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達人レビュアーが選んだ2016年のイチオシPC(3/3 ページ)

» 2016年12月31日 06時00分 公開
[鈴木雅暢ITmedia]
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大画面+4コアCPUでも薄く軽く「15インチMacBook Pro(2016)」

MacBook Pro 「15インチMacBook Pro(2016)」(Apple Japan)

 Appleファン以外にも、「15インチMacBook Pro」のモデルチェンジを待っていたユーザーは少なくないだろう。というのも、クアッドコアCPUと外部GPU、15型クラスの大画面を搭載し、携帯可能な重さを実現しているPCの選択肢がほとんどないためだ。

 対抗できる製品としては、Dellの「XPS 15」、少し毛色が異なるがRazerの「Razer Blade」くらいだろうか。なぜ他のメーカーがAppleを強く意識しながらこの対抗となるスペックを備えた製品を出さないのかは不明だが、MacBook Proは基本スペックでの特徴を維持しながら、より薄くて軽いボディーに進化した。パフォーマンス志向のユーザーにとって、この堅実な進化はうれしい。

 賛否両論あるだろうが、キーボード最上段を「Touch Bar」に切り替え、インタフェースを4基の「Thunderbolt 3」のみに統一した点もトピックだ。特に後者は、4つのどのポートでもACアダプターでの充電、USB 3.1およびThunderbolt 3のデータ転送、ディスプレイ出力(DisplayPort 1.2)が可能で、スマートフォンの充電もこなす。いち早くThunderbolt 3の多用途ぶりを知らしめた製品としても挙げておきたい。

2017年はPCのパラダイムシフトに期待

 自作PCやデスクトップPCも数多く扱ってきた1年だったが、振り返って選出してみると全てモバイルPCという結果になった。やはり薄型軽量化の進行、USB Type-Cとその関連技術のインパクトは大きい。

 薄型軽量化技術の進歩を感じさせるモデルとしては、ASUSの「ZenBook 3 UX390」、東芝の「dynabook V82」なども挙げられる。いずれもKaby Lakeこと第7世代Coreプロセッサ搭載製品だ。まだ採用モデルが少ないこともあり、新旧モデルをじっくりと比較する機会には恵まれていないが、Kaby Lakeのポテンシャルは相当に高いと感じている。

 2016年に目立ったPCを構成する要素では、NVIDIAが投入した「GeForce GTX 1000」シリーズ(開発コード名:Pascal)の先代からの進化が強烈だ。特にノートPC向けでは電力効率の進化がダイレクトに効いており、ゲーミングノートPCは大きくパフォーマンスが飛躍した。現時点での搭載製品はまだ少ないが、マウスコンピューターの「NEXTGEAR-NOTE i5720」などがある。

 Kaby Lake、Pascalの電力効率、Haswell(第4世代Core)の時代から業界内で培われてきた省電力技術、USB Type-Cとその関連技術。個人的には、モバイルPCのパラダイムシフトが起きるに十分な条件が整いつつあると考えている。2017年には既存のモバイルPCのイメージを覆す製品に期待したい。

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