因だ。

 最後に主観となるが、いろいろと環境を変えながらテストした印象を述べておきたい。操作していて一番軽いと感じたのは、やはりXPだった。VistaはXPと比べると、何かをするときに一呼吸おいて動く感じがするのは否めない。パフォーマンスが高いPCでは不満のない速度で動くため、Vistaで強化された機能が生きてくるのだが、VAIO Pのように非力なマシンではVistaの遅さが便利さより目立つこともままある。

 Windows 7はXPよりは遅く感じるが、Vistaほどのもたつきを感じさせない。メインPCでは普段使用するアプリケーションの対応状況など、速度面以外の要素も関係してくるだろうが、持ち歩いて使うPCに入れるのであれば、筆者はWindows 7を使いたい。モバイルではスリープ/スタンバイと復帰を繰り返すことが多いので、ここが速いと快適さが違ってくる。また、Windows 7はXPよりセキュリティや電力管理機能が強化されているのも、モバイルシーンでは有効に働くだろう。

 記事の冒頭では、VAIO PにインストールするOSで悩んでいると書いたが、3つのOSを比較した結果、今ではWindows 7をメインで使っている。確かにXPのほうがキビキビ動くのだが、Vistaのよさを継承しつつ、新機能も加えたWindows 7は魅力的で、ストレスを感じない速度で常用できるのはうれしい。

 VAIO PでWindows 7を快適に利用するためのチューニングは少しだけ行っているが、特別なことはしていない。ソニーはパフォーマンスが低下するため推奨していないが、Windows Aeroを有効にすることもできるので、筆者は有効にした状態でも使用している。現状でチューニングを行ったのは、電源プランにおけるプロセッサの電源管理で、最小のプロセッサ状態を100%(AC電源接続時のみ)に設定し、システムのプロパティの「詳細設定」タブにあるパフォーマンスの項目で視覚効果を減らしたことぐらいだ。

 プロセッサの電源管理の設定では、CPU周波数を動的に変更するレベルを制御できる。遅いCPUを搭載している場合、アイドル時にCPU周波数が下がった後、復帰するまでに行う処理が非常に遅くなる印象があるので、ACアダプタ接続時のみ100%で動作するように設定を変更した。

 筆者のVAIO PはAtom Z520(1.33GHz)搭載の標準仕様モデルで、WebでFlashを再生するだけでもCPU使用率がかなり上がってしまうため、常に100%にしたからといって劇的に速度が向上するわけではないが、視覚効果を減らしたことともあり、全体的なもたつき感は少し軽減できたようだ。

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