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» 2011年02月18日 12時35分 UPDATE

イマドキのイタモノ:「Zacate」は“いい”mini-ITXマザーボードになれるのか (1/4)

Fusionの省電力モデル“Zacate”ことAMD Eシリーズを搭載するマザーボードが市場に登場してきている。その多くはmini-ITXだが、その性能はどうなのか?

[石川ひさよし,ITmedia]

mini-ITXマザーボードに搭載されるTDP18ワットのZacate

 Fusionは、AMDがATIを買収した以降に提唱してきたCPUとGPUをシングルダイに統合した「APU」だ。同じパッケージにグラフィックスコアを収容するx86系CPUとしては、インテルの“Clarkdale”に先行され、シングルダイに収容したx86系CPUとしては、やはりインテルの“Sandy Bridge”に先行されてしまったが、Fusion APUに統合されているグラフィックスコアは、Radeon HD 6000世代で、DirectX 11に対応する点でSandy Bridgeのグラフィックスコア(Intel HD Graphics 3000、同 2000)の一歩前をいく。

 そのFusion APUで省電力タイプとして投入された“Zacate”ことEシリーズは、「Bobcat」コアを用いたモデルだ。TDPは18ワット。チップサイズは19平方ミリとなる。CPUは第10世代のコアがベースで、低電圧モデルという意味では“Regor”コアに近いが、1次キャッシュメモリと2次キャッシュメモリの構成が異なる。ラインアップには「E-350」「E-240」が用意され、E-350は動作クロック1.6GHzでデュアルコア、E-240は動作クロック1.5GHzでシングルコアだ。2次キャッシュメモリのサイズは、ともに1コアあたり512Kバイトを内蔵する。

 グラフィックコアはRadeon HD 6310で、DirectX 11に対応してHDビデオ再生支援と高画質化をハードウェアで行うUVD3を実装する。メモリコントローラはDDR3-800/1066(シングルチャネル)に対応し、標準の1.5ボルト DIMMのほか、低電圧DIMMもサポートする。なお、グラフィックスコアが統合されたことで、グラフィックスコアとメモリの間が高速なバスで接続された。このおかげで、グラフィックスの処理が高速バスを使ったAPUの内部で完結することになった。

型番 Athlon II X2 250u Athlon II X2 240e Turion II Neo K625 E-350 E-240
コードネーム Regor Regor Regor? Zacate Zacate
リビジョン C2 C2 C3 B0 B0
コア数 2 2 2 2 1
スレッド数 2 2 2 2 1
動作周波数 1.6GHz 2.8GHz 1.5GHz 1.6GHz 1.5GHz
L1キャッシュ (64KB+64KB)×2 (64KB+64KB)×2 (64KB+64KB)×2 (32KB+32KB)×2 32KB+32KB
L2キャッシュ 1024KB×2 1024KB×2 1024KB×2 512KB×2 512KB
UMI帯域幅 - - - x4 x4
製造プロセス 45ナノ 45ナノ 45ナノ 40ナノ 40ナノ
TDP 25ワット 45ワット 15ワット 18ワット 18ワット
VID最小 0.85ボルト N/A N/A 1.25ボルト 1.175ボルト
VID最大 1.15ボルト N/A N/A 1.35ボルト 1.35ボルト
DDR3メモリ 1066MHz 1066MHz 800MHz 1066MHz 1066MHz
メモリチャネル数 2 2 2 1 1
グラフィックス - - - Radeon HD 6310 Radeon HD 6310
コア周波数 - - - 492 N/A
DirectX - - - 11 11
ビデオ再生支援 - - - UVD3 UVD3
PCI Express - - - x4 N/A
MaxTemps 81度 72度 N/A 90度 90度
ソケット AM3 AM3 S1 FT1 BGA FT1 BGA

kn_e350_24.jpgkn_e350_25.jpg Fusion APUではグラフィックスコアとメモリの間が高速な内部バスで接続される(写真=左)。また、従来はそれぞれ独立していたチップが1つに統合されたことで、実装面積と消費電力それぞれでメリットを生む(写真=右)

 グラフィックスコアの統合により、これまでノースブリッジとサウスブリッジに分かれていたチップセットも1チップになる。Eシリーズと組み合わせるチップセットは開発コード名“Hudson M1 FCH”こと「AMD A50M」だ。FCHは“Fusion Controller Hub”の略。プロセスルールはCPU側から見れば1世代前の65ナノメートルだが、チップサイズは23平方ミリと小さく、消費電力も2.7〜4.7ワットという。

 Fusion APUとは「UMI」(Unified Media Interface)と呼ぶPCI Express x4ベースのバスで接続する。AMD A50MはPCI Express Gen2 x1レーンを最大4本サポートするほか、6基のSerial ATA 6Gbpsが利用できる。なお、EシリーズAPUとHudson M1 FCHで構成されるプラットフォームは開発コード名「Brazos」という。本来なら、CPUとGPUに言及する場合はZacate、プラットフォーム全体に言及する場合はBrazosと呼ぶのが正しいが、このレビューでは、混乱を避けるために、搭載しているAPUの「E-350」でそろえているので、注意していただきたい。

kn_e350_26.jpgkn_e350_27.jpg Fusion APUで“Zacate”こと「E-350」(写真=左)とAMD A50Mチップセット(写真=右)

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