米MicrosoftがiMac対抗となるオールインワン(AiO)型デスクトップPC「Surface Studio」を発表した翌日、米Appleはフルモデルチェンジの新型「MacBook Pro」を発表した。10月27日(現地時間)のことだ。
「Surface Book」は最上位機のみマイナーチェンジ、「Surface Pro 4」は既存モデルを継続販売ということで、この冬にハイスペックなノートPCを購入したいと考えているユーザーにとって、新型MacBook Proは気になる存在だろう。最新のmacOSが利用できるのはもちろん、Boot Campや仮想環境によりWindows PCとしても使えるからだ。
ここで気になるポイントは、新型MacBook Pro最大の特徴である「Touch Bar」が、Windows利用時にどのような挙動をするかだろう。
Touch BarはこれまでMacBook Proのキーボード最上段にあった「Esc」キー、ファンクションキー、電源キーを省き、代わりに棒状のタッチパネル式の有機ELディスプレイを搭載したものだ。状況に応じて有機ELディスプレイのキー表示が切り替わり、さまざまな機能が利用可能になる。また、指紋認証センサーの「Touch ID」も内蔵している。
このTouch BarはmacOS用の新機能で、Windowsには同様の機能が存在しないが、Boot Campを使ってインストールしたWindowsでも利用できるとの情報が入ってきた。
MacRumorsによれば、macOSの製品開発担当であるクレイグ・フェデリギ氏がユーザーから送られたメールでの質問に回答している。Touch Barに表示されるキーはBoot Camp上のWindowsからもタッチでき、問題となる「Esc」キー、ファンクションキー、電源キーが利用可能になるという。
同誌はこのメールの真偽を保証していないものの、過去にも似たようなやりとりでAppleの幹部が直接ユーザーに回答するケースがあったため、今回も同様と考えられる。この部分が気になっていた方には興味深い話だろう。
一方、Touch Barに組み込まれたTouch IDは利用が難しいようで、Windows 10の生体認証機能「Windows Hello」をサポートしない可能性が高いというのは残念だ。
Touch Barを搭載した新型MacBook Proは、最速の出荷予定日が11月中旬とされていたが、2016年11月2日の段階で出荷予定が4〜5週間後となっている。10月28日からアップルストア表参道店で実機の展示が始まったが、円筒形のショーケースに入った状態で触って操作することができない状態だ(国内展示は同店のみ)。店頭にふらりを行って購入するには、まだしばらくかかるだろう。
これは米国でも同様だ。筆者が訪れた米カリフォルニア州サンフランシスコにある旗艦店のApple Union Squareでは、製品発表の翌日に新型MacBook Proの展示を開始したが、やはりショーケースに入った状態で触ることができなかった。また、新型MacBook ProのTouch Bar非搭載モデルについても試用可能な実機がなく、オンラインでの注文のみ受け付けているという。
ホリデーシーズン商戦に入る11月後半からは状況が好転するかもしれないが、多くのユーザーが新型MacBook ProのTouch Barを存分に試せるようになるには、まだ時間がかかりそうだ。
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