これはBuild 15014より前から搭載されていた可能性もあるが、設定アプリに「Windows Holographic」向けの「ホログラフィック」という専用項目が出現している点にも注目だ。筆者は海外出張中でBuild 15007を適用できず、Build 15002からBuild 15014まで一気に番号を飛ばして更新してしまったが、この際に設定項目が変化しているのを確認できた。
ただし、筆者のSurface ProのパフォーマンスではWindows Holographicを利用するのには不十分なようだ。
なお、Channel 9での解説によれば、2月末に米カリフォルニア州サンフランシスコで開催されるゲームイベント「Game Debeloper Conference(GDC) 2017」において、Windows Holographicのデベロッパーキットが提供されるとのことだ。
実際にハードウェア込みでSDK等がこのタイミングで提供されるかは不明だが、会期中に何らかのアナウンスが行われ、少なくとも3月中には提供が始まるとみられる。
いずれにせよ、2017年に米ワシントン州シアトルでの開催が予定されている開発者イベント「Build 2017」は5月上旬となっており、実際にWindows Holographic対応製品が市場に出回るまであまり期間がない。
そのため、少しでも早くコンテンツやアプリの開発者らにこの世界に触れてもらうべく、GDC開催の時期をターゲットに動いているというのは十分に考えられる。Creators Updateの登場が3月末〜4月上旬と予想されていることからも、タイミング的には適当だろう。
MicrosoftはWindows 10を展開するうえで「Windows as a Service(WaaS)」を標語に、Windows OSの定期的なアップデートによる最適化を行う施策を続けている。このポリシー下では「Windows 10の定期的な大型アップデートは、次の次のアップデート、つまり2世代先のアップデートが提供されるまでに、その適用を済ませておく」ことが推奨されている。
詳細については以前にも解説したが、企業向けで固定環境を想定した「Long Term Service Branch(LTSB)」を除けば、一般向けの「Current Branch(CB)」ならびに企業ユーザー向けの「Current Branch for Business(CBB)」ともに対象であり、特にCBについては「次のアップデートの提供が始まったら、できるだけ速やかに適用すること」が推奨されている。
これらのポリシーの下、Windows 10のオリジナルバージョンである「1507」に終了のタイミングが近づきつつある。
米Microsoftのネイサン・マーサー氏が同社公式ブログにて、「CBの提供開始から4カ月後」というルールにのっとって「Anniversary Update(1607)」のCBBへの適用を11月29日にスタートし、2017年1月19日のタイミングでは「Windows Update for Business」「Windows Server Update Services(WSUS)」「MSDN Subscriptions」向けにアップデートメディアの提供を開始したことを報告した。
さらに1月26日には、Volume Licensing Service Center(VLSC)向けにAnniversary Updateのメディア提供を開始する見込みだ。このVLSC向けメディア提供のタイミングをもって同アップデートの展開計画は完了し、2世代前にあたる初代Windows 10(1507)向けの各種アップデート配信を終了するという。アップデート提供終了までの猶予期間(Grace Period)は60日間で、1月26日から60日後の「3月26日」がデッドラインとなる。
もっとも、以前にも触れたように、半年前の2016年9月時点で初代Windows 10(1507)のWindows 10 OS全体におけるシェアは6%程度しかなく、既にAnniversary Updateが広範囲に提供されている現在では微々たるものと推察される。一応の注意事項ではあるが、該当するユーザーは気を付けていただきたい。
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