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» 2010年10月06日 18時42分 UPDATE

インドの工場では太陽がお湯を沸かします:開発部門も前向きに取り組むインテルの「環境活動」

インテルの環境活動を統括するエコ・テクノロジー本部の責任者が来日し、“地球に優しい”同社の取り組みについて紹介した。

[長浜和也,ITmedia]

インドの工場では太陽エネルギーでお湯が沸く

 インテルはCPUの開発と生産で世界有数のトップ企業だけあって、その活動には大きな環境負荷が発生する。それは、インテルが生産するあらゆるチップに関していえることだ。しかも、環境負荷は生産拠点である工場や、開発拠点である研究所だけにとどまらない。生産拠点を持たない日本でさえ、営業活動や広報プロモーション活動で、少なからず、環境負荷を発生させている。

 大きな組織によってビジネスを動かしているインテルは、グローバル規模で環境負荷を減らす取り組みをおこなっている。その活動の中枢となるのが同社のエコ・テクノロジー本部だ。その本部長のローリー・ワイグル氏が10月6日に来日して、インテルがおこなっている環境活動の内容と実績を紹介した。

 インテルは「気候フットプリント」(自分たちの活動で排出される温暖化ガスの総量)削減計画の最優先行動として、再生可能エネルギーの利用をおこなっている。その1つの柱が「グリーン電力の購入」で、2008年には1年間で13億キロワットアワーの再生可能エネルギー証書を購入している。ワイグル氏は、インテルによるグリーン電力の大量購入が、グリーン電力市場を活性化すると述べる。

 もう1つの柱は「代替エネルギーの導入」で、すでに複数のインテル拠点にソーラーパワーシステムを導入しているが、2010年1月に米国の4つの州で8基のソーラーパワーシステムの導入計画を発表し、2010年中に280万ワットが生成される予定になっている。

環境目標は計画を前倒しして達成

 インテルでは、温室効果ガスの削減数値目標として、1チップあたりの生産に発生する温室効果ガスの排出量を2004年から2010年の間に30%削減すると設定しているが、すでに2009年の時点で40%以上の削減を実現したという。そのため、新しい数値目標として業務で発生する温室ガス排出量を、2008年から2012年にかけて20%削減設定したが、こちらも、2007年から2009年にかけてすでに45%以上の削減を達成した。

 ワイグル氏は、インテルが新規に拠点を新設する場合、環境負荷を軽減するために、着工前から「環境評価設計」の原則を取り入れると説明する。米国のグリーンビルディング協議会では、建築物の設計、建設、運営、保守の各段階で環境負荷を測定する枠組みとして「Leadership in Energy and Environmental Design」(LEED)認証システムを設定しているが、インテルが2010年に立ち上げたイスラエルのインテル・デザインセンターや、改修したマレーシアの工場でLEED認証を取得した。ワイグル氏は、Intelが今後おこなう拠点施設の再設計で、LEEDの取得基準やIntel独自のエネルギー保護目標を取り入れるとしている。

 ワイグル氏は、水の保全活動にも言及した。この活動では、製造過程における水利用を最小限に抑えるとともに、水使用量の削減、リサイクル、再生のプロジェクトに投資する。その実績としては、1998年からこの活動に1億ドル以上の投資を実施し、360億ガロン以上の水を節約し、2009年には20億ガロンの再生を実現したと説明した。

 その一方で、水使用量はインテル全体で3%、1チップあたりの生産活動では38%も増加したという。この原因としてワイグル氏は、製造過程が複雑になったことを挙げている。この過程においても、2012年までに水使用量を2007年のレベルに抑制する目標を掲げる。

 生産活動における廃棄物の削減と再利用は、多くのメーカーが訴求する項目だが、インテルでも、製造過程で化学廃棄物の発生を抑制し、発生した廃棄物の再利用を進めている。この結果、2008年には化学廃棄物の84%、固形廃棄物の88%を再利用できたという。

 消費する電力の削減も温室効果ガスの抑制に貢献する。当然インテルも力を入れており、2001年から3500万ドルを超える投資をおこなっており、実績としては6億4000万キロワットアワーの削減に成功している。コストに置き換えると年間1800万ドルの節約につながるという。

開発部隊も前向きに取り組む

 インテルのチップを搭載した製品を、多くのユーザーが使うことによる環境負荷という視点では、同社が開発する製品の消費電力や使用する素材も大きく影響する。プロセスルールの微細化などによる消費電力の削減は、ユーザーの消費電力を抑制するのに大きく貢献しており、その実例として、2006年以降にCoreマイクロアーキテクチャのCPUに移行したことで、最大26兆ワットアワーの電力が節約されたとワイゼル氏は評価している。

 インテルでは、CPUなどの開発活動においても同じ電力消費でパフォーマンスを向上させる環境目標を設定している。この目標は開発チームが主体となって設定するが、エコ・テクノロジー本部としても、よりTDPが少ない製品を開発するように進言することがあるそうだ。ワイゼル氏によると、開発部門の責任者たちと環境目標ついて意見を交換しているが、彼らもその実現に前向きに取り組んでいるという。ただ、限られた開発スケジュールの中で、製品としての性能と環境目標を実現するのは困難を伴い、そのバランスをとるのが大変難しいことも明らかにしている。

kn_intelenv_01.jpg Intel エコ・テクノロジー本部 本部長のローリー・ワイグル氏。開発部門のトップにも環境負荷の軽減について意見を交換するという。「ムーリー・エデンも環境については前向きに取り組んでいますよ」

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