Windows 10の次期大型アップデート「Creators Update」は、今春の配信に向けて準備が進んでいる。この影響によって、MicrosoftのOSアップデートに関するスケジュールで若干のイレギュラーが発生しており、PC管理者を中心に話題になっている。
米国時間で毎月第2火曜日はMicrosoftの月例セキュリティパッチが配信される日だが、珍しく2月14日(日本時間で2月15日)はパッチの配信が見送られた。
同社によれば、配信直前に一部顧客に問題を引き起こす欠陥が見つかり、配信期限までに解決できなかったため、提供を延期したという。もろもろの問題を考慮のうえで2月中のパッチ提供は中止し、同月分のアップデートは全て3月14日(日本時間で3月15日)に予定されている月例セキュリティパッチとして配信する予定だ。
月例でのパッチ配信を開始して以降、パッチの提供自体を中止するのは初めてのケースとみられる。配信を強行してトラブルを引き起こすよりも、提供を中断して様子を見たほうが多くのユーザーにとってメリットになる可能性が高いが、一方で既知の脆弱(ぜいじゃく)性への対処が1カ月以上遅れることとなり、その点での不安はある。
ちなみに、Microsoftは過去3カ月ほどの期間を除けば、旧Windows(7/8.1など)向けにInternet Explorer 11のセキュリティアップデートを別途行っており、今回の措置で影響は受けないとみられる。
今回の話題と直接関係はないだろうが、MicrosoftはOSサポート期限に関するイレギュラーな施策も行った。2017年3月26日にWindows 10初代バージョン(1507)向けの各種アップデート配信を終了すると告知していたのだが、この期間を5月に延期したのだ。
5月のいつのタイミングかを明示していないうえ、その理由は不明だが、何らかの問題または一部顧客からの要請があったのだろう。
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