このほか、USB機器をネットワーク経由で共有できる「net.USB」や別途HDDを接続して活用する「バックアップ」機能、未使用時は省電力モードで動作する機能なども実装する。net.USB機能の詳細はこちらで検証しているので参照願いたい。
本機のUSB Standard-Aポートは上記net.USB機能のほかに、クイックコピー、スケジュールバックアップ、いずれかの動作モードで使用できる。クイックコピーはUSBマスストレージ機器(USBメモリやメモリカードリーダーなど)を接続するとそこからデータ吸い出してNASの指定フォルダへ保存してくれる機能、スケジュールバックアップは接続したUSB外付けHDDへNAS内のデータを定期的にバックアップコピーする機能だ。
また、同社が無償公開するバックアップソフト「Sync with」などを活用し、PCとNASの任意フォルダを定期的に同期するのも便利な使い方の1つだ。PCの作業データをバックアップするリスク回避としての目的以外に、NASのデータを常に最新状態で維持するよう管理することで、例えば家や会社のデスクトップPCとモバイル利用時のノートPC、いずれのPCでどのネットワーク環境でも最新状態のファイルを参照して作業できる環境を構築できる。モバイルオフィス環境や在宅勤務での利用シーンに応用できるだろう。
HDL-CEシリーズは、USB接続の外付けHDDに対するNASのメリットをほぼそのままに、PCライトユーザーでも容易に導入できるよう工夫しつつ、出先で使うスマートデバイスやPCでも活用できるリモートアクセス機能をそこそこ安価な価格帯で実現した点が購買ポイントだ。
昨今はクラウドストレージサービスも数多く存在し、すでに利用している人は多いと思うが、数百Gバイト以上の容量を使用できるサービス/プランとなるとなかなか高額になる。この点で、モバイルノートPCをバリバリ活用する中級者以上のPCユーザーにとっても、スマートフォンやタブレットデバイスを使いこなすユーザーにとっても、テラバイトクラスの大容量自宅クラウドストレージをそこそこ低価格で、ラクに構築できるのは大変喜ばしい。
この機能で、普通の外付けHDDのプラス数千円程度なら意外に安いかも──。そう感じたのであればおそらくお得な買い物になるはずだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.