一方、数々の新機能やセキュリティ対策の向上、サポート期限の延長といったメリットを認め、Windows 10を導入するつもりだが、アップグレードで新たに環境や設定を変更するのが面倒なので、ギリギリまで待ちたいという人も少なくないと予想される。その場合、どのタイミングでアップグレードすべきだろうか。
おすすめしたいのは「Anniversary Update」が配信された直後のタイミングだ。開発コード名「Redstone(RS1)」とも呼ばれるWindows 10の次期大型アップデートであるAnniversary Updateの配信は「今夏」と予告されている。
Microsoftは具体的な日付には言及していないが、Windows関連の動向に詳しいブラッド・サムス氏がThurrott.comへ4月27日に投稿した記事によれば、現在のAnniversary Updateの配信ターゲットは「7月中旬」となっている。
Windows 10への移行を加速させたいMicrosoftは、最後の一押しとして、数多くの新機能アップデートが含まれたAnniversary UpdateをWindows 10の無料アップグレード期間が終了する7月29日より前のタイミングで配信したいはずだ。というわけで、ギリギリまで待つという人は、Anniversary Updateの配信直後が狙い目と言える。
Windows 10における大型アップデートの適用には最低でも1〜2時間ほどの作業時間を要し、場合によっては失敗することもある。もし面倒な作業を一度で終わらせたいならば、Anniversary Updateが適用された最新ビルドを使ってWindows 10へのアップグレードを行うべきだろう。ぜひ7月中旬以降の最新ニュースに注目してほしい。
「別に新機能はいらない、その代わりアップグレードに悩まされることもない、長年使い続けたPCにはそのまま平穏な余生を送らせたい」と考えている人も、もちろんいるだろう。実際、何の問題もなくPCが動いているのだから、あと数年は現状のシステムのままPCを使い続けたいと考えるのは自然なことだ。
現状で、既にサポートが終了したWindows XPがまだ世界中で稼働していることが確認されているが、Windows Vistaユーザーも、Windows 7ユーザーも、延長サポートが終了するまであえて使い続けるのもアリだろう。
世代が新しいOSほどセキュリティ的に強固で、安全性が高くなるのは確かだが、少なくともサポート期間内であれば旧OSであっても対処は可能だ。最も怖いのは「マルウェアによる攻撃で、個人情報が漏えいしたり、ウイルスに感染して新たな攻撃の踏み台になったりすること」で、これを避けるためにもWindows OSのサポート期間には細心の注意を払ってほしい。
近年の例では、Windows XPの延長サポート終了から1カ月程度で「ゼロデイ攻撃」が発見され、Microsoftが急きょ臨時のアップデート対応を行ったことがあった。これは特例であり、今後同じようにWindows VistaやWindows 7の延長サポート終了後に発生した攻撃に対して、Microsoftが対策するとは限らない(サポート切れ製品なのだから当然だ)。
今後はサポート切れのOSを狙った攻撃が増えることも考えられるため、旧Windows OSを使い続ける場合でも、サポート期間内での使用にとどめるようにする。あるいは、古いアプリケーションや周辺機器をどうしても使い続けなければならないケースでは、ネットワークなどを遮断してスタンドアロンに近い状態を保つことなど、利用にあたって工夫すべきだ。
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