CPUはTDP(熱設計電力)が95ワットのデスクトップPC向け第2世代Core i5/i7(開発コード名:Sandy Bridge)を採用する。
スタンダードモデルとプレミアムモデルが搭載するのは、Core i5-2320(3.0GHz/最大3.3GHz/6Mバイト3次キャッシュ)だ。コア数は4つだが、Hyper-Threadingには対応しないため、スレッドの同時実行数は4つとなる。Turbo Boostには対応しており、動作クロックは最大で3.3GHzまで上昇する。
一方、最上位のプラチナモデルはCore i7-2600(3.4GHz/最大3.8GHz/8Mバイト3次キャッシュ)を搭載する。こちらは4コア/8スレッド対応のCPUだ。いずれもCore i5/i7ではエントリークラスのモデルとなる。
チップセットはIntel H61 Expressを採用する。メインメモリはデスクトップ用のDIMMを使っており、小型ボディだからといってノート用のSO-DIMMといったことはない。マザーボード上のDIMMスロットは2基だ。メインメモリの容量はスタンダードモデルが2Gバイト×2枚の4Gバイト、プレミアムモデルが2Gバイト+4Gバイトの合計6Gバイト、プラチナモデルが4Gバイト×2枚の8Gバイトとなる。いずれもDDR3-1333対応だ。
プレミアムモデルの場合、メインメモリが2Gバイトと4Gバイトの変則的な組み合わせになっているが、メモリのそれぞれ2Gバイトぶんまでがデュアルチャネル、それ以上の部分がシングルチャネル動作となる。ほかの2モデルはすべてデュアルチャネル構成だ。
データストレージは3.5インチのHDDを内蔵する。容量は全モデルで1Tバイトに固定されており、ほかの容量や高速なSSDを選べないのは少々物足りない。今回入手したプレミアムモデルは、シーゲイト製のBarracuda 7200.12(7200rpm)を装備していた。
光学ドライブはノートPC向けのスリムタイプで、DVDスーパーマルチを採用。スロットインタイプの光学ドライブを用いることにより、前面をスッキリまとめつつ、上質感を演出している。プラチナモデルはBD-ROMドライブの選択も可能だ。
インタフェースについては、アクセスしやすい前面に2基のUSB 2.0と、ヘッドフォン出力、マイク入力の端子を装備。背面にはグラフィックスカード搭載の映像出力を除き、HDMI出力、4基のUSB 2.0、2基のUSB 3.0、ギガビットLAN、光デジタル音声出力、同軸デジタル音声、アナログ音声出力を備える。通信機能はIEEE802.11a/b/g/n準拠の無線LANモジュールも標準搭載だ。
PS/2やIDEのインタフェースは省かれ、ハードウェア制御にBIOSではなくEFIを用いており、完全なレガシーフリーPCとなっている。ゲーミングPCとして見た場合、PS/2ポートがないため、キーボードの“全キー同時押し”への対応を求めるコアなFPSユーザー向きではない点に注意したい。
スリムタワーとはいっても、Alienwareブランドの一員である。当然、製品を選ぶうえではゲーミングPCとしてのパフォーマンスが重要だ。そこで、プレミアムモデルで各種パフォーマンステストを実施した。
まずはWindowsエクスペリエンスインデックスのスコアを見ていこう。プロセッサは7.4、グラフィックスは7.5、メモリは7.4、プライマリハードディスクは5.9となっている。メモリは変則的な6Gバイトの構成だが、7.4のスコアを確保した。グラフィックスがプロセッサのスコアを上回り、トップになっている点に注目したい。コンパクトボディでこの描画性能は、さすがにAlienwareだ。
次に各種ベンチマークテストの結果だ。総合的なパフォーマンスとしては、CPUより新型グラフィックスカードの恩恵がかなり高いといえる。
3Dゲーム系のテスト結果を見ると、DirectX 9ベースのテストに関しては、何ら問題なくプレイできるレベルだった。そうしたゲームタイトルをフルHDの高解像度で十分楽しめるだろう。一方、新世代のDirectX 11ベースでのテストに関しては、スコアもガクンと落ちていることから分かるように、解像度を下げるなりしないと満足にプレイできないかもしれない。
各種ベンチマークテストの結果 | ||
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テスト内容 | スコア | |
PCMark05(1280×1024、32ビット) | CPU | 10755 |
Memory | 7149 | |
Graphics | 20506 | |
HDD | 7363 | |
PCMark Vantage(1280×1024、32ビット) | PCMarks | 9075 |
Memories | 6983 | |
TV and Movies | 5620 | |
Gaming | 9493 | |
Music | 7458 | |
Communications | 11273 | |
Productivity | 6764 | |
HDD | 4281 | |
PCMark 7 | PCMarks | 2885 |
Lightweight | 2323 | |
Productivity | 1948 | |
Creativity | 3103 | |
Entertainment | 3480 | |
Computation | 3520 | |
System Storage | 1929 | |
3DMark 06(1280×1024、32ビット) | 3DMarks | 19770 |
SM2.0 | 8106 | |
HDR/SM3.0 | 9056 | |
CPU | 5476 | |
3DMark Vantage(Performance:1280×1024、32ビット) | 3DMarks | 13082 |
CPU | 16018 | |
GPU | 12329 | |
3DMark11(Entry:1024×600) | 3DMark11 | 5237 |
Graphics | 5339 | |
Physics | 5865 | |
Combined | 3888 | |
3DMark11(Performance:1280×720) | 3DMark11 | 3358 |
Graphics | 3130 | |
Physics | 5905 | |
Combined | 3057 | |
3DMark11(Extreme:1920×1080) | 3DMark11 | 1066 |
Graphics | 951 | |
Physics | 5911 | |
Combined | 1256 | |
FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3 | Low | 11603 |
High | 9651 | |
FINAL FANTASY XIV Official Benchmark | Low | 5341 |
High | 3315 | |
STREET FIGHTER IV BENCHMARK(1280×720、32ビット) | Score | 9943 |
Average | 59.94FPS | |
STREET FIGHTER IV BENCHMARK(1366×768、32ビット) | Score | 9870 |
Average | 59.98FPS | |
STREET FIGHTER IV BENCHMARK(1366×768、32ビット) | Score | 9020 |
Average | 59.95FPS | |
LOST PLANET2ベンチマーク DirectX 9版(1280×720、32ビット) | テストタイプA | 80.8FPS |
テストタイプB | 67.2FPS | |
LOST PLANET2ベンチマークDirectX 9版(1360×768、32ビット) | テストタイプA | 80.6FPS |
テストタイプB | 63.6FPS | |
LOST PLANET2ベンチマークDirectX 9版(1920×1080、32ビット) | テストタイプA | 52.9FPS |
テストタイプB | 38.0FPS | |
LOST PLANET2ベンチマークDirectX 11版(1280×720、32ビット) | テストタイプA | 57.6FPS |
テストタイプB | 45.9FPS | |
LOST PLANET2ベンチマークDirectX 11版(1360×768、32ビット) | テストタイプA | 55.4FPS |
テストタイプB | 44.1FPS | |
LOST PLANET2ベンチマークDirectX 11版(1920×1080、32ビット) | テストタイプA | 33.1FPS |
テストタイプB | 33.0FPS | |
THE LAST REMNAN体験版&ベンチマーク(1280×720、32ビット) | Average | 183.00FPS |
THE LAST REMNAN体験版&ベンチマーク(1366×768、32ビット) | Average | 166.75FPS |
THE LAST REMNAN体験版&ベンチマーク(1920×1080、32ビット) | Average | 94.99FPS |
以上、Alienware X51を一通りチェックした。直販価格は今回テストしたプレミアムモデルが8万9980円、下位のスタンダードモデルが7万9980円、上位のプラチナモデルが10万4980円だ。このスタイリッシュなコンパクトボディに、3Dゲームが存分に楽しめるグラフィックスカードを装備でき、7万円台〜10万円台半ばという価格ならばアリだろう。
ハードゲーマーにはハイエンドな構成が可能なAlienware Auroraを強くおすすめするが、3Dゲームをバリバリとプレイしつつ、通常のPC利用も快適にこなせるメインマシンとしての小型デスクトップPCを求めるならば、X51はうってつけだ。リビングで大型テレビの横に置き、大画面でゲームやPCのコンテンツを映し出して利用するのは実に気持ちいい。
友人を家に呼んで、「どうよ? 10万円の最新ゲーム機だぜ!」と思わず自慢したくなる魅力的なゲーミングPCだ。
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戦功を刻む微小のウェポン。価格は7万9980円(2月28日現在)
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