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» 2011年12月27日 18時45分 UPDATE

2011年末プリンタ徹底検証:ブラザー「MyMio DCP-J925N」は、本当に“第3の選択肢”なのか? (1/5)

「MyMio DCP-J925N」は、ブラザーの家庭向けインクジェット複合機で主力となるモデルだ。コンパクトボディに自動両面印刷やADFを詰め込みつつ、お手ごろ価格を実現している。

[榊信康(撮影:矢野渉),ITmedia]

いよいよプリンタの本分に注力してきたブラザー

tm_1112_mymio_01.jpg ブラザー「MyMio DCP-J925N」

 ブラザーの家庭向けインクジェットプリンタ「MyMio(マイミーオ)」シリーズは、2010年までFAX搭載の複合機をメインに据えてきた。キヤノン、エプソン、HPなどのメーカーがPC周辺機器として複合機を進化させてきたのに対し、他社があまり手をつけていないFAXや電話の機能に力を入れ、生活家電的な複合機のアプローチをしてきたのだ。実際、この差別化は成功し、MyMioはファミリー層を中心に受け入れられてきた。

 しかし、2011年のブラザーはこれまでと一味違う。ラインアップの中でFAX機能がない機種を中心に大幅な強化を行い、売れ筋機種として投入。新型のプリントエンジンを搭載するとともに、各種機能を拡充し、「プリンターに第3の選択肢。ブラザー。」と挑戦的なキャッチコピーを付けて売り出すなど、思い切った戦略に出た。

 このコピーはもちろん、個人向けインクジェットプリンタ市場でシェアを大きく2分するキヤノンとエプソンを強く意識したもので、この2社にスタンダードなプリンタ/複合機として食い込んでいこうという決意がうかがい知れる。

 2011年9月に発表されたMyMioの新ラインアップにおいて、FAX機能がないモデルは「DCP-J925N」と「DCP-J525N」の2台だ。数としては多くないが、これまでFAX搭載機のみだった“900番台”をFAXなしモデルに用意し、従来と違うアップグレードであることをアピールしている。

 今回は同社イチオシの上位機であるDCP-J925Nを入手した。MyMioではハイエンドに位置する複合機だが、実売価格は大手量販店で1万5000円前後まで値下がりしていることに注目したい(発売当初は2万5000円前後)。低価格でどこまでの性能と機能が手に入るのか、じっくりチェックしていこう。


フットプリントが小さいコンパクトボディ

tm_1112_mymio_02.jpg ブラックで統一されたボディ。写真はADFの給紙部と排紙トレイを開いたところ

 緩やかな曲線に包まれたボディは、天面を光沢ブラック、側面をマットブラックで仕上げており、それなりに重厚感がある。未使用時はADFが完全に隠れて見た目のノイズにならないほか、よく見ると、天面にはドットパターンと植物の模様が描かれており、なかなか凝ったデザインだ。ただし、ほかの光沢仕上げの製品と同様、指紋やホコリは付着しやすい。

 本体サイズは405(幅)×378(奥行き)×180(高さ)ミリ、重量は約9.3キロだ。薄型複合機として名をはせたころに比べると厚みが増したが、機能は大幅に増えているので無理もない。それでも、複合機としては小柄だ。他社の売れ筋モデルに比べて、インク数が少ないこともあるが、フットプリントが小さく、特に横幅を取らないのはありがたい。

 背面や側面には突起部などもないので、公称値がそのまま設置面積と思ってよいだろう。後部に給紙トレイはなく、直付けの電源ケーブルは左側面に配置され、USBや有線LANのコネクタも本体の内部にあり、後ろに出っ張らないため、設置の際に背面のスペースを気にする必要はない(Blu-ray/DVD/CDレーベル印刷時には、背後に10センチ以上のスペースが必要だが)。前面については、排紙トレイが140ミリほど手前に伸びる。

tm_1112_mymio_03.jpgtm_1112_mymio_04.jpgtm_1112_mymio_05.jpg 左からボディの前面、背面、側面。使用時は前方に排紙トレイが伸びるが、専有面積は大きく変わらない

自動両面印刷とADFを標準搭載

 前面の下部にある給紙カセットは2段式になっており、上段のスライドトレイにはがきやL判サイズの用紙を、下段にA4サイズまでの用紙をセットできる。給紙容量は上段が20枚(L判光沢紙やはがき)、下段が100枚(A4普通紙)とまずまずだ。

 難点は上下段の給紙が自動で切り替わらないこと。L判やはがきを印刷する場合は、上段のスライドトレイを手動で押し込む必要がある。給紙トレイが1つしかなく、いちいち用紙を出し入れするよりははるかによいが、ネットワークプリンタとして複数の用紙種別を使い分けて印刷するケースなどでは少々不便だ。

 新機能としては、他社に追従してBlu-ray/DVD/CDレーベル印刷が可能になった。Blu-ray/DVD/CDトレイは別パーツになっており、手動で着脱する仕組みだ。レーベル印刷時はトレイが一度背面に飛び出して戻ってくる。トレイを原稿台カバー内に収納できるため、保管場所に困ることはない。

 そして眼目はやはり自動両面印刷機構とADFを標準で装備していることだろう。まさにMyMioの900番台を名乗るにふさわしい多機能ぶりだ。この2つを装備していることを考慮すると、ボディはコンパクトといえる。ADFは片面読み取りで給紙容量は15枚と少なめだが、この価格帯の複合機でADFと自動両面印刷が両方付いているのは見逃せない。

tm_1112_mymio_06.jpgtm_1112_mymio_07.jpgtm_1112_mymio_08.jpg 前面の下部に2段式の給紙カセットを配置(写真=左/中央)。Blu-ray/DVD/CDレーベル印刷を行うときは、前面にあるグレーのディスクガイドを下げて、別パーツのトレイを装着する(写真=右)

tm_1112_mymio_09.jpgtm_1112_mymio_10.jpg 前面の排紙トレイは給紙カセットの上部に取り付けられており、コンパクトだ(写真=左)。ADFは15枚の給紙が可能だ(写真=右)

必要十分なインタフェースと装備

 PCとの接続インタフェースはUSB 2.0、100BASE-TXの有線LAN、IEEE802.11b/g/nの無線LANを標準装備。簡単に無線接続が可能なAOSSとWPSもサポートしている。プリンタドライバの対応OSは、Windows XP/Vista/7、Mac OS X 10.4.11以降だ。

 そのほか、USBメモリやPictBridgeに対応したUSBポート、メモリースティックPRO、メモリースティックPRO デュオ、SDXC対応SDメモリーカード/MMCに対応したカードスロットも備える。家庭向け複合機として必要十分な装備だろう。

tm_1112_mymio_11.jpgtm_1112_mymio_12.jpg USBと有線LANのコネクタはボディ内部にあり、ボディの端にケーブルをはわせる溝がある(写真=左)。前面にはメモリカードスロットとUSBポートが用意されている(写真=右)

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